劇場で鑑賞。
顔立ちは可愛いけど、どちらかというと地味で少々変わり者のジュノ。
色気とは無縁そうで遊んでもいなさそうなタイプが、たった一度の気まぐれと過ちで妊娠してしまう。しかも本人も相手も高校生……
ショックはショックだろうが、そりゃ避妊しなかった自分たちの自業自得だろう、というのはここではもう手遅れなのでおいとくとしてw
「妊娠しちゃった。それと産むつもりです」という爆弾をコンボで落とされたにもかかわらず、驚きはしつつも割と淡々と事実を受け入れてしまう周りの面々が、状況の深刻さとは裏腹に微妙にコミカルで笑いを誘う。
まぁ、あまりに唐突&意外すぎて、ショックを吸収するヒマもなかったというのが正しい状況なんだろうけどw
「本人がその気なら」と、16歳での出産をサポートしてくれる友人や家族が頼もしい。特に、超音波検診で技師相手に啖呵をきったりもする、義理のお母さんがなにげにカッコいい!
心中複雑だろうにそれを表に出さず、説教を垂れることも怒鳴りつけることもせず、娘の希望を第一に考えて支えてあげてるお父さんの、ちょっと不器用な優しさもいい。
どんどん大きくなるお腹を抱え、奇異の目で見られたり陰でいろいろ言われていることも承知していながら、普通に高校に通い続けるジュノ。かなり逞しくて見ていて気持ちいいくらい。
シリアスなテーマなのに暗く重くならないのは、ジュノというキャラをはじめ映画全体に、独特のユーモアと軽薄でない軽さが終始一貫してキープされているおかげだと思う。
子供ができちゃったけどいらないから誰かにもらってもらおう、というジュノの決断は確かに無責任ではあるけれど、それも物語が進んでいくにつれて、彼女自身が身をもって「人の母になること」の重みや意味を、きちんと理解していく。
養子を希望するカップルと出会うあたりから、あぁこれでやっぱり気が変わってジュノが子供をあげない展開になるんじゃ……と思ったり、妻のいない間に訪ねてきては夫と二人きりで無邪気に過ごしているジュノにヒヤヒヤハラハラしたりもするのだけど、ラストはいい意味でいろいろ裏切られることに。
全員が全員ハッピーにはならない、切ないけどでも心温まるエンディング。
ジュノとブリーカーの関係も、順番としては逆になっちゃったものの微笑ましいものが。
……でも次回からはちゃんと避妊するんだよ!w
新年の初映画から早速いい作品に出会えてシアワセ。
幸先のいい滑り出し!
マイ評価:★★★★☆
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