DVDで観賞。
『映画の存在だけは前から知ってたけど、なんとなくずーっと観ないままになってた』、そういう映画のひとつだったこの作品。
……で、そんな映画に限って良作なのはどういう法則なんだろうか!w
もっと早くに観ておけばよかったー。
北風とともに渡り鳥のように、街から街へ移動して暮らす母娘。
祖母の頃からそうしていたから……という理由でずっとさすらってきたけど、本当は移動生活なんて大嫌いという娘の本音、移動は一種の「逃げ」でもあったのかもしれないなと思わせる母の描写などが、一見ファンタジックな設定の中にリアルな切なさを添えていて良かった。
村の人々と交流し、それぞれの問題の手助けをしてあげながら、実は本人達もまた心のどこかで解決したいモヤモヤを抱えていたのだな、というか。
暴力的な夫の支配下から立ち上がって自立しようとする弱い女性や、愛情はあるのに素直になれない老婆とその娘、そんな二人の間で大事な橋になる孫、自分にも他人にも厳しく孤独な街のお偉いさん――などなど、それぞれのストーリーがとても感動的だった。
脇役として登場していたジョニー・デップも、親子や村人たちに影響を与える役割にして、控えめないい味わいのキャラ。
ただ、ひとつ欠点をあげるとするなら。
……この映画を観ている最中、もうとにかくチョコレートが食べたくて食べたくてどうしようもなくなるのには非常に困った!w
またそういうときに限って家に買い置きがないというこのつらさ!
画面に次々と出てくる美味しそうなショコラの数々。
観ているだけでもその甘い香りが今にも鼻先へ漂ってきそうで、チョコ大好き人間には本気でヨダレが垂れそうだった。
マイ評価:★★★☆☆
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