DVDで鑑賞。
幼少時の虐待がもとでセックス依存症になってしまった、レイを演じるクリスティーナ・リッチの迫力と説得力ある演技がすごい。
同棲している恋人がいても、それとセックスへの衝動や欲求は別物。
軍の仕事で恋人が側を離れてしまったとたん、男であれば相手が誰だろうと手当たり次第、何かにとりつかれたようにやらずにはいられない。「自分でも抑えられない」という感じで、ただの『尻軽』とかではなくて本当に『病気』なんだというのがよくわかる。
と、役柄からしてそんななので劇中ほぼ半裸だったりするんだけど、以前のふくよかな印象が嘘のような痩せっぷりだよなぁ……と、クリスティーナの細さにつくづく驚き。というか、アバラ浮いてたりして正直ちょっと痩せすぎな感も。(でも胸はあるんだよなぁ)
レイというキャラはある意味とても『不健康』な設定だから、役柄には合っているんだろうけど、冒頭で殴られてからラストまで消えない顔の痣とあいまって、見た目は相当痛々しい感じだった。
そんなレイを助けようとするラザラスに、サミュエル・L・ジャクソンはかなりハマリ役。
無骨で不器用で頑固者、でも誠実で厳しい優しさのある彼がレイの世話をして次第に心を通わせ、彼自身もまた癒されていく。二人の間に生まれる、恋人のような友人のような親子のような、独特の雰囲気がとてもツボだった。
劇中に挿入されるブルース演奏、ギターも歌声もめちゃめちゃ渋かった。
ちなみに歌はサミュエル本人によるものだとか。多方面に才能あるんだなー。
それとレイの恋人ロニー役のジャスティン・ティンバーレイクも、不安障害もちの繊細な青年を意外と上手く演じていて驚きだった。
彼の歌手活動にはもともと興味がないし、演技のほうも正直「どうせアイドルあがりのなんちゃって俳優なんだろう」とフィルターかかった目で見ていたけど、そこは考えを改めないといけないかも。
いろいろあった末にけっきょく『解決』というものはなく、それぞれの抱えた問題も奇跡的に治ったりはしない。それでも互いに寄り添い合い、支え合いながら健気に生きていこうと新しいスタートをきるレイとロニー。
そんな二人を、自らもまたささやかな幸せを掴むことのできたラザラスがじっと見送るラストは、じんわりくるものがあってよかった。
マイ評価:★★★★☆
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