DVDで鑑賞。
『Juno』で高校生妊婦を演じ、作品そのものと本人の魅力との相乗効果で、あっという間に話題や人気をかっさらったエレン・ペイジ。
そんな彼女が、『Juno』の二年も前にこんな衝撃作品に主演して、既にその演技力のすごさを披露していたとは知らなかった!
ショートカットのヘアスタイルに、男の子みたいな細い身体と服装がめちゃめちゃ可愛い。
32歳の成人男性と14歳の未成年少女の話とあって、最初から漂う危険な香り。
冒頭のチャットやコーヒーショップでの初対面シーンも、会話は他愛なく和やかながらも、興味を持ってお互いを探りつつ同時にさりげなく警戒しているような緊張感が。
大人っぽくふるまいたい・扱われたい年頃の少女が、優しくスマートな物腰のロリコン男に言葉巧みにほだされ、危険な罠にはまっていく……
と見せかけて。
実は罠を張っていたのは少女のほうだった、というびっくりの展開が、始まって割とすぐにヘイリー本人によって明かされる。
酒に混ぜた薬で気を失わせたジェフを椅子に縛りつけ、目覚めて混乱する彼に自らの計画を語って聞かせるヘイリー。
TVでも放映するアメリカのペド犯罪者一斉捕獲なんかでは、チャットでおびき寄せておいて男がのこのこ現れたとこを問答無用でお縄なんてのが実際にあったりもするけど(ちなみに逮捕者たちの顔も名前もバッチリ出る)、そういうのかと思ったらぜんぜん違った。
ここでは警察の介入は一切なし、あくまでも彼女の個人的な計画。
あどけない表情と華奢な体をしたまだほんの少女なのに、ロリペド犯罪者野郎に制裁を加えるという目的のため、大人顔負けの用意周到さで過激な計画を着々と練っていた……という、見た目とのギャップと冷酷さに度肝を抜かれる。
そしてこの後、体の自由を奪ったジェフに対してヘイリーの実行していく尋問や制裁が、またさらに壮絶で恐ろしい!
助けも呼べない・逃げられない状態で、ねちねちじわじわと精神的にも肉体的にもいたぶられていく描写はけっこう容赦ない。
女の自分も思わず、ついてないタマをイテテとかばいたくなるような場面も……w
しかも、ジェフが疑いようもなく悪人だとわかっているならまぁ同情の余地はないにしても、かなりギリギリまで「いや、もしかしてこいつほんとに無実なんじゃ?」と思わせるような引っぱり方をしてくるので、これがすべてヘイリーの壮大な勘違いだったらマジでシャレにならんのですけど! という意味での緊迫感もある。
取り返しつかないことしちゃってから「人違いでした、てへっミ☆」じゃ済まされないわけだしw
どっちが正しいことを言っているのか、実際に何が起きたのか、そしてヘイリーという少女はいったい何者なのか。
ほぼ全編がジェフの家という舞台のみで展開、話のほとんどもメインキャラの二人のみによって進められる中で、これだけ張り詰めた空気を最後の最後まで保っているのはすごい。
明らかになる事実もあれば謎のまま終わる部分もあるので、ラストまで本気で目が離せない。
後味は決して爽快とは言い難いけど、おもしろい映画だった。
ただ、フィクションの二次元世界限定とはいえ未成年キャラにも萌えたり、ヨコシマもの二次創作なんて書いたりしてる私のようなヲタ腐女子にとって、ヘイリーがジェフにぶつけるセリフの中にはかなり胸にチクチクくるものもありましたわ……orz
腐ったヘンタイですみません。
現実社会で子供を性犯罪から守るべきっていうのは私ももちろん全面的に同意なんで、個人が趣味の妄想世界だけであれこれやるのは許していただけないでしょうか、ヘイリー様w
マイ評価:★★★★☆
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