劇場で鑑賞。
せっかくなので3Dバージョンのほうを観た。
迫力ある立体的な映像に最初は「おおっ」といちいち驚いていたけど、3Dって観ているうちに慣れてしまうものなのだなぁ……
それはさておき、グラフィックの美麗さは素晴らしかった。
たまにゲーム画面見てるような気分にはなったけどw
ストーリーは北欧の古典に基づいているらしいけど、私自身は元ネタに対してほとんど知識も馴染みもないので、初めて触れる話として楽しめた。
主人公ベオウルフが、優等生的クリーンな英雄像でないのがいい。
体も頭もマッチョな荒くれ者、見栄っぱりだったり誘惑に弱かったりと、内面もとても人間らしくてある意味身近なキャラ。
まぁ、その人間らしい「欲」が後の命取りになるわけだけど。
しかし真の敵ともいえる、グレンデル母の目的はいったい何なのか?
ただ人を惑わすことと、子種をもらうことだけが目的?
その美しさも含め、彼女の存在そのものが「人の欲や誘惑に弱い心が生み出した怪物」であるという解釈もできるのかもしないけど……それに打ち克つのは困難を極めるものである、みたいな教訓つきで。
ラストの「新しい王」はそれに屈しないだけの意思がありそうに見えたけど、あれから先はどうなったんだろうか。
ベオウルフのマッチョな戦いはすごかったものの、観終わった後、なんというか一番強いのはやっぱり女ってことなんじゃないだろうか、と思った。
力を求める男たちを次々に魅了し手玉にとるグレンデルの母もそうだし、あと最終的に夫を3人も替えることになった王妃にしても、男が自らの欲望に負けていく中で最後までしっかり立っていて、戦いはしなくともめちゃくちゃ逞しかった気が。
そして悪者扱いされてた怪物グレンデル、実はなにげにものすごく不憫。
町のどんちゃん騒ぎが剥き出しの鼓膜に痛くてたまらんかったから、
「ちょっとおまえらバカ騒ぎもいいかげんにしてくれませんかね( ゚Д゚)ゴルァ!」
と苦情を言いにいっただけなのに……
騒音に困っていた彼のほうがある意味被害者なのに、あの仕打ちはひどい!
マイ評価:★★★☆☆
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