DVDで鑑賞。
ちょっと変わったゾンビものコメディ。
舞台は1950年代のアメリカ風、カラフルで小奇麗で映画『Pleasantville』っぽい、作り物めいた感じの町と人々。そこにゾンビという取り合わせがまず異質でおもしろい。
パパが仕事から帰ってきてみんなでディナーの時間、そこでママがベルを鳴らすと、キッチンのほうからローストの皿を手に従順なお手伝いさんよろしくゾンビが登場。
実はゾンビ嫌いでビビってるパパと息子をよそに、ママは「だってだって、ご近所さんはみんな飼ってるんですもの〜」と言い訳w
牛乳新聞配達にゴミ集積に清掃に工場の従業員、家庭では家事を手伝うメイドがわりと、ゾンビたちの扱いは(動きはスローで外見もグロいけど)「給料の要らない・文句も言わない便利な働き手」、もしくはペット。
ゾンビに躾と訓練を施して扱いやすくするというのは『Day of the Dead』、首輪と鎖で庭に繋いでおくあたりは『28 Days Later...』をなんとなく彷彿させる。
「Boy」と呼びかけたりボールの「とって来い」遊びをしたり、汚れたファイドをホースの水で洗ったりと、主人公の少年ティミーのファイドに対する扱いは、まるっきり飼い犬に対してのそれ。ファイドもそれで満足の様子。
でもこのファイドも、人間として生きていた頃はちゃんと名前もあって、仕事もしていてきっと家庭もあって、誰かの上司や同僚であり、夫や父親であったのかもしれないな。ゾンビとして蘇ってしまったためにこんな死後の人生(?)を歩むことになってしまっているけど……
と考えると、成人男性のでかい図体で犬みたいに少年にくっついて歩いてるファイドの姿に、なんというか切ないものを感じる。
ところでゾンビを制御しているのは特別な首輪なので、これが何かのはずみで機能停止したり外れたりすると、あっという間にゾンビの本能が剥き出しに。
人々が襲われ食われるシーンはけっこうグロくて、そういうところがちゃんと『ゾンビ映画』してるのもツボだった。
公園で、散歩中の犬は無事で飼い主は食われてたけど、ゾンビたち的に動物は対象外なんだろうかw
メインとなるティミーとファイドの交流は動物もの映画の定番そのもので、なのにやっぱりゾンビだから、感動のシーンですらもものすごくシュールで笑えるw
カットされたシーンの「逃避行」の部分、あれはぜひとも本編に残しておいてほしかったなぁ。
マイ評価:★★★★☆
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