DVDで鑑賞。
リメイクの元作品は未見。
オリジナルのキャストや演出等と比較してどうなのかはわからないけど、この作品はこの作品で完成度が高くおもしろいウェスタンものとして楽しめた。
主人公二人、ダンとベンの対比のきっちりしたキャラクターに、クリスチャン・ベールとラッセル・クロウがそれぞれ絶妙なハマりっぷり。
実直で誠実で家族思い、だけど土地と牧場は失いそうな一歩手前、下の息子は病弱で上の息子からはナメられ、権力者にはねちねちと苛められ……
と、本人いい人なのに不憫すぎる境遇のダンに同情。
しかし最悪自分の命と引き換えにしてでも家族を守ろうとするところに漢を感じる。
そんな親父の苦悩をわかってない上の息子ウィリアム、ナメくさった口のきき方や態度に思わず頭のひとつもはたきたくなるw
真面目な父親に反発、アウトローなベンのいけない魅力にひかれちゃうところはまさに典型的中二病。勝手にくっついてきた護送の旅でも、ベンに心酔して染まりきっちゃって仲間になるとか言い出すんじゃ……なんて、途中までちょっとヒヤヒヤさせられたりも。
悪党なのにいいもんキャラでもあるベンは、確かに魅力的。
手錠がかけられても神妙にするどころか早速パーティメンバー殺したり(まあ奴はいけすかないキャラだったんだけど)、その気になりゃ隙なんてすぐ見つけてさっさと逃げ出すぜ〜みたいな余裕かましたりしつつも、ダンたちがピンチに陥れば手を貸したりもして、「まるっきりの悪人じゃない」ところはまさにウィリアムが見抜いた通り。
でもやっぱり『善人』でもないことは確か。
クライマックスでのダンとベンの共闘、対極にいるはずの相手と奇妙なタッグを組むことに……的なシチュエーションは燃え(&萌え)だったけど、あれもベンにとっては「気まぐれ」的要素が大きかったんじゃないのかと思う。
本人が言ってた通り、別につかまっても脱獄なんていつでもできるし、あそこで何としてでも列車に乗らずに逃げなくてはいけない必要性というのは、実はそれほどなかった。
それでもああした行動に出たのは、自分がダンの男気に惚れ、息子に男を見せようとする彼に力を貸してやりたくなった、ただそれだけの理由。
言うなればダンのために「息子への見せ場となるステージを用意してやった」のだろうけど、その結果として自分の仲間だった連中でさえ……な展開にはびっくり。
というかもともと仲間というものを必要としていないし他人は信用していない、常に一匹狼で自分のルールに則って行動してるというだけなんだろうけど。しかし仲間たち不憫w
ダンもベンも父として男として、どちらもカッコよかった!
ウィリアムにはぜひとも二人からそれぞれにいいところを学んで、いい漢になってほしいもんです。
ところで、「捕まって吊るされ電気ショック拷問を受け、声を出すまいと必死に耐えるベン」には不意打ちでうっかり激しく萌えてどうしようかと思った。
耐え方が「ぐっ……」ってより「んっ……」みたいな感じなんだもんw
ラッセルいかがわしすぎだからそれ(;´Д`)
マイ評価:★★★★☆
<<続きを畳む