DVDで鑑賞。
ナオミ・ワッツというとどうしても『King Kong』で終始口が半開きだった印象が強く、以来映画を観ていて彼女が出てくると、ついつい口元にばかり目が行ってしまうワタクシです。
ここでもやっぱり開いてましたわ……バイクで走ってるときまで開いてて、うっわーそれじゃ口ん中に虫とか入りまくりだろーと、映画に関係ないそんなどうでもいいことが気になったw
一応はメインキャラといえど、しかし彼女の役柄アンナは物語の中ではそれほど目立っているわけではなくて、むしろかなり控えめ。
見どころは何といっても、ヴィゴ・モーテンセン演じるニコライ!
初対面の印象は、穏やかな物腰ながらまったく隙がなくミステリアス、係わり合いにならないほうがいいと本能的に警戒心を抱かせるような危険な匂いのする、ストイックに渋い男前。
ロシアン・マフィアのボスに忠実に仕えつつ、「ただの運転手さ」と自らを称するそんなニコライの魅力には、アンナでなくとも否応なしに惹きつけられてしまう。
体のあちこちに入った無数のタトゥーがまた凄味を添えている。指に入ってるのがさりげなく迫力あるなーと思って観ていたら、後に出てくる娼婦とのシーンやバスハウスのヌードで全身披露しててびっくり。
デイヴィッド・クローネンバーグとヴィゴ・モーテンセンは『A History of Violence 』 (2005年)でも一緒に仕事をしていて、その作品でもヴィゴは美尻を見せたりしていたけれど……クローネンバーグよ、あんたはそんなにヴィゴの裸が好きかと問い詰めたくなるくらいに、ここでのヴィゴはそれ以上のすごい脱ぎっぷり。
ハメられて刺客にバスハウスで殺されそうになるシーンなんかは、もうヴィゴの裸祭り会場。
緊迫したアクションよりも、尻や股間に目がいっちゃうのはどうしようもないと思うw
大股開きでキックするわ床は転がるわ。寝技よろしく刺客に体ごとのしかかっていったりもするので、「ああぁ、そんなに押しつけちゃって……!」と、いらん心配をしてしまったり。
しかしヌードで戦うのってほんとに無防備きわまりないな。
14歳の少女と彼女の遺した赤ん坊、ロシアン・マフィアのボスとの繋がりが次第に明らかになっていくストーリーも飽きさせない展開でおもしろかったけれど、でもそれ以上に驚愕だったのが、後に明かされるニコライの正体。
まさかそうくるとは予想してなかった!
なんというかものすごいハードコアな生き様だなぁ……(;´Д`)
萌えの面では、ニコライとボスの息子キリルとの関係が激しくツボだった。
ニコライもきっと自分の立場やなんかとは関係のないところ、もっとずっと個人的な部分では、キリルに特別な絆を感じていたんじゃないだろうか。あのラストを見ているとそう思う。
それにしても、HBOシリーズ『The Sopranos』でも思ったけど、マフィア界におけるゲイのタブー視はキリスト教のそれよりもすごいんじゃないかというくらい、ハンパなく忌み嫌われてるんだなと再確認。
フィクションとはいえ某マフィアもの漫画を題材に801萌えなんてしてる自分には、彼らが口にするゲイに対しての侮蔑や罵りや嫌悪の言葉を聞くと、どうもこう二重に肩身が狭くなるというか後ろめたくなるというか、「うんそうなんだよねえ、ありえないんだよねえ」と、いちいち胸にグサッときてしまうわけだけど……
まぁ後継者を残すということ、ひいてはファミリーの存続にも関わってくることだから、同性愛は個人の自由と片付けるわけにいかないのは当然といえば当然なのかもしれない。
だからこそ、この映画でのキリルの必死な言動の数々が、真相が読めた後に振り返るとすごく痛々しく切なかった。
ニコライに黙って全部包んでもらうといいよ……!
マイ評価:★★★★☆
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