こんなん観ました

忘れっぽい自分のための、備忘録的な観賞記録。
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Ice Age: Dawn of the Dinosaurs

2010.06.07 Monday | 映画作品 > キッズ/ファミリー

Ice_age3(2009年)
もうじき子供の生まれそうなマニーとエリーは毎日そわそわ。
自分も親になりたくて、偶然見つけたタマゴを拾ってきてしまったシドはなんと3匹の恐竜の「ママ」になり、それがまた厄介なトラブルを引き起こす。一方、勘の鈍りを感じてきたディエゴは群れを離れることを考え始め……
それぞれに環境や心境の変化があり、あのドングリ命だったスクラットまで電撃的に恋に落ちている中、まったく変わってないのは単細胞なクラッシュ&エディのコンビくらいw
母恐竜にさらわれたシドを追って、分厚い氷の下へ足を踏み入れる一向。恐竜たちの住むまったく別の世界を発見したり、そこで半分頭のイカレたサバイバル野郎・イタチのバックに出会ったり、恐竜たちを相手に戦ったりと、アクション盛りだくさんの物語。
出産や家族がテーマながらもクサくなりすぎず、ノリも相変わらずの軽快さで楽しめた。新キャラのバックがいい味。

マイ評価:★★★☆☆
author : 四葉 | - | -

The Pacific

2010.05.16 Sunday | TVシリーズ

『The Pacific』HBO公式サイト

(2010年)
『Band of Brothers』を手がけたトム・ハンクス&スティーヴン・スピルバーグのタッグによる、第二次世界大戦:日米沖縄戦を描いたドラマシリーズ。全10話完結。

同じ製作者というだけあって構成などは『BoB』に酷似しているが、『BoB』に比べると「戦場の絆」的描写にはさほど重点を置いておらず、同じ戦争ものでも毛色はかなり違う感じ。家族や恋人など、戦場の外でのドラマに割かれている時間が多いのも特徴。
一応メインとなる登場人物は数人いて、彼らそれぞれに焦点をあてたエピソードはあるものの、私は観ていてそれほど感情移入はしなかった。
まぁもちろん、日米戦争がテーマになっているだけに、自分が無意識にでもアメリカに対して構えて距離を置いた見方をしていたせいもあるだろうけど。

トム・ハンクス本人が語っていたように、この物語は故意に一方的なアメリカ側の視点からのみで描かれている。本人評通り、それが結果として公平な視点になっているかどうかはともかくとして、
「太平洋戦線で戦ったアメリカ兵たちの勇敢さを称えたい気持ちはある。 しかし同時に、アメリカ兵が日本の人々に何をしたか、ということも知ってもらいたい」
……とのことで、確かにアメリカ兵の残虐行為などは(アメリカ視点で描かれたものにしては珍しく)かなりグラフィックに描写されている。が、しかしそれも、日本兵側の残酷さや不気味さをさんざん植え付けてからという前提があるため、「こんな残虐で得体の知れない野蛮なサルどもには、こちらも多少非人道的なことをしても仕方ないよね!」と思わせるような言い訳めいた逃げ道を作ってあるのが、姑息といえば姑息。
アメリカ兵が民家で死にかけた日本人女性の最期を看取ったり、銃弾の飛び交う中、民間人の子供を助けに飛び出そうとしたり……などといった場面を効果的に入れてくるあたり、なんだかんだいってもやっぱりアメリカを悪者的に描くのは抵抗があるとみえる。

ラストでのアメリカによる原爆投下も、終戦の決定打となった大きな攻撃だったにも関わらず、扱いはものすごくあっさりしていた。
「どでかいの落として決着」という単純なものではない、日本はここからがまた別の地獄だったのだと思うと、物語が終戦ムードできれいにまとめに入っていく一方、日本人の私はどんよりと気が沈んだままだった。

兵士たちにしてみれば、「やらなければ自分がやられる」というのが真実であり、人道だとか倫理だとかよりも自身や仲間が生き延びることで精一杯だったのだから、実際に戦った人々についてとやかくいう気は私にももちろんない。彼らは“英雄”ではないだろうが、敬意は表されて然るべきだと思う。
だけどこのドラマに関していえば、日本人としては観た後になんとも形容しがたいモヤモヤが残るし、公平な視点で描かれているかと問われればやはり微妙で、首を縦には振れない。どうせなら、これと同じボリュームで日本側の視点から描いたものも作るってのはどうでしょう、ハンクス&スピルバーグ監督。クリント・イーストウッド作品の真似になっちゃうかもしれんけどw
というかいっそ、「日本側バージョン」を日本が製作しちゃえばいいのにと思うけど、これと同じ規模で作れってのは無茶な希望か……

そんなわけで内容的には多少しっくりこないものが残るけど、いろいろと考えさせられるという点では非常に興味深いし、作り手のこだわりや思い入れは感じた作品だった。
それにしてもこのドラマの中で、「Jap」って侮蔑語1000回以上は聞かされたんじゃないだろうか。そういう内容だから仕方ないとはいえ、聞いてるこっちにしてみればどうしても流せず反応しちゃうわけで、そこもけっこう試される要素だったなぁw

マイ評価:★★★★☆
author : 四葉 | - | -

Gentlemen Broncos

2010.04.29 Thursday | 映画作品 > コメディ

Gentlemen Broncos(2009年)
オリジナルSFフィクションを書くのが趣味の、物静かな少年ベンジャミン。あるとき小説家志望者のキャンプに参加し、憧れの人気SF作家に自分の作品を見てもらう機会を得るが、なんとベンジャミン渾身の力作は、スランプに苦しんでいたSF作家に丸ごと盗作されてしまう。
アマチュアの友人による自作品のショボい映画化にショックを受けていたところへ、更に決定的大ダメージを食らうベンジャミンだったが……

『Napoleon Dynamite』と同じく、観る人を選ぶ種類の笑いかもしれないというかなんというか。きっとツボが合わない人にはさっぱり笑えないだろうと思われる。
私はすっごいおもしろかったwww
うさんくささ炸裂のSF作家役に『FotC』のジャーメイン・クレメント、もはやハマり役といえる「変なおかあちゃん」ポジションで登場のジェニファー・クーリッジ、劇中作品で二通りの「ブロンコ」を演じ分けるサム・ロックウェル等、俳優陣もいい味。あとガーディアン・エンジェルのダスティが、地味なくせにさりげなく美味しいところを持っていきすぎw
つうかこの映画、さりげなく強烈で変なキャラばっかだよ!
独特のゆるいギャグが全編にちりばめられていながらも、ストーリーはけっこう真面目。大事に書き上げてきたいわば自分の子供のような作品を、映画化と称し大幅に改変して別物にされたり、キャラや設定をちょこちょこと弄ってまるっと盗作されたり……
一度でもモノを作ったことのある人なら、ベンジャミンの驚き・怒り・悔しさ・絶望といった感情が、己のことのように理解できるはず。
決して趣味がいいとはいえないまでも、ナイトガウンをデザイン・製作するベンジャミンのお母さんもまた、無名クリエーターであるが故に軽視されひどい仕打ちを受けていて、こちらにも同情。母の涙にカッとなって立ち上がるベンジャミンが優しい。

親子して最悪のシチュエーションに突き落とされながらも、まさかの展開「秘儀・母の愛」のおかげで、ラストは気持ちいい大逆転でスカッとめでたいエンディング!
おかあちゃんグッジョブすぎるよ!
それとエンド・クレジットで期待を裏切らず、シークレット・ウェディングがちゃんと用意されてたのも嬉しかった(*´∀`)

マイ評価:★★★★☆
author : 四葉 | - | -

How to Train Your Dragon

2010.04.10 Saturday | 映画作品 > キッズ/ファミリー

How to Train Your Dragon(2010年)
争いを好まずおっとりタイプの頭脳派、荒くれ者のヴァイキング族に生まれながら、ちっともヴァイキングらしくない少年ヒカップ。
ある晩、ほぼまぐれ当たりで危険なドラゴンの捕獲に成功するが、やはりとどめをさすことはできずに命を助け、そればかりか尾ひれを破損したドラゴンが再び空を飛ぶための手伝いもしてやることに。
それをきっかけに、次第に友情にも似た絆を育んでいくヒカップとドラゴンの「トゥースレス」。だが昔からドラゴンと戦い続けてきたヴァイキングにとって、そんな関係は到底理解されるはずもなかった。

ヴァイキングのくせに気弱な少年ヒカップも好感がもてるキャラながら、なんといってもドラゴンのトゥースレスが可愛い。超可愛い(*´Д`)
自分ちの飼い猫を思い出すくらい表情や動作が妙に猫っぽいので、飛んだり火を吐いたりしていないときは、ドラゴンというよりむしろ巨大な黒ニャンコに見えるw
もちろん他にも、双頭だとか見るからに爬虫類っぽいのとか岩みたいなのとか、デカいのやらちっこいのやら、いろんな特徴の個性的なドラゴンがごろごろ出てくる。

村で一番弱っちい少年が、最も恐れられているドラゴンを手なずける。力でねじ伏せるのではなく優しさと勇気とで心を通わせ、そしていつしか自分自身もひとまわり大きく成長する――そんなストーリーを、説教くさくもわざとらしくもならずにサラッと描いていてよかった。
ドラゴンに乗っての空中飛行や戦闘などなど、『Avatar』も顔負けの(と言ったら大げさかw)アクション満載の見せ場もたっぷり。
特にクライマックス、巨大ドラゴン相手に苦戦する大人たちの頭上を、ヒカップと仲間たちがそれぞれ様々のドラゴンで飛んできて活躍するところ。なんだか、ジブリ作品を観るときの興奮にも似たワクワク感を味わった。
墜落したヒカップがトゥースレスと「お揃い」になるのも、都合よくクリーンに終わらせようとしがちな子供向け映画にしてはちょっと意外でもあって、そんなとこもよかった。

ただ、個人的にラスト部分ちょっと注文つけるなら……
ヴァイキングとドラゴンが仲良くなってめでたしめでたし、なのはいいんだけど、どうせ共存すんなら「ペット」じゃなくて「フレンド」ポジションがよかったなあぁ!

マイ評価:★★★☆☆
author : 四葉 | - | -

Hot Tub Time Machine

2010.04.03 Saturday | 映画作品 > コメディ

Hot Tub Time Machine(2010年)
それぞれにうまくいかない人生を抱えた冴えない男4人が、気分転換のバケーションにと思い出のスキー場を訪れる。昔は賑やかだった観光地もいまやすっかり寂れ果てていたが、4人はやや自棄気味に酔っ払ってジャグジーで大騒ぎ。そしてさんざんハメを外した翌朝、町へ繰り出した彼らは何もかもが昨日と違っていることに気づく。
なんと4人は、不思議な「ジャグジー・タイムマシン」で、80年代の過去に来ていたのだった……!

最初から最後まで笑いっぱなし、ゆる〜く楽しめるおバカ映画。
もしも過去にタイムトラベルしてしまったら……バタフライ・エフェクトを懸念して何も変えずにおくか、あるいは未来を塗り替えてやるとばかりに派手にやらかすか。まぁ、『今』に不満のある連中ばかりなので当然後者の展開にw
「もしあのときこうしていたら」とか「選択次第で別の人生が待っていたかも」とか思うことは誰しもあるけど、そんなそれぞれの「if」をギャグ山盛りに&ときにシリアスに描いていておもしろかった。ただし1人だけは、父母の出会い=自分の出生がかかっているので、たまに展開危うくなると存在が消えそうになったりしてシャレにならないんだけどw
ネタや話の流れ自体は、タイムトラベルもののお約束の域を出ていないかなという感じながら、キャラのよさと「真面目にバカやる」勢いで笑わせてくれて楽しめた。あと、セリフまわしのおかしさがさりげなく秀逸。

マイ評価:★★★☆☆
author : 四葉 | - | -

Frozen River

2010.04.02 Friday | 映画作品 > ドラマ

Frozen River(2008年)
クリスマス直前、新居トレーラー購入費用をギャンブル狂の夫に持ち逃げされた妻レイ。目前に迫る支払期日、育ち盛りの2人の息子を抱え、乏しいパート給料だけではとても賄いきれるものではない。
そんな中、レイは夫の行方を追っていて知り合ったモホーク族の女ライラに、「手っ取り早く大金の入る仕事」があると持ちかけられる。それは車のトランクに移民を隠し、凍った川を渡ってカナダからアメリカへ運ぶという不法入国の手伝いだった。

しょっぱなから決して友好的な出会いではなかったレイとライラが、お互いの目的の一致と成り行き上、即席の「運び人コンビ」を結成して移民を運ぶ。
2人の関係はまるで凍てつく夜の川そのもので、打ち解けもしなければ友情も育んだりしない。だけど、すべてを犠牲にしても守りたい子供がいるという共通点が2人にはあって、お互い自分では気づかないうちに「母親の連帯感」のようなものが生まれていく。
もちろん不法入国は悪いことなんだけど、追い詰められた状況で「子供のため」といろんなことに目をつぶって悪事に手を染める2人のことは、やっぱり応援の目で見てしまう。
大げさな演出なしに、生々しく等身大のキャラたちの姿をじっくりと魅せるストーリー。ラストも渋くじんわりと感動的だった。
違法行為がとうとう警察の知るところとなり、相手と自分のどちらを犠牲にするかという選択肢を前にしたとき、2人がそれぞれに出した結論。レイもライラも、冒頭のままの関係だったらどちらもまったく反対の答えを選んでいたはず。
2人の強く優しい母親を描いた、地味な良作!!!

マイ評価:★★★☆☆
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Under the Same Moon

2010.03.23 Tuesday | 映画作品 > ドラマ

Under the Same Moon(原題:『La misma luna』/メキシコ /2007年)
メキシコに住む9歳のカリートは、アメリカで働く母ともう4年も離ればなれ。週に一度の電話を心の支えにしながら、母と共に暮らすことを待ちわびているが、その日はなかなか訪れず、寂しさと不満ばかりが日に日に募る。そしてある日、同居していた祖母の死で独りぼっちになったのをきっかけに、カリートは単身母のいるL.A.へ行こうと決意する。しかし密入国でアメリカへ来たとたん、息つく暇もなく次々トラブルに見舞われてしまい……

本当ならまだまだお母さんに甘えたいだろうに、病気のおばあちゃんのお世話をしながらバイトまでして健気に頑張るカリートが、ピュアでいい子ですごく可愛い。
密入国はもちろんイカンことだけど、お母さんに会いたい一心でバックパックひとつで飛び出してきたカリートを見ていると、「頑張れ! 捕まるな!(;´Д`)」と応援したくなる。
家族への仕送りのために菱で仕事をかけもちしながら、不法滞在者として身を低くして生きる母ロザリオも、若くてキレイなのに不幸人で不憫。会いたい気持ちはカリートと同じだけど、それでも永住権のための結婚という手段は、相手を利用し自分に嘘をつくことだからと踏み切れない。
そんなロザリオに一途に惚れてるパコもいいやつ。
そしてカリートが、ひょんなことから行動を共にすることになったエンリケ。
口は悪いし愛想もない、カリートを邪険に扱いつつも、なんだかんだで一番助けになってくれる。途中まで、「こいつが父親なんじゃ」と期待していたw
そして最後は身を挺してカリートを守る……あの微笑みが切ない。いい漢だよあんた!

いろんなことに巻き込まれ、いろんな人達に出会いながら、持ち前の行動力と度胸と母への想いで、運も味方につけながら道を開いていくカリート。ようやくたどり着いたゴールでの「車道越しの再会」は、素直にハグと号泣を見せられるよりも感動した〜。

マイ評価:★★★☆☆
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The Ghost Writer

2010.03.21 Sunday | 映画作品 > スリラー/ミステリー

The Ghost Writer(2010年)
ゴーストライターとして陰で活躍する、イギリス人作家「ゴースト」。
イギリス元首相ラングの回顧録執筆依頼を引き受けた彼は、引退後のラングが居を構えるアメリカの小さな島へと向かった。着いて早々作業を始めるゴーストだが、前任の執筆者でラングの補佐官だった人物が奇妙な事故死をしたことを知り、その死にまつわる謎や隠された事実、残された手がかりを探るうち、自身もまた身に迫る危険を感じ始める。

過去に起こした淫行スキャンダルで絶賛sageられ中のロマン・ポランスキー監督。
ロリペドに厳しい国、アメリカでの評価と興行成績は低くなるんじゃないかと予想してたんだけど、「本人と作品は別」と割り切る人が意外と多いのか、観に行ったときの劇場の入りはそこそこよかった。観客の年齢層はやや高め。
私はもちろん、主演のユアン・マクレガー目当てで観に行ったけどw、ユアンはもちろん、元首相のラングを演じるピアース・ブロスナンもよかった。
単純で素直で誘惑に弱いwゴースト、始めはポヤヤンとしてたのが、謎を追ううち次第に焦り恐怖し始め、きりきりと追い詰められた状態になっていく。何者かに付け狙われているのは確かなのだけど、それがいったい誰なのか、まわりの人間で誰が信用できるのかできないのか……接触する人間誰も彼もが怪しく思え、起こる出来事すべてが危険に繋がっているような気になる。そんな緊張感をゴーストと一緒に体験させられ、最後まで気の抜けないスリリングなストーリー。
特に何も起きていないようなシーンでも、見ているだけでじわじわ落ち着かない気持ちにさせられる不穏な空気の作り方は、ポランスキー監督ならでは。そこに、雨ばかりで暗く殺風景な島のどんよりと重い雰囲気が加わって、不気味さと緊迫感とをますますいやな感じに盛り上げている。
謎解きと、それに続く衝撃のラストも良かった。ものすごく好みの終わり方だ。

マイ評価:★★★★☆
author : 四葉 | - | -

Ponyo(崖の上のポニョ)

2010.03.16 Tuesday | 映画作品 > キッズ/ファミリー

Ponyo(2008年)
崖の上の家に住む5歳の宗介は、ある日海辺で空き瓶に詰まった魚の子、ポニョを拾う。バケツに入れて世話をしてやるうち、ふたりの間に芽生える友情と淡い恋心。
捜しに来た父フジモトに連れ戻されてしまうものの、ポニョは人間になって宗介と一緒にいたいという思いを諦めきれず、妹たちの助けで再び地上を目指す。しかしその際、父の保管していた大事な『生命の水』をまき散らしてしまい、そのせいで荒れ狂った海はタイヘンなことに……

フサフサした髪がついた、金魚というより人面魚なポニョw
一見可愛いんだけどうっすらとキモくて、媚び媚びのデザインじゃないのが逆に好感もてる。人間フォームになってからも、ふとした拍子に元の姿がはみ出してきて、さりげなくカエル顔になったりしてんのが不気味可愛い。
宗介とのやりとりも心和む。幼いふたりの微笑ましい友情&初恋物語……なんだけど、ラストで宗介のほうは、たった5歳にして既に女の子の運命や将来を託されてるわけで、その意味すらよくわからんのにいきなり重いもん背負わされとるなあw

宗介とポニョそれぞれの親子関係もおもしろかった。
親を名前で呼ぶ宗介(両親もそれが当たり前のような態度)、まんま「思春期の娘とその扱いに手を焼くお父さん」なフジモトとポニョ父娘。
娘を大事に思うからこそうるさく口を出し縛りつけ、それでますますウザがられてしまうフジモトの、人間やめてるくせに一番人間っぽい姿が憎めないw
幼いポニョはフジモトをまるきり悪人扱いだけど、違うんだよ、パパはただ可愛い娘が自分から離れていってしまうのが寂しいだけなんだよ……(´;ω;`)

CGに頼ることなく、これだけ迫力ある画が作れるのはさすがジブリ。
というか、CG以上の見ごたえだった。特に、海中の世界や荒れ狂う海、水没後の町。海の底に沈んだ町並みと、その中を古代魚たちがゆったりと泳ぐ光景は、非現実的で幻想的で不思議な世界だった。
しかし例えアニメといえど、「体長30cm以上の魚に漠然とした言い知れぬ恐怖を覚える」魚恐怖症気味の私には、いろいろと試される場面が多かったわーこの映画w

マイ評価:★★★☆☆
author : 四葉 | - | -

Alice in Wonderland

2010.03.14 Sunday | 映画作品 > SF/ファンタジー

Alice in Wonderland(2010年)
ウサギの後をついていき、木の根の穴に落ちた少女アリス。
深く深く落ちていったその先には、幼い頃からアリスが夢に見続けてきた、不思議で奇妙な世界が広がっていた。

おなじみ『不思議の国のアリス』をベースにしたファンタジー。
ティム・バートン監督、ジョニー・デップとヘレナ・ボナム・カーター出演ときたらこれだけでもう、ありふれたキラキラおとぎ話にはならないであろうことがわかるというもの……
その予想と期待を見事に裏切らない、トレードマーク的なバートン風味でたっぷり味付けされた、ダーク&ファンシーな不思議の国。3Dで観たけど、たぶん2Dで観ても同じくらい引き込まれるんだろうなってくらい、隅々まで完成度の高い映像世界だった!

キャラも皆、ハマり役としかいいようがない。
特に圧倒的だったのは、ハートの女王のデカ頭の迫力にも負けず(w、主役のアリスを食っちゃいそうな個性と存在感だった、マッド・ハッター。人を食ったようなおちゃらけ顔、繊細で優しい紳士、危険な狂人めいたシリアス顔、まさに“マッド”なハッターの、それぞれの顔を演じ分けるジョニー・デップがすごくよかった。
もちろんアリスも可愛かった〜(*´Д`)
体のサイズ変化や場面にあわせてコスチュームのお召し替えがとても多くて、くるくる替わるドレスの数々を見ているだけでもかなり楽しい。クライマックスで見せる凛々しい甲冑姿も、いろいろな経験を経て新たにしっかりと芯の通った、アリス自身の強さを象徴しているようで似合っていた。
最後のお別れはちょっと切なかったなぁ。現実でも一回り成長したアリスが、また不思議の国を訪れることはあるんだろうか……
ところでチェシャ猫かわいいよチェシャ猫。
ハッターの帽子をモミモミフミフミする仕草がたまらん(*´Д`)ハァハァ

マイ評価:★★★★☆
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