DVDで鑑賞。
悲しい事故を境に、のっけからいきなり対立関係になるアンジャーとボーデン。
この二人のいがみ合いっぷりとネチネチした嫌がらせ合戦が、全編通してすごいのなんのって。
最初は愛する妻を(間接的にとはいえ)殺されたことへの恨みで動いていたはずのアンジャー、次第に復讐よりも「ボーデンを出し抜くこと」「ボーデンのトリックの秘密を暴くこと」に躍起になっていくあたりから、やることもどんどんエスカレート。対するボーデンも負けじと同じようなことをやり返してくるので泥沼化のエンドレス状態、そうして二人は相手と自分自身の人生をも狂わせていく。
観客を装い変装までして相手の舞台に乗り込んでいき、本番中にショウを台無しにしたりするえげつなさ!
自分たちが怪我をしたり苦しんだりするのはまぁ自業自得なんだけど、そのせいで観客や家族までとばっちりを食らうのはさすがにひどいんじゃないかと。おまえら自分たちの個人的な喧嘩にまわり巻き込みすぎですw
衝撃のラスト、アンジャーとボーデンそれぞれの『種明かし』は、ボーデンのほうは思っていた通りでスッキリしたけど、アンジャーのほうは……
「えええ、そうきちゃうの!? ほんとに?」という感じで、途中までは二人の純粋な(?)トリック合戦でいくのかなと思ってただけに、いきなりのトンデモっぷりに驚きつつ笑ってしまったw
ラストの“アンジャー”の姿は、死んだ妻の姿がそのまま重なってちょっと切なかったけど。
しかし結果的に、メイン奇術師のアンジャーやボーデンよりも、脇で出てきて手助けをしたテスラが一番さりげなく一番すごいことしてたんだなぁ……w
史実のニコラ・テスラのことをあらかじめ知っていれば、あのラストもそんなにトンデモ展開ではないのかも。
奇術がテーマの映画だと他にエドワード・ノートンの『The Illusionist』もおもしろかったけど、凄腕奇術師の壮絶な化かし合いバトルになっているこちらも、中だるみしない緊張感とスピードがあってとても良い。
プレステージ(偉業)のタイトルが示すように、『最後に予想を超えた驚きを提供する』映画だった。
マイ評価:★★★☆☆
<<続きを畳む