DVDで鑑賞。
未成年の教え子と性関係をもつ女性教師のスキャンダル……という内容に、「あれ、これってアメリカで現実に似たようなのが起こらなかったっけ?」と思ったら、この映画の原作小説はその事件をもとにしているとのこと。
夫と子供がありながら、そして自分も相手の少年もどれだけのリスクにさらされるか承知していながら、それでも後戻りのできない選択をしたのは他ならぬシーバ本人。
なので、いざそれが発覚して生活がめちゃめちゃになってしまっても、嘆いている彼女に対してあまり同情はわかない。自業自得だし。
でも物語の中心人物はスキャンダルを起こしたシーバではなくて、そのシーバを側で見つめ、彼女に対する思いや計画を日記にしたためていくバーバラ。
教養と落ち着きがあり理知的な常識人に見えるバーバラが、シーバに強く恋焦がれるようになり、内に秘めた「本当の顔」が明らかになるにつれ、話の展開はかなりホラーな方向へ……
抑えた描写で内面的にじわじわくる怖さ!
シーバの言葉や態度を自分に都合のいいように解釈し、「彼女には私が必要」「彼女は私のものになるはず」と信じて疑わない思い込みっぷり。
過去に別の女性へ同じようにつきまとい、接近禁止命令まで受けたことがあるほどの、常軌を逸したストーカーじみた執着。
でもそれらのほとんどは、バーバラ自身が長年抱えてきた『孤独』からくるものなのだろうなと思うと、彼女が少し可哀想にも思える。
パートナーもおらず子供も作らず、唯一の友人で家族だった猫もとうとう亡くしてしまって、あとはこのまま独りで老いていくだけなのか……
そんな恐怖の中で暮らすのは誰だって怖いし嫌だ。
自分のよき理解者を求め、愛情やよりどころを渇望するのは当然といえば当然。
もっともバーバラの場合、その程度と方法に問題があったわけだけど。
マイ評価:★★★☆☆
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