冒頭、むっつりした顔で本を読んでいるアレックスに、人懐っこく(というか図々しく)絡んでいくヴィヴィアンが、まさに「元気と好奇心の塊」という感じで可愛い。
ほうほうこの子が主人公なのだな……と思いきや、しかしあっという間の、そしてあまりにも唐突にあっけない退場でびっくり( ゚д゚)ポカーン
事故のショックと、隣に乗せていたヴィヴィアンを死なせてしまったことへの罪悪感にうちひしがれつつ、彼女が訪ねるはずだった母親の家のドアステップに立つアレックス。
間接的にとはいえ事故の責任の一端を担っているわけだから、これはかなり勇気のいる行動。泣き喚かれ罵られ殴られてもすべて受け止めよう、と覚悟の上だったはず。
ところがドアを開けて出てきた母親は……
SFコメディ傑作『ギャラクシー・クエスト』でも一緒だった、アラン・リックマンとシガニー・ウィーバーが再び共演。
暗い過去をもつ笑顔の少ないアレックスと、やたら活発な自閉症の母親リンダ、相性なんて合うわけもなさそうな二人がなりゆき上、「ヴィヴィアンの葬儀を終えるまで」という期限付きで一時的に生活を共にしていく。
次第に打ち解けていくというよりも、お互いにちょうどいい立ち位置を見つけて折り合いをつけていく的な、ベタベタしない距離感のある異質な関係がおもしろい。完全に「自分ルール」の中で生活しているリンダに従うしかないアレックスの、諦め感漂う情けなさがまたいいw
近所に住む美女マギーと親しくなり、自分の過去と犯した罪を打ち明けるアレックス。
最初のほうでヴィヴィアンに言っていた「自分は殺人犯だ」という言葉が実は冗談や脅しでなく真実だったと明らかになるわけだけど、その理由が理由なだけになんとも切なく悲しい。
アレックスの負った心の傷はずっと癒えないままかもしれない。
けれどヴィヴィアンとリンダとマギー、三人の女性とのそれぞれの出会い、雪の中のWAWAという町で過ごしたひとときは何らかの癒しになったはずだし、痛みを抱えたままでも先へ進んでゆくために必要な、彼にとって大事なピットストップになったのだろうなと思う。
マイ評価:★★★☆☆
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