主題歌をアジカンが提供していたので、気になっていた作品。
いつか観ようと思いつつ、ずっと先延ばしになっていたのをやっと観た。
少し不気味さのある独特のタッチの絵は、一見とっつきにくいようで不思議に馴染みやすい。
特に、一瞬で通り過ぎるシーンでも細かいところまで描き込まれた、舞台となる町の風景がとにかくすごい。町並み自体も多国籍風にいろんなものがごっちゃに詰まっていて、看板ひとつとってもおもしろい味わいが。
思わずスローで1コマずつ追ってじっくり見てみたくなる。
主人公の少年クロとシロ、最初シロのほうはこれ実は女の子なのかもしれんと思いながら見ていたので、銭湯のすっぽんぽんシーンでほんとに男の子だとわかってちょっと衝撃だったw
クロとシロ、ネズミ、警察、それぞれが馴れ合いも協力もせずに睨みあっていながら、しがらみや人情といった部分でさりげなく繋がっている関係なのがいい。
子供とはいえクロとシロも犯罪で食いつないでいるような悪ガキなので、「可哀想な子供たちを守らなきゃ!」みたいなウザいストーリーはないし。
あ、でも保護されたシロと刑事2人の交流は和んだな。
ネズミ、木村、沢田もいいキャラだった。
蛇が唯一完全な悪役ポジションだったけど、実は真のラスボスはクロ自身の中に……という重めでダークな展開もよかった。
シロを守っているようで、いつも守られているのはクロだったという、「強さの中の脆さ」みたいなのも個人的にツボ要素。
クロはこれからもあの影分身を内に飼ったままなんだろうけど、でもシロと一緒にいる限りは、ラストのような光の世界で笑って生きていける。
それがずっと続くといいなあ。
マイ評価:★★★☆☆
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