DVDで鑑賞。
やっぱりキリアン・マーフィはいいなぁ。
繊細でちょっと神経質そうな風貌(特にあの目の美しさにはたまにドキッとする)、映画によってラブリーな女装キャラから不気味なサイコキラーまで演じ分けてしまう実力!
個人的に「この人が出てるから観よう」と無条件で役者買いしてる、数少ない俳優の一人。安心して見ていられるのに、マンネリ感とは無縁でいつも新鮮。
この映画でも、主人公デミアン役にものすごくハマっていた。
横暴な英国には屈しない、自分たちの国は自分たちで守る! と、怒りと不満を抱えた若者たちによって結成された義勇軍。
確かに冒頭で友人が殺されるところや、駅での理不尽な暴行を目撃するシーンなどの後では、義勇軍側に同情的な気持ちになるし応援もしたくなる。独立と自由を手に入れるためという目的にも頷ける。
しかし、暴力に暴力で返す、武力でもって抗うという行為は、もうそれ自体がどんどん勝手にエスカレートしてしまうものなんだろうか。
争いが続くとともに義勇軍の過激さもどんどん増していき、デミアン個人も変わっていってしまうのは、見ていてなんとも切ない。
裏切ったからとはいえ同胞を己の手で処刑したり、志を同じくしてきた敬愛する兄ともいつしか対立してしまったり……もともと望んだものは、皆同じだったはずなのに。
デミアンが射殺した少年の母親にかけられた言葉、それと同じものをぶつけられる兄。このラストはとてもやるせない気持ちになった。
マイ評価:★★★★☆
<<続きを畳む