The Road
2009.12.18 Friday | 映画作品 > ドラマ
(2009年)
ヴィゴ・モーテンセンといえばLotR。
アラゴルンも相当小汚かったけど、ここでの彼はそれ以上。まさかあのヨゴレベルを自ら記録更新してしまうとは……www
でも鑑賞中にはそんな冗談言う気にもなれない、かなり暗くて重く鬱になるストーリーが展開されているこの映画('A`)
舞台となるのは、人類も動物も植物でさえもほぼ死滅しかけた世界(具体的に何が起きたのかは作中では明らかにされていない)。
生き残り同士の略奪や殺し合い、共食いまでが当たり前。まさに生き地獄のような狂気の中を、わずかな所持品だけを手に野宿を繰り返しながら、互いに寄り添い必死にサバイバルしている父と息子。
常に飢餓と疲労と緊張に晒されたそんな状況でも、人としての道だけは決して踏み外すな、胸に灯火を持ち続けろと己に言い聞かせながら進む親子の姿は、見ていてとても痛々しい。おまけに父親は体を患っていて、先行き永くないことがわかっているし(´д⊂)
世界が平和だった頃の日常、妻がまだ一緒だった頃。父親の夢や回想で挿入されるシーンの数々が、じめじめと暗く灰色で冷たい現実により一層の絶望感を与えていて、観ているだけでかなり陰鬱な気分になれる……
親子を待ち受ける結末もほんと可哀想すぎる。
最後の最後だけは、分厚い暗雲の間から一瞬差し込むひとすじの光のような、一握りの明るさと希望が感じられるのが唯一の救いか。
派手なアクションもなければ大げさなドラマも一切ない、画面の色彩すらもなく、いろんな面で極限までトーンを落とした映画。ずっしりくるけど、たまにはこういうのもいい。
ただしこれ観た後は、極端に明るいコメディ映画で気分を変えたくなるけどw
マイ評価:★★★★☆
author : 四葉 | - | -