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カタギリ9(part6 97)
『ご主人様、…入れてくださ…』

——嫌だ、どうしてこれをカタギリが見てるんだ

『何を?もっとちゃんと言わなきゃ分からないな』

——カタギリは友人だったはずだ、カタギリは友人だ、友人であるふりをしてきた、でも知っていたはずだ

『ご主人様の…ちんぽを…私の』

——でも自分は知ってた、友人が向けてくる瞳の色を


「君の口から出るといやらしいなぁ、あれもハワードに教えてもらったの?」
「カタギリ、どうして…」
「尋ねてるのは僕なんだけどなぁ。どうしよう、このデータ間違えて軍部に送っちゃうかも…」
カタギリの手にディスクの入ったプラスチックケースが光る。
それを送られたら、自分達は終わってしまう。
「やめてくれ!…そんな脅すようなこと!」
「じゃあどうしたらいいか分かるよね?」
カタギリはいつものように笑い、腕を組んだ。
「まず服を脱いでもらおうか」
友人だった男の目が暗く光る。画面の自分は愛しい男に抱かれ歓喜の声をあげている。
逃げたい、逃げてしまいたい。
だが彼には選択の余地などなかった。
グラハムネクタイをほどきながら、友人が遠ざかってゆくのを感じていた。

| カタギリ::9 | 2008,03,05, Wednesday 10:48 PM

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