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カタギリ18:仮面(part7 947-949)
白い喉に柔らかく噛み付くと、グラハムはひっと息を詰めてみせた。
セックスの最中だけ不可思議なマゾヒズムを見せるのは、彼が普段捕食者の立場だからなのか。
決して口には出さないが、グラハムは、今このときだけはどれだけ嗜虐してもノーを言わず、むしろよく鳴いた。
あの日から、彼は変わってしまった。
否、変わったふりをするようになった。
突き付けられた歪みそのものを体言するかのように、まがまがしい仮面をつけた。
ただ唯一僕の前でだけは仮面を外してみせ、懺悔を吐露するかわりに嬌声を吐き出す。
僕は決してサディスティックな性交が好きなわけではなかったが、啜り泣くグラハムを見ていると、そうしてやるのが良いように思えて、体を痛め付けるでなく、言葉で何度も彼を虐めた。

他愛のない話で談笑して、部屋の明かりもそのまま、彼は僕を誘って来た。
付け足すならば、今日1番初めに顔を突き合わせたときから、瞳は潤んだ膜を張っていたのだ。

ベッドに座る僕が伸ばした脚の上、両の膝を跨いで彼は膝立ちし、緩慢な動作で自慰をしている。
それも自分のペニスに対してでなく、僕が手渡したディルドで、アヌスを自分で犯すことによって、だ。
悪趣味な鈍さで光るそれを、羞恥心と戦いながら懸命に動かす。
背中側から利き手をまわし、滑り落ちた腺液とローションでぬめる持ち手を引いては自分の内に突き立てる。
内股が引き攣っては腰が揺れ、否定できぬ高揚感を振り払いたがる彼は、子供のような拙さでいやいやをしてみせる。
「どうして、こんな綺麗な顔を隠したりするんだい」
「あッ…ア、う」
前触れなしに性器に触れると、赤い先端の割れ目からまたぷくりと透明な雫が生まれて落ちる。
そこに親指を突き立てて弄ってやると声にならぬ喘ぎは上ずって、つられるようにその美しい体躯が仰け反った。
細身の骨格に鍛え抜かれた筋肉がなだらかに隆起し、あくまで実用のための、軍人の肉体として完成され、仕上がった白い四肢。
答えることが出来ない彼の前を、いいように擦り上げる。

続き▽

| カタギリ::18:仮面 | 2008,03,31, Monday 11:59 PM

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