若ハム、過去
—あなたが私を殺したのだ。静まり返った夜更け、そっと身を起こし隣で寝息をたてる男の横顔を見つめた。
先刻までの激しい情交の名残か、浅い苦痛と倦怠感が未だ身体を支配している。
呻きとも吐息ともつかぬ微かな声が知らず洩れた。
不意に身体を引き倒され、後ろから抱き竦められる。「どこにも去かせない。お前は私の物だ…!」
強引な力で奪い支配しているのは相手の筈なのに、その声も腕も僅かに震えていた。
永訣の時が近いのを無意識に感じているのか。
陽が昇ればついにその日が来る。やらねばならない。もう一度生きるために。
続き▽
| 名無しの男(達)::5:教官 | 2008,02,21, Thursday 12:08 PM