鬼畜、輪姦、木馬
布で目を覆われたグラハムには、自分の置かれた状況がまったく分からなかった。
耳を澄ませ、辺りを伺う。複数の者の気配、
時折聞こえるヒソヒソ声と忍び笑い。
こめかみが熱を持ってずきずきと痛む。手足は自由だったが、
薬品でも打たれたのか、弛緩したように身体に力が入らなかった。
意識を失う前、グラハムは格納庫に居た筈だった。
そうだ、ジョシュアだ。彼が何やら私に相談があるとかで、
深夜フラッグの所に呼び出されたのだ。
人気の無い格納庫で背後から声をかけられて………
そこで記憶が途切れている。
「おい、気がついたみたいだぜ」
「気分はどうですか?グラハム・エーカー上級大尉殿?」
ジョシュアの声だ。もう一人は聞いた事のない声。
ふいに辺りがざわめく。いったい何人いるのか…
「何のつもりだ!君は私に相談があるんじゃなかったのか。
返答によっては軍法会議ものだぞ!」
立場で部下を脅すのは、グラハムの嫌悪するところであったが、
この状況ではそうも言ってられない。
力の入らない四肢で必死に立ち上がろうともがくと、
両脇に居た男がグラハムの両腕を抱えて無理矢理立ち上がらせた。
だが、脚ががくがくと揺れ、全体重を預ける事になるこの格好は
余計にみじめさを際立たせるだけだ。
グラハムは小さく舌打ちした。
「あんたに相談したいって奴がたくさん居るんですよ。
『エーカー上級大尉の事を考えるとオナるの止められなくて夜も眠れません
どうしたらいいですか?』って聞きたいそうです。」
室内に満たされる下品な笑い声。
どうやらここは基地の中の使われていない小さな小部屋らしい。
音が反響して、よく響く。
「さあ答えて下さい。どうしたらいいと思いますか、上級大尉殿?」
「し、知らん!私には関係ない…っ」
「ひでー、頼れる上司と思って相談したのに」
「関係ないはねーだろ、エーカー上級大尉のせいなんだから」
周りの男達が勝手な野次を飛ばす。
両脇を支えていた無骨な手が、胸の飾りを服の上からこねくりまわした。
続き▽
| ジョシュア::13:ジョシュア、軍人達 | 2008,02,19, Tuesday 07:52 PM