ジョピュア
「いつまでそんな顔しているんですか、グラハム・エーカー上級大尉殿」背後から呼びかける声に、グラハムは驚いて振り返った。
視界には延々と続く仲間達の眠る墓、どんよりと暗い曇り空。
吹く風は生温く、未だ微かな煙の臭いを含んでいた。
これは、現実だ。まぎれもない現実。
遠くには崩壊したMSWAD基地が、まるでそれ自体が墓標の用に立っている。
足下には遺体のない棺が眠り、彼の同僚はもう戻らない。
そう、永遠に戻らなかったはずなのだ。
だが。
「そんな…君は」
「随分と無防備な顔ですね。空母で見せた傲慢な態度ははったりですか?」
声が震える。屈辱的な言葉を投げられているのに、怒りにではない。
もう会えないはずだった存在に再び触れる事ができる、歓喜にだ。
「君は…君は戦死したはずだ、ジョシュア」
続き▽
| ジョシュア::12:ジョピュア(ダリル)3 | 2008,02,19, Tuesday 02:39 AM