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ジョシュア18:眼鏡ハム(part7 434,435)
とんだ変態じゃないですかと、目の前の部下は笑ってみせた。
左の頬だけを引き攣らせて厭味たらしく瞳を細めるのは、ジョシュアの癖のひとつだ。

ペン先を引っ込めたボールペンは、不躾に無遠慮に、白いワイシャツの上を走っていく。
温い感覚に身をよじりたいのに、薬のせいで体は弛緩してしまって上手く力が入らない。
寝起きのけだるさに似たあの感覚が、体のすべてを支配しいる。
まったく何も出来ないわけではないのに、いざ体に力を込めようとすると、体から芯が抜けたようになるのだ。
切っ先が不意に腕から首筋、耳元へと動き、耳の裏をくすぐると、体を震わすだけでやり過ごしていた私は、とうとう掠れた声を上げてしまった。
「ひ…っや、」
やめろと言おうとして、私は先ほど自分が堂々と宣言した言葉を思い出し、冷えた空気と共に飲み込む。
最初からお願いの内容ぐらい把握しておけばという後悔がよぎった。
そんなことなどお構いなしに、耳の中の産毛に触れるように、ジョシュアのボールペンは耳朶からじわじわと中を探り始めた。
詰まる呼気にうっかりと声を乗せやしないかと、耳を弄ばれている間、私はそれにばかり気をとられている。
どんな顔をしてこの痴態を見ているのかを思うと情けなくてジョシュアを直視出来ず、ずり落ちそうにながらも身を預けているオフィスチェアーの背もたれに、頭を預けるしかない。
顔を背けると眼鏡がずれてきて、視界に黒い枠が現れた。
むずがっている私にはお構いなしでボールペンは胸を、腰を、ふとももを走っては粟立たせいく。
「ふ、っく、…ん…」
スラックスの前がきついことは、自分でもとうに気付いている。
この男も私の体の変化には気付いているはずだが、この『お願い』がいつまで続くかを一切聞かされていない私には、あとの展開など予想もできない。
腿の内側を言ったり来たりしている感触が判断力をゆっくり蝕んでいく。

続き▽

| ジョシュア::18 | 2008,03,18, Tuesday 06:36 PM

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