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ハワード弟1(part8 553,554)
真面目なだけだと思っていた兄の遺品であるPCを何気なく見ていてそれを発見した。
G、とだけ書かれたフォルダにその画像はあった。
金髪碧眼の年若い少年が、やはりまだ若い兄と一緒に写っていた。
兄は笑っていたがその少年は整った人形のようなきれいな顔で少し迷惑そうに目を背けていた。
なんだ同期の友人か、とフォルダを閉じかけたが、なんとなくその少年が気になり次の画像を開く。
どうやら寮で同室だったらしく窓辺で立つ私服の少年が写っていた。
最初の写真に比べ、多少は打ち解けたようで微かに口元を微笑ませている。
目は笑っていないが。軍服でないとさらに幼く見えた。
次の画像はフラッグと共に写っている少年だった。
今までとは違い、明らかに兄に笑いかけている。その深い緑の目に釘付けになる。
兄もそうだったのであろうか、何枚かその場所で同じ構図で写していた。
次の写真は大きめのTシャツを着ただけのしどけない姿でベッドに横になっている少年だった。
すらりと伸びた白い足を惜しげもなくくつろがせ、あどけない笑顔で笑いかけている。
その目は何故かとろけるように潤んで見えた。
突然鼓動が高鳴り動悸がした。男なのに、と自分に言い聞かせる。
なにかが変だと頭に警告が聞こえたが、かまわず次の画像を開く。
息を飲み、天を仰いだ。
やはり、と思った。この男は兄の恋人だったのだ。
そこから先はよくある恋人同士のいわゆるハメ撮りというやつだ。
まさかあの兄がこんな品性を疑う趣味があったとは考え辛いが、愛する人がこれだけの美人なら
つい記録に残したくなる気持ちも分かる。
それにしても兄はこんな人の存在を気配さえも感じさせなかった。
どんな人なのか気になるところだ。
同じ軍人なら会うこともあるかもしれない。
自分で言うのもなんだが俺は兄とよく似ている。
もし会ったらこの人はどんな顔をするだろうか?
そう考えると少し楽しいような複雑な気分になった。
まあいい、明日からは新しい勤務先だ。
兄の亡き後、オーバーフラッグスの補充要員として配属されることになった。
兄ほどではないが腕はたつつもりだ。
厳しいがトップガンと名高い上司に会うのも楽しみだ。
俺は兄のPCを閉じ、あの少年のことを思いながら眠りについた。

| 名無しの男(達)::9:ハワ弟1 | 2008,04,16, Wednesday 01:17 AM

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