覗き
いま自分が見ているものは何なのか理解するまでに分単位で時間がかかったにちがいない。
オーバーフラッグスの入隊が決まりさっそくあの小生意気で
エース気取りのグラハム・エーカー中尉にイヤミの一つも進言しようと
部屋まできたのだ。
なぜかキーがロックされておらず簡単にドアは開いた。
「なんだ?無用心だな。ハッこれだからあいつは…」
「…」
奥の部屋から話し声がした。
来客があったらしい。それでドアが開いていたのかと理解する間もなく
悲鳴のような声が聞こえる。
「片桐…もう、焦らすな…!」
普段の声とはまるで違う甘い媚びるような切なげな
だが確かにエーカー中尉のものだ。
何かに誘われるようにジョシュアはドアの隙間を覗き見た。
続き▽
| ジョシュア::3:カタギリ、ジョシュア1 | 2008,01,30, Wednesday 05:15 AM