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オークション(part6 790)Sハム
「わたしは高いですよ」
テーブルに腰を乗せたまま青年はふてぶてしく微笑み足を組んだ。
嫌味なほど綺麗な顔に不適な笑みは、しかしあまりにも性的だ。
見る者の視線をそらすことが出来ない。
ごくりと喉を鳴らす音が聞こえる。
「さ、触っても…いいかね」
中年の男がおずおずと手を差し出すがグラハムの白い手で弾かれた。
「触るな!触るなと言った」
「す、すまない」
翡翠のような目で睨まれ男は瞬間たじろぎ、その後うっとりとした表情になる。
「わたしは我慢弱い」
ふふ、と自嘲するように笑うとグラハムはネクタイを緩め、上着を脱ぐ。
シャツの上からでも分かるきっちりと作りこんだ美しい肢体に周囲から溜息が聞こえた。
テーブルに置いてあるグラスを無造作に取り中の酒を一気に煽る。
飲み干す喉の動きにさえ色気を感じ誰も目を離すことが出来ない。
目尻を紅潮させ赤い舌で舌なめずりさせると好戦的に上目遣いで周囲のセレブを一通り値踏みするように眺めた。
この青年に触れられるならば…金など惜しくはない。
異様な興奮状態の中、金額は高騰し留まることはない。
グラハムは片膝を抱きかかえるようにして微笑んでいた。
その仕草は子供のように邪気がなく清廉な天使のようだ。
だが冷静に周囲を観察する目は魔性に満ちその絶対的な支配力に逆らうことが出来ない。
金糸の髪を無造作にかきあげちらと視線を部屋の隅へ送る。
そこには呼吸も忘れたかのように呆けた顔で彼を見つめるプレジデントがいた。

| 名無しの男(達)::6:オークション(Sハム) | 2008,03,11, Tuesday 02:55 PM

医務官or整備士(part8 456)
フラッグの整備を終えて休憩室へ戻る途中、通路の壁にもたれてぐったりとしている人影を見つけた。
船酔いした新兵か?
どやしつけてやろうかと思ったが、俺も初めて空母での長期勤務を命じられたときは、体調管理に苦労したな。
医務室に連れていってやろうと、肩に手をかけて助け起こす。
「おい、大丈夫か?……ってえぇ?上級大尉殿!?」
整備士の間でも絶大な人気を誇るエースパイロットは、しかし明らかに様子がおかしかった。
深緑の瞳は潤み、透けそうな白い肌は目元まで朱を帯びている。
上官の顔をこんな間近で見たのは初めてだった。

| 名無しの男(達)::7:医務官or整備士 | 2008,04,14, Monday 03:51 PM

医務官ルート(part8 457,459,461,462)
「すぐ医務室にお連れします。もう少し我慢して下さい。」
抱え上げるとその体は思った以上に軽い。
「うぅん…ふぁ…」
その呻きの甘さに、思わず動悸が激しくなる。
なんとか意識をはっきりさせようと首を振るその仕草の度に、柔らかい金髪が頬をくすぐる。
『頼むから動かないでくれ…』
これほど廊下を長く感じたことはなかった。医務官に彼の身柄を託したときには、俺の方がよっぽど尋常でない様子に見えただろう。
「ご苦労。後は任せてくれ。」
かけられた労いの言葉もそこそこに退室したが、最後の医務官の目付きがやけに気になった。


続き▽

| 名無しの男(達)::7:医務官or整備士 | 2008,04,14, Monday 03:58 PM

整備士ルート(part8 480,481)
「あの、俺の部屋がすぐそこなんで…休みますか?」
「…すまない」
素直に頷くと彼は俺の肩に顔を埋めるようにして目を閉じた。
柔らかい金髪が頬を撫でて胸が高鳴る。
鼓動が聞こえているんじゃないかと不安になったほどだ。
狭い部屋に入るとベッドの上に彼の体を横たえる。
「どうしましょう誰か連れてきたほうがいいですかね」
「いや、大丈夫だ。少し休めば治る…」
そうは言っても彼の様子はますます変になるばかりだ。
上気した顔は熱にうかされているようだし、大きな瞳は潤んでいる。
何か堪えるように眉を顰め、唇を噛み締める。
「う…ぁっ」
堪えきれない吐息が漏れ、驚いた俺が肩に触れるとビクリと大きく震えた。
「やっぱり俺、医務官連れてきます!」
「…君が…」
「はい?」
「…君が、してくれ」
「…なにを」
いきなり柔らかい唇に口が塞がれ驚いて目を見開いた。
「じ、上級大尉殿?」
「頼むから…」
目線も定まらない尋常じゃない様子に戸惑うが、元より憧れてきた人だ。
自分の下半身がいつのまにか熱くなっているのに気づく。
「あなたが…誘ったんですよ」
いい訳じみたことを呟きながら朦朧としている上官の服を脱がせた。

続き▽

| 名無しの男(達)::7:医務官or整備士 | 2008,04,15, Tuesday 12:39 AM

部下(part8 535)
隊長ながら新人教育に口を出したのは、ただ彼が昔の恋人に似ていたからだ。
新たに入隊してきた幼さの残る青年が、志半ばで敵の手にかかったあの男の生まれ変わりのような気がした(勿論年齢から言ってそんなことはないというのに)。
グラハムは青年の青い瞳を覗き込み、かつて『彼』にしたように微笑みかけた。
「緊張しなくていい」
戸惑いがちに歪められる柔らかい唇を甘く噛み、瞳を閉じて恭しく吸い付く。
顎を伝う唾液までをもすすると、グラハムはネクタイをほどきシャツをくつろがせ、もう兆し出した部下の下半身をさすった。
「恋人の顔でも思い浮かべていてくれ」
ジッパーを下ろし、下着ごともみこむ。すぐに青臭い匂いを放ち出したそれを、躊躇いもなく口に含んでしまう。
グラハムは丁寧なフェラチオをほどこしながら瞳を閉じ、あの優しかった恋人を思い出していた。
あの男はいつだって自分のことを思っていてくれた。共に飛ぶ空では、無鉄砲な上官についてきてくれた。
降りたった地上で共にしたベッドでは、優しく思いやりにあふれた仕草で諌めてくれた。
初めて彼に抱かれた時は幸せすぎて死んでもいいとさえ思えた。結局、自分が置いていかれてしまったのだけれど。
「もうこんなに大きくして…」
口にくわえたままローションを手に取り、自分から後ろを慣らす。
自分を見下ろす瞳の戸惑いには罪悪感を感じたが、すぐにそれはかつての恋人と重なり消えてしまった。

(ハワード…どうして君は私を置いていってしまったんだ)
グラハムは年下の青年の体を使いながら涙を流した。だが唇から漏れるのは後悔ではなく喘ぎばかりだった。
「あっ…あ……っ…!」
背中に爪を立て、もっととねだる。今だけは忘れてしまいたかった。あの男が死んでしまう前に自分に語ったことも、
彼の墓の前でした誓いも全て忘れたかった。ただ抱かれ、出来たら愛されたかった。
自分を抱く男はフラッグファイターをやめてしまうだろうか? 隊長に失望してしまうだろうか?
それでも構わない。またハワードに似た男を失うのなら、内地勤務についてくれた方がましだ。
(私は軍人失格だな…)
絡め取るように腰を揺らし、こびるように喘ぎを漏らす。もう何も考えられなくなってゆく。
グラハムはゆすぶられながら涙を流し、やがて来る絶頂に唇を噛んだ。

| 名無しの男(達)::8:部下 | 2008,04,15, Tuesday 08:30 PM

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