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ダリル2(part2 655,657,658,660)

追悼

予期せぬ死ではなかった。軍に属している限り、誰かが死ぬのは夜が来ることと同じくらい当たり前のことだ。
でも、感情を理屈で割り切れないときがある。
「仕方なかった」
その一言をダリルは言葉にすることが出来ないでいた。
彼はきっと首を振るからだ。自分のせいだ、と。

窓から空を眺める彼は、ハワードは立派だったと一言呟き、そのままだ。
その後ろ姿は、戦場のときと比べると酷く小さく、あまりにも頼りない。
今にも消えてなくなってしまいそうで、気付けば、ダリルは後ろから強く抱き締めていた。

「隊長、今だけでも、忘れましょう。泣いたって、俺は見なかったことにしますから」

続き▽

| オーバーフラッグス::4:ダリル2 | 2008,02,02, Saturday 11:52 PM

医師(カウンセラー)1(part2 603)

「ではそこの椅子に座って楽にしたまえ」
「はい」

カウンセリングを受けに来た美しい青年は素直に腰掛けた。

「で、今日はどういった相談かね」
「は…その…実は私の我慢弱さがどうにかならないものかと」
「我慢、弱い?具体的にはどういったことだね」
「それは…」

言い辛そうに口ごもり俯いてしまった青年の名前はカルテによると
グラハム・エーカー上級大尉。
若くして上級大尉ともなると色々気苦労も耐えないのだろう。
医者はそんな彼に緊張を解くように優しく微笑みかけながらコーヒーを手渡す。

熱いコーヒーを二口ほど飲んだ後、その重い口を開いた。

「あの…普段はまったく平気なんですが、その、せ、性的なことがあると…
色々と我慢がきかなくて」
「ふむ」
「どうしたらいいものか」

医者はゆっくりとグラハムの後ろに立ち
その手を肩に乗せると小さく震えているのが伝わってきた。

「力を抜きたまえエーカーくん。まずはどういった行為に対し
君が我慢弱いのか医者の私には知る義務がある」

| 名無しの男(達)::3:医師(カウンセラー) | 2008,02,02, Saturday 03:29 PM

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