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ダリル2(part2 655,657,658,660)

追悼

予期せぬ死ではなかった。軍に属している限り、誰かが死ぬのは夜が来ることと同じくらい当たり前のことだ。
でも、感情を理屈で割り切れないときがある。
「仕方なかった」
その一言をダリルは言葉にすることが出来ないでいた。
彼はきっと首を振るからだ。自分のせいだ、と。

窓から空を眺める彼は、ハワードは立派だったと一言呟き、そのままだ。
その後ろ姿は、戦場のときと比べると酷く小さく、あまりにも頼りない。
今にも消えてなくなってしまいそうで、気付けば、ダリルは後ろから強く抱き締めていた。

「隊長、今だけでも、忘れましょう。泣いたって、俺は見なかったことにしますから」

首筋に、口づける。跡を残す。
反転させ、ベットに押し倒すと、悲しみに揺れる翡翠の瞳があった。
口づける、口づける、口づける。
時々、グラハムは思い出したかのように舌を絡ませてくる。

「ん…ふっ」

「俺だけを、感じて下さい」

人形の着せ替えのように丁寧にズボンと下着を脱がす。
太ももを撫で、彼自身に触れる
と同時にアナルにつぷりと指を入れると、僅かに体が跳ねた

「ダリル…」

頭を溶かしてしまうような艶のある声
喪服を纏った未亡人のような美しい瞳と表情

「泣いてもいいんですよ、隊長。俺には、暗くてよく見えませんから」

「…泣ける、ものか。ハワードは立派だったんだ」

瞳が、濡れる。
声が、体が、表情が、揺れて

「泣いたら、ハワードが浮かばれないだろう」

その人は、悲しく微笑んだ
ダリルはその姿に胸が締め付けられる気がした。

自分は、絶対に死んではいけない
守り続けたい、隊長を
この人の、そばにいたい

「あ、あ、あぁあぁ!」

その気持ちを、ぶつけるように腰を進めた
白い肢体は、激しい突きに痙攣気味に揺れる

「ひ、ぁあ…あぁっ!」

「隊長っ…!」

悪いと思いながらも、イキそうな彼のソレを握りしめ、流れをせき止める
痛みにグラハムは目を見開いた

「い、ぁ…」

「もう少し、ですから」

ラストスパートをかけ、一気に腰を進めた
グラハムは、気絶してしまいそうな快楽と苦痛に首を振り、体を跳ねさせる

「ダ、リル…!い、イかせて、く……ぁああ!」

「隊長っ…」

「あぁっ————!!」

自分がイく寸前に手を離すと、グラハムは背中を浮かせ、何度か痙攣して精液を放った
と同時に自身も中で達する
強すぎる快楽が二人を襲った

しかし、イった瞬間のグラハムの官能的表情な表情に、ダリルは自身が再び持ち上がるのを感じる

「隊長、俺、我慢できません」

もう一度、と先端をアナルに入れると、グラハムは逃れるように身を引く
「ダリルっ…う、ぁ!」

しかし、逃げる両肩を上から押さえ、アナルに無理矢理沈み込ませる
二度目なのに、なかなか上手く入らない
グラハムは辛そうに顔を歪める

「あ、ぁあう」

何度も逃げようと腰を引く彼を、ダリルは力強く組み敷きながら言った

「本当は、忘れたいのも泣きたいのも、俺の方だ…俺、怖いんですよ。
軍人のくせに、死ぬのが怖い」

嘘をついた
最後の嘘だと、自分に言い聞かせて
綺麗な翡翠の瞳が、真っすぐに見上げてくる

「だから、隊長、忘れさせて下さい。今日だけ。眠れるように、もう一度だけ」

ゆっくりと、首に、白い腕が絡まる。幼い顔のラインが、一瞬目に入って。
あとはただ、口づけと、長い快楽が続くだけだった

こんなにも、純粋な彼を、汚して、満足している。もう一度だけ、と何度も彼を犯した
空が白むまで、最後だからと言い聞かせて

重なった雲から差し込む光は、彼の金髪を優しく撫でる
ハワードも、そこにいるだろう
この、光の先にある、飛行機乗りだけが辿り着く空に

| オーバーフラッグス::4:ダリル2 | 2008,02,02, Saturday 11:52 PM

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