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ジョシュア10(part3 558,559)

ジョピュア

酒が弱いなどと聞いていない。上官はジョシュアに支えられるままになっていた。
瞳は虚ろ、口元は弛緩し、足取りも覚束無い。歩くたびに、柔らかな金糸が頬をくすぐる。
寄りかかる体重は身長から推測される成人男性のそれより随分と軽いようだ。
たまらない気分だった。何故自分がこんな役を引き受けなければならないのか。
発端はバレンタインデイである。
男だらけの精鋭部隊において、バレンタインなどという行事は無関係に思っていたのが間違いであった。
グラハム・エーカー上級大尉、わが軍のエースである彼は男が惚れる男としての魅力を十分に兼ね備えていたのだろう。
部下からのみならず上官からも贈り物は毎年抱えきれないほど届くらしい。
今年は洋酒の入ったチョコレートが盛況で、食べきれないからと部下たちに披露している姿が見えた。
しかしその後、休憩室で寝こけている上官をジョシュアは発見することとなった。
まったく、酒が弱いなどと聞いていない。
貰った物は捨てるわけにはいけないと、随分と食べていたようだが……。
菓子に含まれる微量のそれでここまでなるとは誰も思わなかっただろう。
しかし何故、そのような幼い顔で眠っているのか。
何故、自分は彼を放っておけなかったのか。

続き▽

| ジョシュア::10:ジョピュア1 | 2008,02,14, Thursday 10:44 PM

刹那2(part3 509,510)

目標をクチュクチュする

再びあの少年と出会ったのは黒いガンダムからハワードに一矢報いてから数日経った後だ。

「…お前は…ッ!」

アザディスタンのテロ現場を調査していた時に出会った少年。
あの後すぐにかの宗教的指導者がガンダムに保護された点から考えてもソレスタルビーイングの一員。
若すぎる気もするが、あの迅速な動きでは初めて出会ったあのガンダムのパイロットの可能性が高い。

「刹那・F・セイエイ」

夜中に街中に唐突に現われたその少年は何も言わず、しかし逃げる事もせず。
公園まで歩いていく、それに従い人の気配が周りにないとわかる場所にたどり着くと
前とは違った硬い声で名前を告げた。

「グラハム・エーカーだ。アザディスタン以来か」

名乗ったという事は名乗りを求めているのだろうと名乗ると刹那は無防備にグラハムに近づいた。

「あの黒いフラッグのパイロットか。」

あと少しで手にふれられる。捕まえて尋問する気はなぜかおきなかった。

「そうだ。お前は…」

「ガンダム、ガンダムエクシアのパイロットだ。」

すんなりと拷問するまでもなく答える少年に瞠目した。
彼は自分がユニオンのパイロットである事をしっている。

「どういうつもりでそれを…」

続き▽

| マイスターズ::3:刹那2 | 2008,02,14, Thursday 12:39 AM

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