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刹那2(part3 509,510)

目標をクチュクチュする

再びあの少年と出会ったのは黒いガンダムからハワードに一矢報いてから数日経った後だ。

「…お前は…ッ!」

アザディスタンのテロ現場を調査していた時に出会った少年。
あの後すぐにかの宗教的指導者がガンダムに保護された点から考えてもソレスタルビーイングの一員。
若すぎる気もするが、あの迅速な動きでは初めて出会ったあのガンダムのパイロットの可能性が高い。

「刹那・F・セイエイ」

夜中に街中に唐突に現われたその少年は何も言わず、しかし逃げる事もせず。
公園まで歩いていく、それに従い人の気配が周りにないとわかる場所にたどり着くと
前とは違った硬い声で名前を告げた。

「グラハム・エーカーだ。アザディスタン以来か」

名乗ったという事は名乗りを求めているのだろうと名乗ると刹那は無防備にグラハムに近づいた。

「あの黒いフラッグのパイロットか。」

あと少しで手にふれられる。捕まえて尋問する気はなぜかおきなかった。

「そうだ。お前は…」

「ガンダム、ガンダムエクシアのパイロットだ。」

すんなりと拷問するまでもなく答える少年に瞠目した。
彼は自分がユニオンのパイロットである事をしっている。

「どういうつもりでそれを…」

私に言うのか?その質問をする前に刹那の顔が間近にせまり、目を開いたまま固まる。

「あのガンダムは、ガンダムじゃない。」

無意識に、グラハムは自分の唇を手で隠した、かすめたやわらかい唇。
そにて中に入ってきた柔らかい舌。

さすがに27にもなればされたもの自体は経験がある。しかしその相手が男となると。

「俺が、ガンダムだ。」

何でもない事のように少年はグラハムの服を掴んだまま直向きに見つめている。
急な事に驚いていて頭が働いていなかったからか、視界が反転した事にも気付かなかった。

「この前のあれは…ガンダム、じゃない?」

「俺は、ガンダムとは認めない。」

少し乾いた唇が男性児童らしいといえばらしいが、どこまでこの子供の言葉を信じればいいのか。

「…ガンダムッ…!!」

呆然と呟いた言葉は後ろが高く跳ね上がった。
夜の冷気が直接肌をなでたからか、子供とはいえグリップダコのある手にまさぐられた擽ったさからか。
ソレスタルビーイングの一員であるならば隠し武器かカスタムフラッグの秘密を探るための可能性もある。
人革連の超兵のようなものを考えての事なのか、ならばさきほどのキスは?
答えが出ないまま、情報を与えないためにも抵抗しなければならないと理解はしていても動く事が出来なかった。

| マイスターズ::3:刹那2 | 2008,02,14, Thursday 12:39 AM

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