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ジョシュア、軍人達(part4 65-69)

鬼畜、輪姦、木馬

布で目を覆われたグラハムには、
自分の置かれた状況がまったく分からなかった。

耳を澄ませ、辺りを伺う。複数の者の気配、
時折聞こえるヒソヒソ声と忍び笑い。
こめかみが熱を持ってずきずきと痛む。手足は自由だったが、
薬品でも打たれたのか、弛緩したように身体に力が入らなかった。

意識を失う前、グラハムは格納庫に居た筈だった。
そうだ、ジョシュアだ。彼が何やら私に相談があるとかで、
深夜フラッグの所に呼び出されたのだ。
人気の無い格納庫で背後から声をかけられて………
そこで記憶が途切れている。

「おい、気がついたみたいだぜ」
「気分はどうですか?グラハム・エーカー上級大尉殿?」

ジョシュアの声だ。もう一人は聞いた事のない声。
ふいに辺りがざわめく。いったい何人いるのか…
「何のつもりだ!君は私に相談があるんじゃなかったのか。
 返答によっては軍法会議ものだぞ!」

立場で部下を脅すのは、グラハムの嫌悪するところであったが、
この状況ではそうも言ってられない。
力の入らない四肢で必死に立ち上がろうともがくと、
両脇に居た男がグラハムの両腕を抱えて無理矢理立ち上がらせた。
だが、脚ががくがくと揺れ、全体重を預ける事になるこの格好は
余計にみじめさを際立たせるだけだ。
グラハムは小さく舌打ちした。

「あんたに相談したいって奴がたくさん居るんですよ。
『エーカー上級大尉の事を考えるとオナるの止められなくて夜も眠れません
 どうしたらいいですか?』って聞きたいそうです。」

室内に満たされる下品な笑い声。
どうやらここは基地の中の使われていない小さな小部屋らしい。
音が反響して、よく響く。

「さあ答えて下さい。どうしたらいいと思いますか、上級大尉殿?」
「し、知らん!私には関係ない…っ」
「ひでー、頼れる上司と思って相談したのに」
「関係ないはねーだろ、エーカー上級大尉のせいなんだから」

周りの男達が勝手な野次を飛ばす。
両脇を支えていた無骨な手が、胸の飾りを服の上からこねくりまわした。

続き▽

| ジョシュア::13:ジョシュア、軍人達 | 2008,02,19, Tuesday 07:52 PM

ジョピュア(ダリル)3(part4 41-44)

ジョピュア

「いつまでそんな顔しているんですか、グラハム・エーカー上級大尉殿」
背後から呼びかける声に、グラハムは驚いて振り返った。
視界には延々と続く仲間達の眠る墓、どんよりと暗い曇り空。
吹く風は生温く、未だ微かな煙の臭いを含んでいた。
これは、現実だ。まぎれもない現実。
遠くには崩壊したMSWAD基地が、まるでそれ自体が墓標の用に立っている。
足下には遺体のない棺が眠り、彼の同僚はもう戻らない。
そう、永遠に戻らなかったはずなのだ。
だが。
「そんな…君は」
「随分と無防備な顔ですね。空母で見せた傲慢な態度ははったりですか?」
声が震える。屈辱的な言葉を投げられているのに、怒りにではない。
もう会えないはずだった存在に再び触れる事ができる、歓喜にだ。

「君は…君は戦死したはずだ、ジョシュア」

続き▽

| ジョシュア::12:ジョピュア(ダリル)3 | 2008,02,19, Tuesday 02:39 AM

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