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カタギリ8(part5 212)
んん、と鼻にかかったくぐもりが、それを伝って来た。
グラハムはあまり口が大きい方ではなかったから、開いた唇は精一杯という感じでで性器を挟み込んでいる。
柔らかな、形よい口唇が、荒い呼吸を伴って、僕のものを根元まで飲み込んでゆく。
粘膜は温かさで僕を包む。
時折苦しそうに眉を寄せるもグラハムの瞳は潤んで恍惚とし、しょっぱい先走りを唾液とともに嚥下する度に喉が鳴るのは、それを見下ろす僕を酷く興奮させた。
薄桃色の唇から、ぬらりと唾液に浸された舌が見える瞬間など、堪らなかった。
「…っ、いいよ、グラハム」
僕のものがかたくなったことに気をよくしたのか、彼は執拗にくびれに舌を這わせている。
こちらを見上げる瞳の淫靡さといったら形容しがたいほどで、視線がかちあった瞬間に瞼を伏せるくせに、ペニスに絡める舌は夢中と言って差し支えなく、やはり完璧な造形の鼻梁が僕の下生えに近付いたときに至っては、その体臭にひどく興奮するようだった。
嗚呼、何と愛しく、淫らな存在なのだろうと思い、僕が身を預けるソファの前にうずくまる彼の、いっそ甘ささえ感じるほど見事な金髪を掻き交ぜた。
じゅ、と濡れた音を絶え間無く発し続ける結合は、彼が滅多にフェラチオをしてくれないことを含めれば、ある意味で、彼の尻穴に怒張を突き立てていいところを探すよりも、僕をむずがゆく掻き立てた。
「んっ、ぅ、っ…」
歯を立てぬようにと気を遣いながらも必死に唇をすぼませる合間、喉から喘ぎが漏れだし、グラハムの肩が揺れた。
いよいよ射精を前にしたペニスをいまだ口に含んだまま、だが彼は、伏し目がちにしていた翡翠の瞳をこちらに向けた。
こちらからは頭部に隠れている腰が、うずうず揺らいでいる気配がある。
咥内から出した性器の先端に、愛しげに口付ける。
べっとりと唾液にまみれた唇が、ものいいたげにしどけなく開かれた。
「…あぁ、君を本当にいやらしい体にしてしまったね」
「……カタギリ…」
「おいで、抱いてあげるよ」
躊躇いがちに僕を呼んだグラハムの体を抱え上げ、ソファに腰掛ける僕の前で膝立ちさせる。
彼のペニスは、白いスラックスを押し上げて欲望を主張していた。
「僕のを舐めているだけでこんなになるなんて」
両の太腿を裏から撫で上げてやれば、彼はいつもの感度の良さで、体を揺らしてみせた。
ひ、と息を飲み込むのが愛らしいとさえ思える。
スラックスの上からそっと膨らみを撫でると、先程のフェラチオの興奮も手伝ったのだろう、いともあっさり彼の唇は綻んだ。

| カタギリ::8 | 2008,02,27, Wednesday 06:23 AM

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