ロックオンは横で酔いつぶれた青年をどうしたらいいか考えあぐねていた。
「おい、大丈夫か?」
「ん…」
肩を揺さぶってみたが反応は鈍い。そろそろ閉店なのだろうかカウンターの中から様子をうかがう視線が痛い。
「ったくしょーがねえな」
肩を貸す形でグラハムを助け起こすと、その華奢な体は存外に軽い。
知らない男だ。作りのいいスーツとどこか気品のある顔立ちはこんな場末の酒場には不釣合いで、
現れた時から異彩を放っていた。一人寂しげに隅で飲んでいた彼に声をかけたのはロックオンだった。
なぜそんなことをしたのか自分でも分からない。まるでナンパじゃないか、と胸の中で自嘲する。
酔わせて、潰れたところを持ち帰りなんてスメラギさんが聞いたらどれだけ呆れ返るだろう。
家を聞いてもうわごとのような答えしか返ってこないグラハムを持て余したロックオンは、とりあえずと近くの安ホテルへ避難することにした。
「起きれるか?」
「…だめだ」
「ほら水」
ベッドに横たわるグラハムの上半身を支えるように起こしてやると素直にグラスに口わつけた。
水を飲む喉の動きがなぜか性的に思えてロックオンは慌てて目をそらした。
「すまない、面倒かけた」
「いいって飲ませたのは俺だしな」
「なんの話をしていたか…覚えてない」
「あんたが芋料理はマッシュポテトに限るなんて邪道なことを言い出すから俺がだなあ…」
弾けるように笑い出した彼にロックオンは驚き目を見張った。
「す、すまない…!そうだった。君があんまりむきになるからわたしは…つい…くく…」
「あのなあ」
殴ってやろうかと振り上げた手は自分の意思とは逆にグラハムの柔らかい金色の巻き毛に触れた。
そのまま梳くように動かすとグラハムは気持ちよさそうに目を閉じた
「優しいんだな…君は」
「誰にでもってわけじゃないさ」
「そうか…君は、わたしの知っている人によく似ている」
「どんな人だ?」
「…自分の信じるものに矜持を持っていた。そしてひどく優しい」
その美しい大きな目に映る自分は確かに自分の姿なのにグラハムは遠い目をしていて、
ロックオンはふと寂しい気分になる。
「好きだったのか?その人が」
「…わからない」
彼の目に唐突に流れ出る涙を呆然と見つめていると、不意にグラハムの唇が近づき柔らかい感触でロックオンのそれが塞がれた。
「…っ」
押しのけるはずの手は何かに操られたようにその少年のような細い体を抱きとめた。
ロックオンの胸に抱かれたままグラハムはうわごとのように繰り返した。
「いまだけ…いまだけだ…!」
「…グラハム?」
「わたしを抱いてくれ……」
そのあとに続いた声にならない誰かの名前は、多分ロックオンのものではなかった。そ
れはロックオンに苦々しい思いをさせた。
グラハムの肩を掴み、ベッドに荒々しく押し倒す。
「いいぜ…だが俺は誰かの代わりじゃない」
「あ…」
「俺の名前はロックオン・ストラトスだ。他の名前は呼ぶな」
言うとロックオンはグラハムの着ていたスーツを1枚ずつ脱がせる。
全く抵抗しようともせず、それを見つめるグラハムの表情がやけに幼く見えて不安になるが
「大丈夫だ…わたしなら問題ない」
という彼の言葉に最後の1枚まで剥がし取る。
男なんて抱いたこともないがグラハムの体はきれいだな、と思った。
女のものとは違う薄い筋肉質の白い肌はやけにきめ細かくて、だが押せば跳ね返るようだ。
彼の桃色に色づいた陰茎はすでに勃ちあがり始めていたので先端のぬめりを借りて全体を覆うようにしごく。
「あっ…あ!」
耳元で一段高い声の嬌声が響く。どうやら感じているようだ。
気持ちいいか?と聞くと首をこくりと縦に振るので安心する。
女とのアナルセックスはしたことがあるので多分方法は一緒だろうと、その部分に舌を這わせる。
「ん…ふ、ぅ!」
やはり俺に似た人というのは男だろうか、と思わされロックオンは少し気分が重くなった。
舌を差し入れ涎液を送り込むようにし、じゅうぶんに濡れた後孔に指を差し入れる。
ひ、と声をあげ背が反り返るのにかまわずかき回すように刺激する。
「あ、ああ…!そ、そこ…やっ!」
前立腺を指先が掠めるとひくり、と締め付けられる。
ここにぶちこんでやりたい、唐突に思った。
いつもの自分ではない何かがロックオンを背後から追い立てる。
「くそっ…もう、入れるぜ」
「んっ…きて、くれっ」
息も絶え絶えといった感じで掠れ声でねだるグラハムの顔が幼いのに淫蕩な娼婦のようで、ロックオンの神経がくらくらした。
彼の後孔は狭く、裂けるのではないかと心配したがロックオンの陰茎の一番太い部分を飲み込むとあとは素直に飲み込んでいった。
「あ、あ、あ…っ」
奥へ差し入れるたびにグラハムの短い喘ぎが漏れている。
最奥までねじ込むと、安堵のため息がその愛らしい唇から零れた。
その金色の睫毛が震えるまぶたにキスをするとロックオンは性急に動かした。
「んあっ…あ、ああっ」
「くっ…いいぜ、あんた。もう、すぐにでもイっちまいそうだ」
激しく身勝手に抽出する。奥までねじりこむように突っ込むと先端まで引き上げる。
グラハムはその度に快楽に濡れた声をあげた。
どこを触れても性感帯のようになった体を撫で回し、
戯れにピンク色に尖った乳首を引っかくとひときわ大きな喘ぎが漏れロックオンの陰茎を締め付けた。
耐えられず、ロックオンは最奥に叩きつけるように押し込めると精液を放った。
「あ…あつっ…!」
グラハムの背が反り、ビクビクと体を震わすと同時に果てた。
荒い息をつくグラハムの頭を抱え、金色の髪に優しく口付けながらロックオンは言う。
「そういえば」
「…なんだ?」
「今日は俺の誕生日だった」
「…そうなのか。家族と一緒でなくてよかったのか?」
「そんなものはもういないさ」
「…すまない。失礼なことを言った」
「気にするな。ただ、突然思い出しただけなんだ」
グラハムはロックオンの頬に手を置き微笑みながら小さな声で言った。
「おめでとう…ロックオン」
ロックオンは暖かい気持ちに満たされ、その額にキスをした。
その瞬間、昨日まで知らない男だった彼の特別になりたいと心から思ったのだ。
「おい、大丈夫か?」
「ん…」
肩を揺さぶってみたが反応は鈍い。そろそろ閉店なのだろうかカウンターの中から様子をうかがう視線が痛い。
「ったくしょーがねえな」
肩を貸す形でグラハムを助け起こすと、その華奢な体は存外に軽い。
知らない男だ。作りのいいスーツとどこか気品のある顔立ちはこんな場末の酒場には不釣合いで、
現れた時から異彩を放っていた。一人寂しげに隅で飲んでいた彼に声をかけたのはロックオンだった。
なぜそんなことをしたのか自分でも分からない。まるでナンパじゃないか、と胸の中で自嘲する。
酔わせて、潰れたところを持ち帰りなんてスメラギさんが聞いたらどれだけ呆れ返るだろう。
家を聞いてもうわごとのような答えしか返ってこないグラハムを持て余したロックオンは、とりあえずと近くの安ホテルへ避難することにした。
「起きれるか?」
「…だめだ」
「ほら水」
ベッドに横たわるグラハムの上半身を支えるように起こしてやると素直にグラスに口わつけた。
水を飲む喉の動きがなぜか性的に思えてロックオンは慌てて目をそらした。
「すまない、面倒かけた」
「いいって飲ませたのは俺だしな」
「なんの話をしていたか…覚えてない」
「あんたが芋料理はマッシュポテトに限るなんて邪道なことを言い出すから俺がだなあ…」
弾けるように笑い出した彼にロックオンは驚き目を見張った。
「す、すまない…!そうだった。君があんまりむきになるからわたしは…つい…くく…」
「あのなあ」
殴ってやろうかと振り上げた手は自分の意思とは逆にグラハムの柔らかい金色の巻き毛に触れた。
そのまま梳くように動かすとグラハムは気持ちよさそうに目を閉じた
「優しいんだな…君は」
「誰にでもってわけじゃないさ」
「そうか…君は、わたしの知っている人によく似ている」
「どんな人だ?」
「…自分の信じるものに矜持を持っていた。そしてひどく優しい」
その美しい大きな目に映る自分は確かに自分の姿なのにグラハムは遠い目をしていて、
ロックオンはふと寂しい気分になる。
「好きだったのか?その人が」
「…わからない」
彼の目に唐突に流れ出る涙を呆然と見つめていると、不意にグラハムの唇が近づき柔らかい感触でロックオンのそれが塞がれた。
「…っ」
押しのけるはずの手は何かに操られたようにその少年のような細い体を抱きとめた。
ロックオンの胸に抱かれたままグラハムはうわごとのように繰り返した。
「いまだけ…いまだけだ…!」
「…グラハム?」
「わたしを抱いてくれ……」
そのあとに続いた声にならない誰かの名前は、多分ロックオンのものではなかった。そ
れはロックオンに苦々しい思いをさせた。
グラハムの肩を掴み、ベッドに荒々しく押し倒す。
「いいぜ…だが俺は誰かの代わりじゃない」
「あ…」
「俺の名前はロックオン・ストラトスだ。他の名前は呼ぶな」
言うとロックオンはグラハムの着ていたスーツを1枚ずつ脱がせる。
全く抵抗しようともせず、それを見つめるグラハムの表情がやけに幼く見えて不安になるが
「大丈夫だ…わたしなら問題ない」
という彼の言葉に最後の1枚まで剥がし取る。
男なんて抱いたこともないがグラハムの体はきれいだな、と思った。
女のものとは違う薄い筋肉質の白い肌はやけにきめ細かくて、だが押せば跳ね返るようだ。
彼の桃色に色づいた陰茎はすでに勃ちあがり始めていたので先端のぬめりを借りて全体を覆うようにしごく。
「あっ…あ!」
耳元で一段高い声の嬌声が響く。どうやら感じているようだ。
気持ちいいか?と聞くと首をこくりと縦に振るので安心する。
女とのアナルセックスはしたことがあるので多分方法は一緒だろうと、その部分に舌を這わせる。
「ん…ふ、ぅ!」
やはり俺に似た人というのは男だろうか、と思わされロックオンは少し気分が重くなった。
舌を差し入れ涎液を送り込むようにし、じゅうぶんに濡れた後孔に指を差し入れる。
ひ、と声をあげ背が反り返るのにかまわずかき回すように刺激する。
「あ、ああ…!そ、そこ…やっ!」
前立腺を指先が掠めるとひくり、と締め付けられる。
ここにぶちこんでやりたい、唐突に思った。
いつもの自分ではない何かがロックオンを背後から追い立てる。
「くそっ…もう、入れるぜ」
「んっ…きて、くれっ」
息も絶え絶えといった感じで掠れ声でねだるグラハムの顔が幼いのに淫蕩な娼婦のようで、ロックオンの神経がくらくらした。
彼の後孔は狭く、裂けるのではないかと心配したがロックオンの陰茎の一番太い部分を飲み込むとあとは素直に飲み込んでいった。
「あ、あ、あ…っ」
奥へ差し入れるたびにグラハムの短い喘ぎが漏れている。
最奥までねじ込むと、安堵のため息がその愛らしい唇から零れた。
その金色の睫毛が震えるまぶたにキスをするとロックオンは性急に動かした。
「んあっ…あ、ああっ」
「くっ…いいぜ、あんた。もう、すぐにでもイっちまいそうだ」
激しく身勝手に抽出する。奥までねじりこむように突っ込むと先端まで引き上げる。
グラハムはその度に快楽に濡れた声をあげた。
どこを触れても性感帯のようになった体を撫で回し、
戯れにピンク色に尖った乳首を引っかくとひときわ大きな喘ぎが漏れロックオンの陰茎を締め付けた。
耐えられず、ロックオンは最奥に叩きつけるように押し込めると精液を放った。
「あ…あつっ…!」
グラハムの背が反り、ビクビクと体を震わすと同時に果てた。
荒い息をつくグラハムの頭を抱え、金色の髪に優しく口付けながらロックオンは言う。
「そういえば」
「…なんだ?」
「今日は俺の誕生日だった」
「…そうなのか。家族と一緒でなくてよかったのか?」
「そんなものはもういないさ」
「…すまない。失礼なことを言った」
「気にするな。ただ、突然思い出しただけなんだ」
グラハムはロックオンの頬に手を置き微笑みながら小さな声で言った。
「おめでとう…ロックオン」
ロックオンは暖かい気持ちに満たされ、その額にキスをした。
その瞬間、昨日まで知らない男だった彼の特別になりたいと心から思ったのだ。
| マイスターズ::6:ロックオン2 | 2008,03,03, Monday 02:43 AM