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ミハエル1(part2 185,202)

脅迫、縛り

「へえけっこう美人じゃん」
青い髪の青年は冷酷そうな目で見下ろした。
「なああんた、命乞いとかしねーの?」
冷たい鎖に後ろ手に繋がれ床に投げ出されてはいるが
グラハムの瞳の強い輝きは失われていない。
「貴様などに乞うような命などない!」
「いいね、気が強い奴って好きだぜ」
青年はグラハムの顎を掴み無理矢理顔をあげさせた。
「すぐは殺さないよ。虐めがいがありそうだ」
その酷薄そうな笑みに思わず身震いが走る。
「可愛いな。あんたを泣かせてみたくなった…責任とってくんない?」
そう言うとグラハムの身をかろうじて覆っていたパイロットスーツを一気に引き裂いた。
「なにをする!」
「あーまずなにしてもらおうか?その可愛い口でご奉仕してもらっちゃうかな」
「…断固拒否する!」
「断固拒否か…いいね、いいよ!あんたみたいなプライドの高そうな軍人が
這い蹲って許しを乞うのを見るのが俺の趣味なんだ」
青年は面白くてたまらないという風に笑い出した。
「…気狂いめ」
「あれーそんなこと言っちゃっていいの?捕まったのはあんただけじゃないんだぜ」
「…!!」
グラハムの大きな目が驚愕でさらに見開かれた。
生きて…いるのか?誰だ?ダリルか?ハワードか…?それとも…。
「あんたの前に1人ずつ引き釣り出してなぶり殺してやってもいいよ?
生きたまま苦しむようにじっくりとね」
「くっ…よせ…!頼む」
「ん?よく聞こえなかったなあ。なんだって?」
「…やめてください!お願いします」
「人にお願いする時の態度はそうでいいんだっけ?」
面白そうに人を見下ろす青年の目はグラハムがかつて知る誰のものともちがった。
悲しげに目を伏せたグラハムであったが決心したように膝立ちのまま青年の足元に近寄る。
一瞬の躊躇いを見せたのち、その歯を使い器用にファスナーを下げる。
「いいぜ…あんたの表情、ぞくぞくする」
青年のすでに形を変え始めたものがグラハムの頬を打つ。

| マイスターズ::1:ミハエル | 2008,01,26, Saturday 11:42 PM

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