目標をクチュクチュする
ベッドのカーテンが静かに揺れた。月影に佇む影に、グラハムははっと身を起こす。
「そこにいるのは…誰だ!」
見覚えのある顔だった。
「アザディスタンの少年、どうして…」
少年の表情は読めない。だが一言、なぜこの世界は歪んでいるのか、とつぶやいた。
「…神は平等だ。人だって分かり合える。だが、どうしようもなく世界は歪んでしまうんだ。
だから、私達は、互いのことを…」
足音がひた、と近づいてきた。
「そうだな、俺たちは、互いのことをよく知る必要がある」
そう言って少年は、何も着ていないグラハムを荒々しく抱いた。
| マイスターズ::2:刹那1 | 2008,02,01, Friday 02:33 PM