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オークション→分岐2-b-1:アリールート1(part6 757,771)
「おい、あれ気に入ったぜ」
「馬鹿言うな、そんな金などないぞサーシェス」
タキシードに身を包み小奇麗にしたアリーは周囲に溶け込み戦争屋の気配は完全に消していた。
「なんだよボーナスだと思えよ、いいだろラグナ」
「シッ!その名前で呼ぶのはやめろ」
男は慌てて周囲を見回すが、誰もが固唾を呑んでステージのグラハムに集中していたため
聞かれなかったようでほっとする。
「今回のオークションはプレジデントが参加している。予算の問題じゃない」
「チッ」
忌々しげにステージのグラハムに目線を向けると、そこにはステージ近くで調教と称し勝手な指示を出す
「上客」に媚びを売るように微笑む哀れな青年がいた。
笑顔で卑猥な単語を言わされ、だが屈辱に耐えかねるのか悲しげに伏せられた緑の目から
大粒の涙が零れる。その対比の異様さに会場の熱気は異常な空気に包まれている。
「ったく戦争よりタチが悪ぃなここの連中は」
おお、というどよめきと共に青年の細い悲鳴が聞こえた。
変態どもめ、と毒づくとアリーはグラスの酒を飲み干した。
「この子はまだフェラがうまくないようだな」
客である男に無遠慮に口中へ指を突っ込まれ嗚咽する。
グラハムは咄嗟にカッとなり睨みつけた。
その強い輝きを失っていない瞳にアリーの目が光る。
「いいね、あのガキ。犯りてえ」
また始まったという風に呆れ、ラグナはため息をついた。
「今回のオークションはプレジデントのお遊びだからな。外部の人間に軍のエースパイロットを
余興で競りにかけると思ってるのか?サーシェス」
「前回の貸しが清算まだだぜ」
「おい…本気か?」

グラハムに睨まれた男が一瞬怯むがすぐにいやな笑みを浮かべた。
「おやおや怖いな」
「躾がなってないね」
「これはお仕置きが必要なようだ」
「薬を使ってもいいかもしれないな」
笑いながらなされる会話に怯え、グラハムの体が震えた。
「や、いやだ…ごめんなさい…」

「言葉遣いもなってない」
「これは1から調教しなおさなくては」
「彼は首輪がよく似合いそうだな。四つん這いにさせて基地内を散歩させてみようか」
「尻尾もつけないとな特製のね」

グラハムは聞くに堪えないという風に両手で耳を塞ぐとうわごとのように繰り返した。
「ごめんなさい…許して…許してください…許し…ああっ」
後ろの男が彼の両手を押さえ床に伏せさせると繋がったままの腰を大きくグラウンドさせた。
「あっ…!ああっやっ…う、あっ」
それを見た客達の下卑た笑いが波のようにさざめく。
「彼は我慢弱いな」
「子犬のようで可愛いじゃないか」
「ぜひ飼いたいものだ」

更に彼の値段が上がった。

| 分岐モノ::2:オークション | 2008,03,10, Monday 04:09 PM

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