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カタギリ、ジョシュア1-1(part2 420-422)

覗き

いま自分が見ているものは何なのか
理解するまでに分単位で時間がかかったにちがいない。
オーバーフラッグスの入隊が決まりさっそくあの小生意気で
エース気取りのグラハム・エーカー中尉にイヤミの一つも進言しようと
部屋まできたのだ。
なぜかキーがロックされておらず簡単にドアは開いた。
「なんだ?無用心だな。ハッこれだからあいつは…」
「…」
奥の部屋から話し声がした。
来客があったらしい。それでドアが開いていたのかと理解する間もなく
悲鳴のような声が聞こえる。
「片桐…もう、焦らすな…!」
普段の声とはまるで違う甘い媚びるような切なげな
だが確かにエーカー中尉のものだ。
何かに誘われるようにジョシュアはドアの隙間を覗き見た。
そこには月明かりに白く美しい肢体を晒した青年が
白衣のままの技術顧問に組み敷かれ貫かれている姿があった。
「自分で動いていいんだよグラハム」
「や…っいやだ…!早く…片桐」
「しょうがない子だねえ君は我慢弱く貪欲だな」
だらしなく口元から涎液を垂らし目線さえ定まらぬ風に
喘ぎつづける肉体は凄絶なまでの色香で満ちている。
ジョシュアは何かに憑り付かれたように視線が離せなくなっていた。
その視線に呼ばれたかのように、ふと片桐が顔をあげる。
思わず走って逃げ出したい衝動にかられたジョシュアであったが踏みとどまった。
片桐は普段と変わらない柔和な笑みを浮かべていたが
その目は挑戦的で人を見下したものであった。
おまえが欲していたものは今、自分の下で組み敷かれ喘いでいるのだと。

「グラハム、どうして欲しいか言ってごらん」
「う…はや、く動いて…!」
いやいやをするように首をふる動作が幼い子供のようでかえっていやらしい。
「もう腰が動いてるじゃないか僕が動かなくても君のここは僕のペニスを求めて蠢いてるよ」
「や!いやだ…!はやく片桐ので…突いて」
甘い嬌声はすぐそこで出されているのにひどく遠いものに感じられた。

いつ部屋を抜け出し外へ出たのか覚えていない。
丸い月がぼんやり見えることでジョシュアは自分が泣いていることに気づいた。

| ジョシュア::3:カタギリ、ジョシュア1 | 2008,01,30, Wednesday 05:15 AM

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