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プレジデント、デイビッド1(part2 459-460 part3 449-451,513-518)

視姦、脅迫、輪姦、鬼畜

「ああよく来たね。我が国一のフラッグファイター、グラハム・エーカー上級大尉」
「はっ!自分はグラハム・エーカー上級大尉であります。お会い出来て光栄です」
グラハムという男との会談は予定にはなかった。美しい金髪の男は、大統領のごく個人的な希望でこの部屋に招かれている。
隅に控えたデビッドは、好奇心旺盛に動かされる緑の目に心の内で舌うちする。
世界の政治を動かすこの部屋に前線の兵が入ることを、デビッドは快く思ってはいなかった。
確かにグラハム・エーカーという青年は優秀な軍人である。だが彼はいささか単純過ぎた。
行きすぎた誠実さは政治には命取りとなる。彼に好意的な立場をとる大統領が影響を受けないとも限らない。
だがその心配も杞憂に終わった。大統領はいつものように寛大に手を組み、上級大尉にこう言ったのだ。
「最近、オーバーフラッグスは風紀が乱れているらしいじゃないか」
ああそうか、とデビッドは口許を歪めた。大統領の目は賢明な光をともしている。だがその奥には肉欲が見え隠れする。
「デビッド、あれを見せてやってくれ」
グラハムは会話の内容が掴めていなかった。これから自分が置かれる立場をまだ分かっていない。
緑の目は尊敬すべき対象として大統領を見つめている。君は大統領を尊敬すべきだ。だが恐れるべきでもある。
「わかりました、どうぞ上級大尉」
デビッドは部屋に備え付けの小さなリモコンを操作する。グラハムは自分の立場をまだ理解していない。
ゆっくりと部屋の明かりが落とされる。平面だった壁が左右に静かに開き、大きなテレビが姿を現す。
デビッドはこみあげる笑いを押さえるのに苦労しなければならなかった。それに比べれば、
これからおこる茶番に付き合うのも決して苦ではない。デビッドは無慈悲にスイッチを押した。暗かったテレビ画面に金髪の青年の姿が映る。
「…だ、大統領これは…」
グラハムはすぐさま弁解の言葉を紡ぎ出そうとした。だがそれらは無意味だ。映像は圧倒的なのだ。
画面に映るグラハムはおしげもなく肌を露出し、男のペニスを口でしごいている。
その表情はとろけ、尻に男の勃起した汚ならしいペニスを受け入れた瞬間など見ていられないほどだった。
「グラハムエーカー上級大尉、ユニオンは君の行いを裁かねばならない」
大統領は演説の際に見せる笑顔でそう言った。
「誤解ですプレジデント!これは…!」
グラハムは蒼白になり弁解をしようとした。だがその言葉は途中で途切れてしまう。
当たり前だ。あんな映像にどう言い訳ができるというのだろう。画面の中のグラハムは複数の男に犯され悦びの声をあげている。
「…何事も公平でなくてはならない。君にも市民権はある、それに君は英雄だ」
「プレジデント…!」
グラハムの緊張がゆるむ。緑の目はうるんでいる。
「あれが本当の君か確かめなくては。デビッド、あれと同じようにしてやりなさい」
その言葉に、グラハムは言葉をなくした。デビッドは愉快でたまらなかった。
この部屋は大統領のものだ。あれのような軍人がいる場所ではない。
扉が開き大人数の男達が彼をとりかこむ。大統領はいつの間にか机に戻り、笑いながら頬杖をついている。
「見せてくれたまえよ、グラハムエーカー上級大尉」
悲鳴が部屋に響く。デビッドは歪めた唇から漏れる笑いを、今度こそ止めることができなかった。

デイビッドは目の前で繰り広げられる馬鹿馬鹿しい宴に盛大に溜め息をついた。
その冷たい視線の先には金髪の男がいる。軍人らしい体つきの青年は先のオーバーフラッグス結成により
上級大尉となった男で、名前をグラハム・エーカーと言った。しかしデイビッドは彼に興味を持ってはいなかった。
ただユニオンの安定と発展だけがその鋭い瞳を輝かせるのだ。この珍妙な宴もデイビッドの本意ではない。
大統領の戯れになりひいてはそれがユニオンの発展への尽力を促すことになればと思ったのだ。
彼は大統領をうかがい、そして絨毯の上で幾人もの男に奉仕をする青年を見た。
その端正な顔には幾人もの精液が浴びせかけられており、尻にはまだペニスが出入りする。
小さな唇は懸命にフェラチオを施し、フラッグを操る指は男達のペニスに絡められていた。
「いくぞ…飲めよ!」
黒服の男が精液にまみれた金髪を掴みピストンを早めた。ペニスを受け入れている唇からはくぐもったうめきが漏れている。さっき凛々しく階級と名を名乗ったエースパイロットの青年の面影はそこにはない。
彼は今やただ娼婦のように腰をふり男にしゃぶりつく淫乱でしかなかった。
グラハムは最初こそあらがってみせたものの、一度鎮静剤を打ってやると素直に自分から男達を受け入れた。
それはあの映像と同じか、それ以上のいやらしさをもって存在した。彼は男に犯されることを喜ぶ淫婦そのものだったのだ。
今もグラハムは口に射精されてうっとりと目を細めている。尻の中に出されてもわずかな抵抗すらせず、
それどころか腰を振り更に男達を煽った。デイビッドはグラハムが憎くてならなかった。
苦しみに歪む顔を見て気を晴らそうとしたというのになにごとだ、これでは…。
「デイビッド、次は君が彼を楽しませてやりなさい。彼も同じ男では飽きるだろう」
「ですが大統領…」
「予算委員会まではまだ時間があるだろう。少しは楽しみたまえ」
大統領はそう言うと葉巻きに火をつけ意味ありげに笑った。だがそれは悪戯をしかけた子供の目をしている。

(そういうことか…)
大統領は遊んでいるのだ。悪趣味だが政治家には好色な者は珍しくない。変わった倒錯を楽しみたいのだろう。
部下とエースパイロットを使っての遊びを彼は楽しんでいる。穏やかな瞳は堅苦しい部下をからかっている。
「どうやら彼はフェラチオが得意らしい。君もしてもらいたまえ」
「私は同性に興奮する嗜好は持ってはいません」
「本当に?口だけなら女とは変わらないだろう。何なら尻を使ってもいい」
「分かりました、大統領は予算委員会の用意をなさってください」
デイビッドはそう吐き捨てるとグラハムに近寄り、その精液まみれの顔を見た。
周りの男達がおずおずと離れてゆく。彼等の目はまるで獣だった。メスに群がる知能の低いオスの目だ。
男達が散るのを見届けて、デイビッドはだらしなく絨毯に横たわる青年を見下ろした。
「なんと汚ならしい…」
グラハムの唇からは飲みきれなかった精液がこぼれていた。緑の目はとろけきり、こちらに向けられている。
「はやく…おちんぽ…くださ…ひっ!」
デイビッドは満足に喋ることも出来ない男の頬をきつく張った。白い肌が床に倒れ込む。
「誰が喋っていいと言った。汚ならしい雌め」
頬をはられて呆けた男の髪を掴み、デイビッドは顎を殴る。
「デイビッド、優しくしてやらないか。彼は我が国のエースだ」
大統領は楽しそうに笑っている。普段温厚でアメリカの父である彼は、本来サディスティックな人間だった。
デイビッドは彼の代わりをつとめているに過ぎない。代償となっているだけだ。
「ですが…」
「優しくしてやりなさい。怖かっただろう?エーカー上級大尉…」
涙の浮かぶグラハムの瞳がすがるように大統領に向けられる。

「大統領、何でしたらあなたが彼を可愛がってやってはどうです?私の趣味にはあいません」
権力者の椅子に腰掛け葉巻きをふかしながら大統領は笑った。
「そうかね、じゃあエーカー上級大尉、こちらにおいで。優しくしてあげよう」
「プ…プレジデント…」
軍服を剥かれた白い体がよれよれと大統領へと近付く。デイビッドは今日はじめて青年を憐れに思った。
あの調子では予算委員会までに終わるかも怪しい。彼は殴られこそしないだろうが
それ以上の屈辱と恐怖を味わうはめになるだろう。この国に君臨するのはそんな男だ。
「かわいそうに、ああこんなにはれて…」
裸の男の肩を抱き、大統領は憐れみのこもった声でそう言った。
「怖かっただろう、もう君に危害を加えはしないよ」
「あ…っ、あ…!」
骨ばった壮年の指が白い尻に入ってゆく。グラハムは大統領の膝に乗り、その肩にしがみついている。
「まずその汚い精液を出してあげよう。デイビッド、あれを持ってきてやりなさい」
向けられる瞳の色にデイビッドは息を飲んだ。圧倒的な存在感をもつ声には奴隷のように従うしかなくなる。
「はい、取って参ります」
デイビッドはそう返事をすると執務室の重いドアをあけた。この分ではあの青年は気を失うまでもて遊ばれるに違いない。
しかしそれもユニオンのためだ。彼も軍人ならば喜んで国家の犠牲になるだろう。
男の上で腰を振る人間ならなおのことだ。
「それでは失礼します」
デイビッドは溜め息をつき、外へと踏み出した。閉まってゆく扉の向こうで悲鳴が聞こえた気がしたが、
それは幻聴だったのだろうか。

執務室の中はひどい有り様だった。デイビッドは溜め息をつきながら部屋を見渡し、また溜め息をついた。
この国の最高権力者が座る椅子には金髪の青年があられもなき姿で腰かけている。
かつて精液にまみれていたその体は今や綺麗に身繕われているが、瞳に光はない。
(酷い方だ…)
デイビッドは真っ白なその体から視線を外した。今まで様々な政治家につかえその暗部を見てきたが、
これほどまでの仕打をした人間は知らない。そしてそれに手を貸したのは紛れもない彼自身なのだ。
「大統領、あと十分で予算委員会です」
彼の予想に反し大統領の戯れは会合までに終わった。今偉大なユニオンの父は穏やかな顔でネクタイをしめながら
机の上に重ねた書類に目を通している。悠然とした態度には自信と余裕があらわれている。
ガンダムの出現により、かつてデイビッドを悩ませた議会との軋轢は解消された。
今やユニオンは対ソレスタル・ビーイングでこれまでないほど強固な結束を得ている。
そしてその前線に立つのが今呆けたように空を見つめるグラハム・エーカー上級大尉だった。
彼がユニオンに生まれたことに神に感謝せねばならないと思う。指揮官としてはまだ未熟なものの、
その天才的なパイロットとしてのセンスはこの国の財産となるはずだ。
人革連やAEUと協力体制をとっているとはいえ、ユニオンはやはり世界の警察なのだから。
「デイビッド、彼の面倒をみてやってくれないか。中々強情な青年だが君なら大丈夫だろう」
「かしこまりました」
デイビッドは静かに頷き、大統領の机と近付く。

グラハムは大統領の弁舌により放心状態だった。首筋にあてた指からはかる脈は正常だが、
外界からの刺激に対する反応は極めて薄い。焦点の合わない瞳にはまだ快感の端が覗いている。
こうやって人を追い詰めるのかと、デイビッドは大統領の責めを観察して戦慄した。大統領は青年を抱きながら
グラハムの部隊や部下、家族や友人の話を笑いながらした。母君は元気か、君に兄弟はいたかと、
あくまで優しい口ぶりで尋ねていった。グラハムはその度に恐怖に震え、自分から腰をふった。
安い薬しか打たなかったため、かなりの確率でその効果は切れていただろう。だがグラハムは効果が切れてもまだ浅ましく
腰を振りペニスをしゃぶった。元よりパイロットに薬物投与は好ましくない。軍人はこの国の財産なのだ。けれど今の状況では
それも酷ではないだろうか。デイビッドは青年に自らの上着をかけてやりながら顔をしかめる。
尊厳を奪われた人間とは憐れなものだ。そして人並み以上の矜持を持つパイロットの彼は、
死という逃げを選ぶことも許されないのだ。これが憐れでないのなら何だというのだ。
「それでは私は委員会に出てくるが、君は彼を頼むよ。丁重に扱ってやりなさい」
デイビッドは短く肯定の返事をし、シークレットサービスに囲まれて出てゆく男を見送った。
「やれやれ…」
本来なら補佐として出席せねばならないのだが、彼にはまだ仕事が残っていた。
一番の側近であるのだから物事に始末をつけねばならない。それがどれだけ厄介なことでも、
望んでこの仕事についた結果なのだから。顔をしかめ溜め息をつき、デイビッドはグラハムの肩を抱いた。



震える青年の体をベッドに横たえながら、デイビッドはまた溜め息をついた。馬鹿らしいが仕方がない、
これも仕事なのだ。彼は執務室から場所を隣の補佐官用の一室に移した。
狂った宴が催されたあの部屋は彼の手配によって清められた。
もう凄惨な凌辱が行われた場所だとは誰も気付きはしないだろう。後は仮眠用のベッドで震える青年だけだ。

「着替たまえエーカー上級大尉」
新しい軍服を渡してやってもグラハムはそれに見向きもしなかった。彼はただ目を閉じて震えるだけだ。
「エーカー上級大尉、聞いているのかね…」
面倒だった。一瞬でも同情的な心を持ったことをデイビッドは恥じた。軍人のくせにどこまで弱いのだろう。
それに彼は明らかに男とのセックスに慣れていた。部下と乱交するくらいの人間のくせに、何を悲しむというのか。
涙を流してよがっていたのは他でもないこの男だというのに。デイビッドは舌打ちをして軍服をベッドに置いた。
「はやくしたまえ、エーカー上級大尉」
だが相変わらず反応は示されない。何を気取っているのだ、訴えでもするつもりなのか。
苛立ちながらデイビッドはその細い肩に手を伸ばす。
もう一度、今度は自分の意思で殴ってやらねばならない、そう考えながら。
だが指がその肩に触れた瞬間、耳をつん裂くような悲鳴がグラハムの口から漏れた。
「あああああっ! 嫌だ、嫌だ、止めてくれ、私は…私は…!」
「…静かにしたまえ!」
「誰か…!カタギリ、あぁ、ハワード、ダリル、ジョシュア、誰か、誰か…!」
明らかにグラハムは錯乱していた。薬の効果は切れていたのだから、こうなることはデイビッドとて
予想出来たはずだ。だというのに彼は見誤ってしまった。喚き声は長く続きやむことがない。
(私が動揺していたと言うのか…?)
確かにあの状況は普通ではなかった。だが冷静さを失うほどではなかったはずだ。
デイビッドは舌打ちをし戸棚の引き出しをかきまわした。鎮静剤はまだあったはずだ。はやく黙らせなくてはならない。騒ぎになってはならないのだ。
「嫌だ、止めてくれ、止めてください…嫌だ…!」
スキャンダルは避けねばならなかった。今大統領が退陣しては馬鹿な野党議員に票をやるはめになってしまう。

非常事態である今は国民がまとまらねばならないのだ。国の権威は守らねばならない。パワーバランスが崩れれば、
いくらソレスタルビーイングがいても戦争は始まってしまうだろう。人は争いをやめられる生き物ではない、
そんなことは政治の世界に身を投じた時から知っている。多くの犠牲の上に成り立つ平和が
たった一人の男によって崩壊するなど許せるわけがないではないか。そんな喜劇は許せるわけがない。
デイビッドは手をもつれさせながら、注射針を乱暴にグラハムの首筋に打ち込んだ。
青年の口から漏れていた悲鳴はかすれ、やがて聞こえなくなった。唇はだらしなく開かれ、
緑の目はとろけて空をさ迷っている。デイビッドは息をついた。これで一段落ついた、医者を呼び終わりにしてしまおう…。
だがそのもくろみは崩れ去ってしまった。内線を押す前にグラハムの白い腕が彼に伸ばされたからだ。
「ミスターデイビッド…」
声はだらしなく間伸びしている。それは想像を絶するような色気だった。赤い舌が音を立てて唇を舐める。
名前を呼ばれた衝撃で、デイビッドは受話器を落としてしまった。名前を知られたことにではない、
自分が娼婦のような男に興奮していることに驚愕したのだ。
「何だね、エーカー上級大尉」
声は震えてはいないだろうか。
「じっとしていたまえ、今医者を呼ぶから」
この感情を悟られてはいないだろうか。
「今日のことは不幸な事故だ、忘れたまえ」
この動揺を知らせてはならない……。
デイビッドは深く息をつく。それでも考えはまとまってくれない。
「オーバーフラッグスの処遇については善処させてもらうことを約束しよう」
再び受話器を握ったデイビッドにグラハムの指が伸ばされる。白い肌のあちこちに走る赤い傷跡が痛ましい。
「ミスターデイビッド、よろしければ水を…」
「…分かった、少し待ちたまえ」

デイビッドはあろうことか受話器を置き水さしを手にとった。早く医者を呼ばねばならないというのに、
青年の声にあらがえなかった。水を注いだコップを手渡すとすぐに背を向けようとしたが、
それも阻まれてしまった。グラハムの手が腕をつかんではなさなかったからだ。
「やめたまえ、エーカー上級…」
「ミスター、助けてください、まだ足りないんです」
デイビッドはかぶせられたその言葉に耳を疑った。あの薬は鎮静剤の名目で流通するもので、
少し素直にはなるものの催淫作用はなかったはずだ。それとも規定容量を守らなかったからトリップでもしているのだろうか。
「お願いですミスターデイビッド、お願いです…」
デイビッドは必死になり腕を振り離した。するとグラハムは寂しそうに彼を見つめ、自らのペニスに指を伸ばした。
「助けて下さい、気が狂いそうだ…」
デイビッドは息が切れるのを自覚せねばならなかった。そして彼に性的な興奮を覚えていることも認めねばならなかった。
今内線を押せば全ては終わるだろう。政治の世界に戻りくだらない審議に頭を悩ます日々が続くだろう。
だが目を反らせないのだ。デイビッドは青年から目を離せない。そしてその白い体を抱きたいとさえ思う。
『デイビッド、彼の面倒をみてやってくれないか。中々強情な青年だが君なら大丈夫だろう』
『それでは私は委員会に出てくるが、君は彼を頼むよ。丁重に扱ってやりなさい』
大統領の声が頭に響く。もしや自分が部屋を空けている隙に何か使ったのではないか?
あの声はまだ悪戯を楽しむ色をしていなかったか? 部下を使った遊びを、彼は楽しんでいなかったか?
デイビッドは唾液を飲み込み、自慰を始めたグラハムを見つめた。
酷いめまいがした。頭が割れそうな興奮が体を包む。薄く開いたグラハムの唇からはあえぎが漏れ出している。

「あっ、あ、助けてください、ミスター…」
いっそ耳を塞いでしまいたかった。しかしそれでも大統領の言葉は繰り返し頭に響く。
『デイビッド、彼の面倒をみてやってくれないか。中々強情な青年だが君なら大丈夫だろう』
そうだ、面倒を見てやらねばならない。熱をやりすごす手助けをしてやらねばならない。
彼を医者に見せては酷だろう。プライドの高い男だ、空を飛べなくなるかもしれない。それは国家の損害だ、避けなければならない。
「エーカー上級大尉…」
腕を伸ばし細い肩を抱く。彼も混乱しているのだ。だとしたら落ち着かせてやらねばならない。
何せ酷い一日だった、名誉と汚辱を一度に受けねばならなかったのだから。
「足を開きたまえ…」
とろけた緑の目がデイビッドに向けられる。唇には歓喜の色が浮かんでいる。髪にこびりついた精液すら
その容貌の美しさの邪魔にはならない。幼い顔立ちは妖婦のように男を誘った。
伸ばされた白い腕を掴みベッドに乗り上げ唇をあわせる。苦味が口に伝わる。
これは大統領の精液の味なのだろうか。
(だったら何だというのだ…)
抱いているのは自分であの偉大な政治家ではない。彼は今いけすかない議員と予算について論議している最中なのだ。
「ミスターデイビッド…」
甘やかな声が名前を呼ぶ。デイビッドはそれに短く息を飲み、きつくしめたネクタイに指をかけた。

| その他名ありキャラ::1:プレジデント、デイビッド | 2008,01,30, Wednesday 09:03 PM

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