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オーバーフラッグスの部下達(part3 801,802 part4 103,176)

輪姦、媚薬、催淫剤

ぬるりとした滑りが性器の上を走った。
咄嗟のことに、上げようとした呻きは喉に引っ掛かって吐き出せず、体が上擦るように揺らいだだけだった。
湯を浴びて火照っていたはずの体は、指先から血の気が薄れて、独特の冷えを訴えている。
何を、と問うつもりで開いた唇は、音を発する前に、生温い感触で塞がれた。
焦燥感だけが背中を走り抜けて対応しきれていないグラハムの口啌に分け入った舌が、隅々を犯している。
この男が今自分にしていることが信じられず、濡れた音だけが耳に酷く痛む。
「……きみ、は…っ」
深い口付けから解放されて漸く、漸く、震える声を絞り出した。
彼は、自分の部下だ。
ここは備え付けのシャワールームで、隊の全体訓練を終えて、隊員たちが和気藹々と談笑しながら…そう、つい先ほどまで笑って会話しながら、皆それぞれに、己の汗と疲労を洗い流していたはずだった。
異変が起きたのは、申し訳程度なしつらえの個室の扉を押したときで、今まさに出口へ向かおうとしていたグラハムは、その瞬間に、また個室に押し込まれたのだ。
分析を進めるほどに体は冷えたが、頭は怒りで熱くなってゆく。
利き手は最初から掴まれていて、残る右手は相手を殴ろうにも距離が近すぎる。
グラハムの問いに答えることなく、彼はうっすらと微笑むだけだった。
その笑みはどこか下卑ていてカンに障る。
「心配しないで下さい、大尉」
グラハムが知るこの部下は、もっと穏やかで、おおよそMSのパイロットには向かない男だった。
こんな暗い瞳をしてはいなかった。
「ここにいる誰も、あなたが今からされることを、言い触らしたりしませんから。……誰も」
口調だけはものやさしいまま彼は耳もとに声を寄せ、形よい耳朶を唇がはむ。
甘い痺れが走る。
そこに至ってグラハムはようやく、体が再び熱が戻っていることに気付いた。
目元が朱に染まったことを自覚し、部下と自分の体の間に、先ほど触れられたペニスが勃ち上がり始めていることを、いやがおうにも知った。
(今の言葉は、どういう…)
そう思い、俯いていた顔を恐る恐る上げる。
「……!」
視界のに飛び込んで来たのは、同じようにシャワーを浴びていた部下の、やはり下卑た笑み。
グラハムが驚愕に再び錯乱している合間に、彼を覆う男の掌は、濡れた体の背筋を走り、悪寒と熱を一緒くたにしたような不気味な快感でグラハムを揺さぶる。
反射的に漏れそうになる声を堪えた。
涙に滲む世界のなかで、シャワーの音が次々に止み、湿った足音が、途絶えたシャワーの音と同じだけ、近づいてくる。
背中を撫で回していた指先は双丘を割り開き、閉じられた箇所をゆると撫でた。
触れられたところから熱が上がるのがわかる。
「薬との相性がよろしいようで」

見知った顔が、知らない表情をしている。
さも愉快そうで、そして、グラハム一人だけが恐怖と怒りに満ちている。

何故、何故、いやだ、カタギリ、ハワード、ダリル、誰か、

個室の前に何人いるのかなんて考えたくもない、
体に熱が通っていくのなんて自覚したくない、
拒絶をアウトプットし続ける脳と裏腹に、息は上がっており、のしかかってくる体を押し返すような力も沸き上がってこなくなっていた。
せめて声は上げるまいときつく噛んだ唇も、胸の突起を引っ掛かれてあっさりと陥落してしまった。
「あっ、う…!」
擦れた声が湯気の充満するシャワールームに響いて、いたたまれずに瞼を閉じた。
いつしか指は後啌に侵入を果たしている。
容易に一本目は飲み込まれ、緩い動きで解きほぐすと、二本目の指が押し当てらた。
ひくりとわなないたのを男は見逃さず、相変わらずねぶっていた耳元に舌先を差し入れながら、
「これは本当に相性が良いらしいですなぁ?……いや、もしかすると大尉は此処を使ってセックスした経験があるのですかね?」
と嘲笑ってみせた。
「っひ…っ」
グラハムは必死で首を振ったが、頬の赤みが増したのを見た男達は、やはりなどと言いつつどよめきたち、グラハムの肢体を独占する男の肩に手をかけると、その体をを引きはがした。
よろめいた男は抗議の声を上げながらもだからどうということはなく、ひと呼吸置けばまた濡れた瞳をグラハムに向けた。
「淫乱な大尉殿は一人相手じゃあ足りないかもしれんなぁ」
くつくつと笑う気配も意識の隅に、力無く崩れ落ちるグラハムの体を、男達は我先にと引きずり出す。
冷たい水が跳ねるが、膝立ちが精一杯で、立ち上がれない。
性器を勃ちあがらせ、先走りを零しながら浅い呼吸を繰り返すグラハムを、何人もが取り囲んだ。
眦で堪えていた涙が落ちる。
抵抗するほどの力もないのに脇の下から羽交い締めにされたと思えば、手はそのまま胸の色づきを目指し、どこからか伸びた手が、俯いた顎を掴んで無理矢理白い喉を曝した。
指で唇を開き、その隙をついて、すでにいきり立ったペニスを口に押し込まれる。
後ろに指を突き立てる者、グラハムの性器を扱く者、グラハムの指先に自身のものを愛撫させる者、それぞれが思い思いに己の快楽を貪っており、出入り口で見張りをしている者だけが張り詰めた苛立ちと欲情にまみれた瞳を差し向けていた。

「ん、っぐ」
鼻に掛かった声が漏れる。
音が無理矢理口に含ませた性器を、腰を振ることで喉の奥に擦り付けると、上気したグラハムの目元が苦しげに歪められた。
柔らかな金糸を無造作に掴んだ無骨な手は、逃げることを許してはくれない。
時折えづくも口の中を満たす怒張を吐き出すことができず、呼吸もままならない。
屈辱と呼吸困難で、涙が幾筋も落ちた。
後ろに突き立てられた指は荒々しい動きで閉じた肉壁を掻き回す。「っふぁ、あ、う…あ」
ぬちゃぬちゃと響く水音、無数の手が這い回る皮膚、咥内を蹂躙する熱が独特のしょっぱさを含む、間近に男の下生えの濃い体臭が迫り、視界は滲んで、五感のすべてが犯されてゆく。
無作為に中を探っていたよう思えた指の質量が増えた。
「っ、ア」
「…三本目、ですよ大尉」
高く裏返った喘ぎに、にたりと口元が歪んだ。
じっとりと指の付け根までをおさめ切った声は落ち着いた渋味のあるものだったが、表情は欲にまみれて、息は荒い。
空いた手では自分のものを扱いているらしく、濡れた音と弾む息が一定のリズムを刻んでいた。
「お相手は誰なんですか?あなたのことだ、男に迫られたことが一度や二度などとは思えませんな」
三本の指はバラバラに折り曲げられ、きつい締め付けをほどきはじめる。
熱く疼くそこへの刺激は背筋を通り、性器へとほとばしり、同時に喉をついて、息苦しさを訴えた。
くぐもった喘ぎを詰まらせるグラハムをよそに、男達はあれやこれやと論議をし始めた。
ぐずぐずに溶けた理性はもはやそれを別世界のことのように識別しては、投げ捨ててゆく。
「叩き上げのいちパイロットが27歳で上級大尉だ、大方上官の誰かじゃないのか?」
「あぁ、中将なんかはいかにも好色そうじゃないか」
「ハワードとダリルはどうだ、あいつらは大尉殿を異様に慕っているじゃないか」
「それを言えば技術顧問だって」
ただ一方的にグラハムを辱めながら、井戸端会議をするかのような口調で会話をしていた男達は、最後には、まぁそんなことはどうでもいい、今上級大尉は俺達の玩具でしかないんだから、と会話に終止符を打った。

| 名無しの男(達)::4:オーバーフラッグスの部下達 | 2008,02,17, Sunday 09:34 AM

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