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トリニティ1(part3 826-828,894-899)

性的に介入する

これは悪い夢だ、と、憔悴しきったグラハムはそれしか考えられなかった。
単独出撃をし、黒いガンダムにかかっていった。
しかしあと一歩の所でガンダムの援軍が現れ、あっという間に形勢が逆転し
三機相手に成す術もなく、カスタムフラッグは両腕を?がれた。
己の無力さに、カタギリの制止を振り切り出撃した愚かさに絶望していた。
(ハワード…ジョシュア、すまない…私は——)
挙句の果てにソレスタルビーイングの捕虜になるなど……!
両腕を後ろ手に拘束されたまま、グラハムは目の前に立つ三人組を睨み上げた。

「グラハム・エーカー…なるほど、貴方がユニオンのエースと名高い…」
黒髪の青年が納得したような表情で一人頷く。
「兄貴、こいつどうすんだよ?捕まえろって言われたから殺さなかったけど」
「そうだよヨハン兄ぃ、顔見られちゃったよ?」
青い髪の青年と、赤い髪の少女。
この三人が、新型ガンダムのパイロット…いくらなんでも若すぎる。
まだ子供ではないか。
「…まさかガンダムのパイロットがこれ程若いとは」
あまりの驚きに、思ったことが声となり漏れてしまう。
その言葉に気を悪くしたように、青い髪の青年が声を荒げた。
「あぁ?アンタ今の自分の立場わかってんのか?」
「やめろ、ミハエル」
「だってよ、兄貴!」
「…エーカー上級大尉。私は貴方に2つの事を要求する」
兄、と2人から呼ばれているのだから、彼がリーダーなのだろう。
血が繋がっているのかはわからないが、どうやらこの3人は兄弟らしい。
彼が話をし出すと、後の2人は黙り込んでこちらを見ている。
まだだ、こんな場所で終わるわけにはいかない。ここで殺される事は私の本意でない。
単独出撃の上、鹵獲対象に鹵獲されるなど笑い話にもならない!
見たところ、この3人は銃を持っていないようだ。
隙をついて逃げることが出来れば……と、時間稼ぎに話に耳を貸した。

「まず、貴方が持っているユニオンの機密情報を全て話して貰おう」
「何だと…!?」
「2つ目は、貴方にソレスタルビーイングの一員として活動して頂く。それだけだ」
……何を言っているのか、まるでわからない。
あまりの無茶な要求だが、青年の瞳は真剣だった。
「……私に祖国を裏切れというのか!」
「平たく言えばそうなります。しかし、貴方にとっても悪い条件ではないと思う…
 貴方の命は勿論、ユニオンへの攻撃と引き換えだと言えば、どうです?」

その言葉に思わず息を呑んだ。
彼は本気で取引をするつもりなのだ。
こんな直接的すぎる取引…あまりに稚拙すぎる。
彼には悪意がまるで無い。否、彼らには、だ。
この馬鹿げた話を横で聞いているのに、2人の顔には少しの不満と戸惑いしか浮かんでいない。
「いいのかよ、兄貴…」
「そうだよ!こんな勝手したらラグナに怒られちゃうよ」
「だが、彼が味方についてくれれば私達は世界に対して更に有利になる。」
黒髪の青年は、私から瞳を逸らすことなく続けた。
「ユニオンの動きを事前に知ることが出来るなら、戦争根絶への近道になる…そうは思わないか」

確かに、ソレスタルビーイングとしては、以前のような窮地を迎えることも無くなるだろう。
そして私が彼らと情報交換をすれば、ユニオンの無駄な損害は……
——仲間や部下が命を落とすことも……
教授や、散って行った部下達の顔が思い浮かぶ。

「…どうです?エーカー上級大尉」
だが。
「……悪いが、その話に乗ることは出来ない」
目の前に立つ青年が、怪訝な表情に変わった。
「…何故です?これ以上人が死ぬのを見たくないのは、貴方も同じでしょう
 私達もそうです。戦争根絶の為とは言え、無闇に命を奪いたくはない」
その言葉に頭に血が昇るのを感じたが、堪えていつものように不敵に笑って見せた。
「だが、散って行った部下達のためにも、私は私の意地を貫かねばならんよ」

誰が、仲間の命を奪った者の傘下に入るものか。
強い眼差しにありったけの反逆の意を込め、睨み返した。

「…残念です」
溜息をついた瞬間、今だ、とばかりに地についていた膝に力を入れた。
逃げ出すならば、今しかない。
しかしその意志が、次に続けられた言葉で掬われた。
「なるべく強引な手段は用いたくなかったのですが…」
「何…?」
「従わないというなら、従う気にさせるまでです」
今まで聊か穏やかだった瞳が、鋭く細められる。
「信念が強いなら、その信念を折るだけのこと…。
 死ぬより辛い屈辱を味あわせて差し上げましょう」

近付いてきた青年の腕がグラハムの胸倉を掴む。
銃は確かに持っていなかった…が、彼の腕には折りたたみのナイフが握られていた。
「な…!!」
声を荒げたが、両腕を封じられている為、身動きすら取ることができない。
そのままグラハムの纏っていたパイロットスーツは、一気に切り裂かれた。

「何を…!」
動揺のあまり、声が上擦る。
驚愕の目を向けると、青年は鋭い目はそのままに、口元に微笑を浮かべた。
「綺麗な白い肌ですね。顔立ちも、私より年上の方とは思えない程だ」
裂かれた部分から、まるで剥かれるようにスーツを半端に脱がされる。
ナイフは、更に下部へ向かって力が込められた。
真っ白になった頭がようやく現状を理解し、なんとか抵抗しようと身をよじらせた。
「や、やめろ!」
「動くとナイフが刺さりますよ」
「……ッ!!」

冗談じゃない。これ以上の辱めを受けるというなら、死んだほうがまだ——
そう思った瞬間、本能的に体が前へ倒れこんだ。
驚いた青年がナイフを引き、私の体を受け止めた。
「……どうやら本当に誇り高い方のようだ。自ら死を選ぼうとするなど…」
もう少しで腹に刺さっていましたよ、と、おどけたように言う青年。
「ヨハン兄ぃ、私も手伝うよ!」
無邪気な声を上げて少女が近付いてくる。
そのまま私の後ろに回り、更に身動きを封じるように抱きついてきた。
「……!!」
体温が下がっていく。声がやけに響いて聞こえる気がした。
「ミハエル、あれを持ってきてくれ」
「ちぇ、わかったよ」
二人がかりで服を脱がされる。
こんな、こんなことが。馬鹿な……!
戦場でどんな窮地にあっても、両親や友人の顔など思い出しはしなかった。
だが今は、頭の中にカタギリの最後の声が反響するように廻っていた。
——単独出撃なんて無茶だ!
あの言葉を素直に聞いていれば、こんな事には……。
そう考えると、悔しくてたまらなかった。こんな事態を招いてしまった自分自身に対して。

とうとう下着ごとスーツを切り裂かれ、屈辱に顔が熱くなっていく。
露わになった体をしげしげと覗き込みながら、少女が感嘆した。
「うわぁ、どこも色素薄い…ココも綺麗だね」
「くっ…離……!ん!」

視線を感じて身じろぐ。こんな少女に、秘部を見られるなんて。
離せと言葉を放とうと開いた口が、黒髪の青年の唇に塞がれた。

舌を差し込まれ、吸われ、嬲るように口内を貪られる。
グラハムは、これまで生きてきた中で誰かと性的な関係を持つことがなかった。
女性達は端麗すぎるグラハムの容姿に引けを感じるのか、遠巻きに黄色い声を上げるだけだったし、
グラハム自身も女性と付き合う事にあまり興味を示さなかった。
カタギリが紹介してきた女性達とも、軍事や政治にばかり意識が向くグラハムである。
結局話が合わないまま友人関係で終わってしまうばかりだった。
だから、こんなに深いキスなどしたことも、されたこともない。
それがまさか、ガンダムのパイロットに…教授や仲間の命を奪った者に。
舌を噛んでやることも出来ずに、呆然とされるがままになっていた。
どちらのものとも言えない唾液がグラハムの口内に溜まっていく。

一瞬唇が離れ、今度は強引に向きを変えてまた重ねられた。
今度は舌で何かを喉奥に捻じ込まれる。
突然のことで、促されるまま唾液と共にその何かを溜飲した。
「…な、…っ!!」
「アンタが気持ちよくなれる薬だよ」
勝ち誇ったような、得意げな笑いを浮かべて青い髪の青年が言った。
何を言う間も与えられないまま、その青年が黒髪の青年に何かを渡す。
「兄貴、これでいいんだよな?」
「ああ。」
「さて、どこまで耐えられるかなァ、エースパイロットさんは」
呆然と一連のやり取りを見守っていた。
こうなっては、ここから逃げ出すことなど……。そして誰も、自分を助ける者などいない。
絶望から、更に深い場所へ落とされた気がした。
それでもと、瞳に強い力を込める。こんな子供達に、屈服するものか。

「う……」
小瓶から何かの液体を、首元から万遍なく垂らされる。
黒髪の青年が持って来いと命じたものは、どうやらこの液体らしい。
粘り気はないが、ぬるりとした何とも言えない感触が気持ち悪かった。
液体が体を、胸から腹、その下部まで伝っていく。
「な、何をする気だ…これは…」
「アンタ、まさかローション知らねぇの?」
少女の指が胸の突起に、黒髪の青年の指が陰茎に絡められ、誰のともわからぬ指が後孔を撫でた。
「何を……!」
「エーカー上級大尉、性経験はあるか?」
黒髪の青年が表情を変えずに問いかけてくる。
「そ、そんな不躾な質問に答えるもの…か、……ッッ!!!」
軽く爪を立てたままきつくペニスを握られ、グラハムは激痛に声無き悲鳴を上げた。
「性経験は?」
「………な、い……」
「女とも男ともか」
男と?と、疑問に思ったが、その間で全てを悟ったらしい青髪の青年と背後の少女が顔を見合わせた。
「童貞で処女?お兄さんすげーな」
「えぇ〜?27でしょ?こんなに綺麗な顔してるのに」
ぐりぐりと乳首を弄りながら、少女は「ここもこんなに綺麗だよぅ」と耳元で喋りかけてきた。
「ん……」
ぶるりと身震いし、艶がかった声が漏れた瞬間、再びパニックに陥った。
今のは?自分の声なのか?そう驚愕しながらも、体が言うことをきかない。
見開いたつもりの瞳は甘く細められ、唇からはもう吐息と喘ぎしか出なかった。
「……?薬の効きが早いな」
「3粒くらい飲ませたからなあ、手っ取り早く済ませようと思ってさ」
「3粒も…ミハエル、大尉が元に戻らなかったら意味が無い」
「その時はネーナのペットにしちゃおっかなぁ、この人ほんとに綺麗なんだもん」
あれ程頭に響いていた声が、どんどん遠ざかるようだった。

後孔はぬるりと指を受け入れ、体内に侵食される感覚を初めて味わい仰け反った。
中に、挿れられた。指を。あんな汚い場所から。
先の見えない行為に動揺しながらも、それ以上に感じる自分自身への違和感。
乳首を弄られ、ペニスを扱かれ、尻に指を挿れられ、身を捩じらせながらグラハムは喘いだ。
耳朶を少女に甘噛みされる。ぶる、と震えると、今度は首筋から頬にかけて青い髪の青年が舌で辿った。
「ん…あぁ、ああ……」
後ろからぐちゃぐちゃと内部を掻き回す指が二本に増やされていた事にも気付かず、刺激を与えられるままに声をあげる。
そして探るように動いていた指は、グラハムの中のある一点を突き止めた。
「う、あ——!!」
「はは、分かりやす…ここかぁ」
「や……め、ぇ……ッ!!」
自分でも訳が分からなかった。ただ、その部分に触れられるだけで気が狂いそうになった。
足をばたつかせるが、三人がかりではすぐにそんな些細な抵抗すら封じられる。
「あ、ああ……駄目だ、そこ…は…、…え…!!」
ぐりぐりとその部分を捏ね回されると、グラハムは呆気無く達した。
達した、と言うよりも、無意識のまま吐精したのだ。
頭を呆けさせたまま、自分の腹と、黒髪の青年の掌に散らばした精液を見つめる。
グラハムのそれは達したばかりだというのに、ぴくぴくと震え、既に再び熱を持ち始めていた。
「ヨハン兄ぃ、これじゃ気持ちよくさせてるだけじゃない?」
「そのようだな…」
呆れたように溜息をついた黒髪の青年は、まだグラハムのペニスを離さない。
それどころか、先程の精液を塗りたくるように淫猥に指を絡ませていた。

「じゃあ、こうしちゃえばいいよ」
少女が髪を結わえていたゴムで、グラハム自身の根元をきつく縛り上げた。
「う……ッ!!」
「エーカー上級大尉…私達は何も貴方に単に祖国を裏切れと言っているわけではない」
「な……に…」
「祖国を裏切ることで、戦争根絶に協力して頂きたいと言っているんですよ」
「………!!」
青年が立ち上がる。それに倣うように後の2人も私から離れた。
見下ろすような格好で、青年は続ける。
「私達は本当にこの世界から戦争を根絶させたいと思っている…貴方だって」
「ふざ…けるな…!」
唇がわなわなと震えた。民間人を虐殺しておいて、教授や私の部下の命を奪っておいて、平和を説くなど……!
「何が、戦争根絶だ…!貴様達のやっていることが、虐殺以外の何だと言うのだ…!」
「……どうやら、やはり力づくで理解して頂く他にないようだ」
「構わんさ…どれだけの屈辱を味あわされようと、私はお前達に屈するものか…」
言いながら、涙が滲んだ。カタギリ、ダリル…私は、どうやらここまでのようだ。
一矢報いる事も出来ずに、ここで彼らに殺されるだろう。
それでも、こんな者たちに屈するわけにはいかない。
「……残念です、大尉」

髪を掴まれ力づくで地に伏せられた。
地に這い、尻を突き上げるような体勢になった途端、また何かを後ろから突っ込まれた。
先程の指の比ではない。棒のようなものだ。
捻じ込まれるように乱暴に挿入され、つい先刻まで敵と凛と対峙していたエースパイロットはたまらず悲鳴をあげた。
「うあああああッ!!!」
「おや、裂けるかと思ったが…大丈夫だったようですね。通常のものより太めのバイブなんですが」
「……っな、なに……ぃ、いあ…ぐ…!!」
腸壁を捻るように奥まで突き立てられ、異物感に吐き気がした。
「貴方が我々に従うまで、やめませんよ」
「あ、ぁあ……あっ!ああっ!!」
スイッチを入れられてすぐ、凄まじい快感がグラハムを襲う。
声を抑える事など不可能だった。目を見開き、頭を振る。
撫で上げられるだけで、なぞられるだけで気が狂いそうだったその箇所へと、バイブは容赦なく振動を与えた。
「…従う気になったなら、すぐにでも止めてあげますが」
「ひ……ッ、だ、れが……!!この、人殺し……う…!」
「……そうですか」

再び両腕を後ろで拘束され、今度は目を布で覆われた。
青年の声がする。
「暫くそうしているといい。貴方の気が変わった頃にまた来ますよ」
複数の足音に続いて、扉の閉まる音がした。
視界を奪われたが、あられもない自分へ向けられる視線が無くなっただけ、グラハムは安堵していた。
しかし、両腕の自由も、視界も奪われた。……射精すらできない。
「ん、あぁ……ッ、カタギリ……あ、ああ…ダリル…」
誰にも届かぬ悲鳴を上げながら、猥らに喘ぎ続けた。
本能的に、陰茎を床に擦り付けずにいられない。しかし擦っても快楽が増すばかりで、射精できない苦しみがグラハムを襲う。
はしたない声をあげることで気を紛らわせようとするが、所詮は気休めにしか過ぎなかった。
「はぁ、あぁう……んん…」
振動と共にぐねぐねと動くバイブが、無慈悲なまでに前立腺を刺激し続けている。
涙と涎を垂れ流しながら、地に墜ちたエースパイロットはぎこちなく腰を振り続けた。

「いいの、ヨハン兄ぃ。あの人頭がいかれちゃうかもよ?」
やや不満げに後をついてくる妹は、まだ幼い。
彼の芯の強さは相当なものだ。ああまで強く輝く瞳を持つ者が、そう簡単に自我を手放すとは思えなかった。
「その心配はないさ…それに、ラグナへの報告がまだだ。あまり待たせると怪しまれる」
「あ、そっか。」
それでも、妹の顔はどこか不満を浮かべていた。
弟もさっきから黙り込み、忌々しそうに立ち去った部屋の方を気にしている。
どうやら、さっきの言葉が相当頭に来ているらしい。
「……そうだな、私はラグナに先程の戦闘について報告するから、二人は先に休んでいるといい」
「え、いいの?」
「ああ」
——この、人殺し……
先程の言葉が、耳に焼きつくように離れなかった。
つまり、私もあの言葉を聞き流せるほど大人では無いということなのか。
「あまり苛めてやるなよ」
嬉々として来た道を戻ろうとしていた二人に聞こえるように声をかけた。
「頭がいかれられても困るからな」

| マイスターズ::5:トリニティ | 2008,02,17, Sunday 09:38 PM

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