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ジョシュア10(part3 558,559)

ジョピュア

酒が弱いなどと聞いていない。上官はジョシュアに支えられるままになっていた。
瞳は虚ろ、口元は弛緩し、足取りも覚束無い。歩くたびに、柔らかな金糸が頬をくすぐる。
寄りかかる体重は身長から推測される成人男性のそれより随分と軽いようだ。
たまらない気分だった。何故自分がこんな役を引き受けなければならないのか。
発端はバレンタインデイである。
男だらけの精鋭部隊において、バレンタインなどという行事は無関係に思っていたのが間違いであった。
グラハム・エーカー上級大尉、わが軍のエースである彼は男が惚れる男としての魅力を十分に兼ね備えていたのだろう。
部下からのみならず上官からも贈り物は毎年抱えきれないほど届くらしい。
今年は洋酒の入ったチョコレートが盛況で、食べきれないからと部下たちに披露している姿が見えた。
しかしその後、休憩室で寝こけている上官をジョシュアは発見することとなった。
まったく、酒が弱いなどと聞いていない。
貰った物は捨てるわけにはいけないと、随分と食べていたようだが……。
菓子に含まれる微量のそれでここまでなるとは誰も思わなかっただろう。
しかし何故、そのような幼い顔で眠っているのか。
何故、自分は彼を放っておけなかったのか。

続き▽

| ジョシュア::10:ジョピュア1 | 2008,02,14, Thursday 10:44 PM

ジョシュア11(part3 596-598)

ジョピュア

「貴方は一度俺に抱かれているんですよ」
嘘で安心させるように耳元で囁いた。
「そんな……のは、知らない……」
腕が抗おうと宙をかく。
しかし、泥酔した力ではとても男一人を払いのけることはできないようだ。
ジュースみたいなものです。親睦を深めるためですよと丸め込み、酔わせた。
「ほら、ここのところ。痕があるでしょう?」
鬱血した首筋をなどると幼い顔をしかめる。
ジョシュアの残した痕は、くっきりと白い肌に映えていた。
「あまり……鏡は見ない……」
覚えていないのだ。あの夜のことを。
そう分かると急に湧き上がってきた怒りに、衣服を脱がす手が震えた。
乱暴な愛撫で体に痕をつける。
胸の突起をいやらしく弄くると甘い声が漏れた。快楽に弱い体だ。
用意しておいた潤滑剤を手に絡ませ差し入れる。上官は苦しそうに呻いた。
ぼうっとしていた顔が恐怖で引きつっている。
「痛いですか?この間は随分と良さそうだった。俺が動くたびに、甘い声を上げて仰け反って」
「今日だって欲しそうな顔をしていたからこうしているんです」
グチュグチュと指を増やし、中を広げる。
「2回目だからもうそんなに丁寧に慣らさなくてもいいでしょう?」
十分にほぐしきれていないそこに性器をあてると大きく肩が震えた。

続き▽

| ジョシュア::11:ジョピュア2 | 2008,02,15, Friday 04:26 PM

ジョピュア(ダリル)3(part4 41-44)

ジョピュア

「いつまでそんな顔しているんですか、グラハム・エーカー上級大尉殿」
背後から呼びかける声に、グラハムは驚いて振り返った。
視界には延々と続く仲間達の眠る墓、どんよりと暗い曇り空。
吹く風は生温く、未だ微かな煙の臭いを含んでいた。
これは、現実だ。まぎれもない現実。
遠くには崩壊したMSWAD基地が、まるでそれ自体が墓標の用に立っている。
足下には遺体のない棺が眠り、彼の同僚はもう戻らない。
そう、永遠に戻らなかったはずなのだ。
だが。
「そんな…君は」
「随分と無防備な顔ですね。空母で見せた傲慢な態度ははったりですか?」
声が震える。屈辱的な言葉を投げられているのに、怒りにではない。
もう会えないはずだった存在に再び触れる事ができる、歓喜にだ。

「君は…君は戦死したはずだ、ジョシュア」

続き▽

| ジョシュア::12:ジョピュア(ダリル)3 | 2008,02,19, Tuesday 02:39 AM

ジョシュア、軍人達(part4 65-69)

鬼畜、輪姦、木馬

布で目を覆われたグラハムには、
自分の置かれた状況がまったく分からなかった。

耳を澄ませ、辺りを伺う。複数の者の気配、
時折聞こえるヒソヒソ声と忍び笑い。
こめかみが熱を持ってずきずきと痛む。手足は自由だったが、
薬品でも打たれたのか、弛緩したように身体に力が入らなかった。

意識を失う前、グラハムは格納庫に居た筈だった。
そうだ、ジョシュアだ。彼が何やら私に相談があるとかで、
深夜フラッグの所に呼び出されたのだ。
人気の無い格納庫で背後から声をかけられて………
そこで記憶が途切れている。

「おい、気がついたみたいだぜ」
「気分はどうですか?グラハム・エーカー上級大尉殿?」

ジョシュアの声だ。もう一人は聞いた事のない声。
ふいに辺りがざわめく。いったい何人いるのか…
「何のつもりだ!君は私に相談があるんじゃなかったのか。
 返答によっては軍法会議ものだぞ!」

立場で部下を脅すのは、グラハムの嫌悪するところであったが、
この状況ではそうも言ってられない。
力の入らない四肢で必死に立ち上がろうともがくと、
両脇に居た男がグラハムの両腕を抱えて無理矢理立ち上がらせた。
だが、脚ががくがくと揺れ、全体重を預ける事になるこの格好は
余計にみじめさを際立たせるだけだ。
グラハムは小さく舌打ちした。

「あんたに相談したいって奴がたくさん居るんですよ。
『エーカー上級大尉の事を考えるとオナるの止められなくて夜も眠れません
 どうしたらいいですか?』って聞きたいそうです。」

室内に満たされる下品な笑い声。
どうやらここは基地の中の使われていない小さな小部屋らしい。
音が反響して、よく響く。

「さあ答えて下さい。どうしたらいいと思いますか、上級大尉殿?」
「し、知らん!私には関係ない…っ」
「ひでー、頼れる上司と思って相談したのに」
「関係ないはねーだろ、エーカー上級大尉のせいなんだから」

周りの男達が勝手な野次を飛ばす。
両脇を支えていた無骨な手が、胸の飾りを服の上からこねくりまわした。

続き▽

| ジョシュア::13:ジョシュア、軍人達 | 2008,02,19, Tuesday 07:52 PM

吸血鬼(part5 356,490/part6 878)
その日の月はなぜかいつもより蒼白く輝きが増していた。
なぜかグラハムは胸騒ぎで寝付かれず窓辺でそれを眺めていた。
ふと、誰か懐かしい匂いがした気がして後ろを振り返ると黒いシルエットがいつのまにか
気配も無く部屋の隅に立っている。

「誰だ」
「俺ですよ…上級大尉殿」
「な…ジョシュア?まさか…だっておまえは…」
「あなたを残して死にきれずに帰ってきました」
「嘘だ…」

指摘する声が震える。恐怖のためではない。

「…俺のために泣いてくれたんですか?」

月明かりに白く映る頬にきれいな涙が流れた。
信じられないと大きく見開かれた緑の瞳にはジョシュアの姿は映らない。
ジョシュアはそれを残念に思いつつグラハムの額に口付けを落とす。

「おまえが…勝手して、先に逝くから…!」
「すみませんでした。でもあなたが悪いんですよ」
「なんで…」
「あなたを越えてから抱きたかったから…」

わななく唇にそのまま噛み付くようにキスした。最初は微かに抵抗を試みていたが、
グラハムの手もおずおずとジョシュアの背に回される。

「上級大尉だってそれを望んでいたのでしょう?」
「あ…っ!」

グラハムの手をそっと引くとそのままベッドに押したおす。
上目遣いで見上げる瞳を捕らえるとジョシュアは耳元で言い聞かすように囁いた。

「もう逃がしませんよ。あなたを俺の虜にして…連れ去ります」
「ジョシュア…」

その目は赤く輝き、彼の白い八重歯が光った気がする。
抵抗する気は始めからなかったが、グラハムは力が抜ける感覚に怯えた。

続き▽

| ジョシュア::14:吸血鬼 | 2008,02,29, Friday 03:43 AM

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