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日記と言うより妄想記録。時々SS書き散らします(更新記録には載りません)

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日記と言うより妄想記録。時々SS書き散らします(更新記録には載りません)

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カテゴリー「FF」の検索結果は以下のとおりです。

[ライスコ]ただいま情報更新中

  • 2018/02/13 00:30
  • カテゴリー:FF
ライトニング×スコールです。
NTでグループEのネタバレ有り。




召喚獣の力を得る為に進むに当たり、その気配を辿る事が出来るティナの存在は稀有且つ有用であった。
スコールもそれらしき気配を感じ取る事は出来るが、彼女のように詳細までは判らない。
スコールが感じ取れるのは、精々方角程度で、距離感までは感じ取れなかった。
だからスコールは、もう一つ召喚獣の気配を感じる、とティナが言った時、彼女に距離を確かめさせたのだ。
これはやはり、その人物が召喚獣とどれだけ近い力や魔力を持ち得ているか、と言う違いから現れる差なのだろう。

召喚獣の気配を複数キャッチする事が出来たと言うのは、情報として決して小さくはない。
求めるものが情報であるにせよ、力であるにせよ、その接触は急がれている。
求める召喚獣が一体ならば、それに向かって走れば良いが、数が多いのなら分担した方が効率は良い筈だ。
戦力の分散と言う問題点については、今の所は目を瞑る。
今現在、優先するべきは、状況の把握と情報の入手、それを迅速に行う事であった。

だからスコールは、一人で向かおうとしたのだ。
距離が近い位置にいると言う召喚獣の事はティナを含めた他のメンバーに任せ、自分は遠い位置にいると思しき召喚獣の下へ。
半分は斥候の目的もあり、個別に行動する事で、旅路で起こるトラブルや、敵の襲撃に遭った時のリスクも緩和する事が出来る。
幸い自分は、薄ぼんやりとではあるが目的の気配を追う事が出来ていたから、それに沿って向かえば目当てのものには辿り着けるし、それが終わってからティナ達の下へ合流する事は十分可能だ。
だから、目的を果たしたら直ぐに戻る事を───一方的に───約束して、別行動を取る事を選んだのだ。

だが、それはあくまで自分一人の中の話。


(……こっちに来るとは思ってなかった)


同行者となった女性の背を見て、スコールはこっそりと息を吐く。
堪え切れなかった溜息が混ざった気がしたが、前を歩く人物が振り返らなかったのは幸いだった。

その名に雷光を抱き、文字通り稲妻の如き剣閃を持って戦う戦士────ライトニング。
スコールが彼女と顔を合わせたのは、これが初めての事ではないが、その記憶も思い出せるものは僅かである。
と言うのも、スコールが明確に記憶している“神々の闘争”は、最後の戦いの時の記憶のみで、それ以前のものは霞がかっており、激しくはないが所々に虫食いが出来ていた。
それが“浄化”の影響によるものなのか、スコール自身が抱える“代償”の影響なのかは判らない。
が。過去にライトニングと戦場を共にした際、それは決して長い時間ではなく、且つその機会も少なかったのだと言う事は明らかだった。

その限られた記憶を手繰り寄せながら、スコールはライトニングの背中を見詰めている。
眺めている内に、スコールは頭に浮かぶ後姿と、目の前にいる人物との形が違う事を確かめていた。


(あんな格好じゃなかった。もっと俺やクラウドに近いような、割と普通の感じで……)


この世界に召喚された者の多くは、スコールにとって、ファンタジーや創作物でしか見ないような服装をしている者が多い。
だからか、スコールやクラウドのようなシンプルな服装の者は、反って目立つ所があった。
ライトニングも同様で、服飾デザインとしての装飾はあっても、魔力を込めた宝石であるとか、特殊な魔獣の毛を編み込んだ布であるとか、そう言うものは余り使われていなかった。
装備していた肩宛てやベルト等は、強化カーボンやプラスチックが素材となっており、これもまた他の面々と異なる。
銃にもなるギミックを備えた剣、と言う、これも文明レベル的にはスコールと近い形があった事もあり、二人は同じ世界から来たのではないか、と想像する者もいた。

しかし、今のライトニングは、明らかに以前とは違う格好をしている。
身に着けているのは鎧と呼んで良さそうだが、それにしても合板は奇妙な繋がり方をしているし、普通の鎧とも違うように見えた。


(……クラウドも格好が変わっていたし、それと同じ事なのか?)


以前の闘争の時に比べ、服装が変わった仲間は他にもいた。
そう言う人物は、元の世界で一年や二年と言った時間が過ぎており、その間に何らかの出来事に巻き込まれたりとしていたらしい。
彼女もそうなのだろうか、と思いつつ、


(…だから、雰囲気も前と違うのか……?)


スコールの記憶に浮かぶライトニングは、常に何かを警戒しているように見えた。
幾人かの穏やかな気性の仲間に対しては、少し当たりが柔らかくなるものの、それ以外は総じて張り詰めた糸を保っていたように思う。

しかし、今のライトニングの背中は、そうした緊張感が殆ど感じられなかった。
いつ何が起こるか判らない、と言う警戒で周囲に気を配ってはいるものの、以前程に頑なな空気もない。
何より、以前の彼女なら、単独行動を進むスコールの後を追って来る事はしなかっただろう。
スコールはあの時、追って来るのであれば恐らくジタン、だがフェミニストの彼の事、女性二人を放ってこっちに来る事はないだろう────と思っていただけに、追って来たのが彼女だと見た瞬間、思わず一瞬足を止める程に驚いていた。


(……なんでこっちに来たんだ)


口の中で疑問を呟いた所で、誰も応えてくれはしない。
答を持っているであろう人物は、スコールの前を黙々と進んでいる。
恐らく彼女は、スコールが向かう方向の修正を提案しない限り、延々と真っ直ぐに歩き続けるつもりだろう。
まるでスコールが示す方向に間違いがあるとは思っていない足取りに、スコールは記憶に残る人物像との違いを益々深めていた。

そんな調子で、一日は歩き通して終わった。
進むうちに幾つかの歪を経由している内に、薄赤色を宿した曇り空が夜帳に変わる。
何処まで行っても荒地しかないのかと思っていた景色は、いつしか緑を映すようになり、川も見付かった。
魚がいたのでスコールがそれを釣り、ライトニングが集めた薪で火を起こし、それで夕食を採る事にする
その間、二人の間には、連絡事項に則した必要最低限の会話しかなかったのだが、釣った魚が半分まで減った所で、


「随分と雰囲気が変わったな」


と、ライトニングが言った。
特に前置きの会話もなく、藪から棒と言えばそうであった言葉だったので、会話相手はお互いしかいないのに、スコールはそれが自分に向けられた言葉だと、一瞬気付かず、


「……誰の事だ?」
「決まっているだろう。お前だ」


当たり前のことを訪ねて、当たり前の返事があった。
それを受けてから、ようやく、確かに俺しかいない、とスコールも理解する。

ライトニングは骨になった魚を焚火の中へ放った。
ぱちぱちと音を立てる焚火に、細長い生木の枝を使って、くべた薪を突きながら言う。


「私が覚えている限り、お前はこうやって誰かと同行する事はなかった」
「……そんなの、お互い様だろう。あんたも大体一人だった」
「お前程じゃない」


からん、と薪の音を鳴らして、ライトニングはスコールの反論に対して言い返す。

確かに、どちらも以前の闘争では、一人で行動している節があり、スコール自身も自覚があった。
特に最後の闘争の時以外では、スコールは外の仲間達に対し、判り易く明確な距離と線を引いている。
そんなスコールに比べ、ライトニングの周りには、彼女を慕う者や気に掛ける者の存在が多く、ライトニング自身も───相性の良し悪しはあれど───それを露骨に無碍にする事はなかった。

とは言え、自分から積極的に仲間達と交流をしていたとも言い難く、その為にスコールとライトニングは接点が薄かったのも確かだ。
ライトニングもそうした自分の行動、態度については記憶があるらしく、しばしの沈黙の後、


「まあ……確かに、必要がなければ一人でいた事も多かった気がするな。誰に信用を置いて良いか、そもそも信用が出来るのか、それも判らなかったから」


言って、ちらり、と緑の瞳がスコールを視る。
お前も似たようなものだろう、と言われているような気がして、スコールは沈黙で応答とした。

はあ、とライトニングは溜息を吐く。


「と言うか、あんな状況で、初めて出逢った赤の他人を即信用して背中を預けろ、と言うのに無理がある」
「……それは同感だ」
「あの時の私は、自分の事も全く判らない状況だったしな」


付け足されたライトニングの言葉に、そうか、とスコールは一人得心する。
スコールは何度か世界が撒き戻され、“浄化”で重ねられた戦いが今の記憶として───虫食いではあるが───残っているが、其処にライトニングの姿が見られた戦いは一度きり。
その戦いを除いて、ライトニングは後にも先にも登場していない。
つまりライトニングは、繰り返しを体験する事もなく、召喚間もなく退場する事になったのだ。


「……あんた、何も思い出せていない状態だったのか」
「そう言う事だ。判っていたのは精々自分の名前くらいで、後の事はからきし。自分の世界の事も全く思い出せてはいなかったが、それでもこの世界が自分の常識と全く違う世界である事は判った。判ったが、それだけだ。そんな状態で混乱しない程、私は融通良くは出来ていない」


スコールにも少なからず覚えのある話だ。
いつ、何回目の時の話なのか、それが始まりなのか否なのか、記憶に明確な正確性が持てないスコールには判らないが、それでも最初に召喚された時には、当時のライトニングと同じ混乱があった───ように思う。

説明を求めても、それに応じて貰っても、自身の頭に刷り込まれた常識とは何もかもが違い、それがどうして“違う”と判るのかと言う理由も判然としない。
記憶や体験から構築される、自分自身と言うアイデンティティが曖昧になった状態で、何もかもを己の都合良く受け入れて行動できる程、スコールは聞き分けと割り切りの良い人間ではない。
それでも神だと自称する者の拘束力は強く、それに従わなければ、記憶を回復する手立ても、元の世界に戻る手段も得られない。
気持ちの納得は置き去りに、烏合の衆のような団体の中で行動しなければならないと言う状況は、ライトニングやスコールと言った、安全の為に物事を懐疑的に見る癖のある人間にとって、少々難のあるものであったと言える。
結果、あの時点でライトニングは、己を召喚したと言う女神の言葉は勿論、それに機械的にも見える忠誠心で応じるウォーリアに対し、不信感を募らせる事となった。
故に彼女は、積極的に交流を行うコミュニケーション上手な人間以外には、刺々しい態度を振り撒かざるを得なかったのだろう。

ライトニングは焼き終わった二尾目の魚に手を付けた。
味付けも何もないが、川が比較的清流だったお陰で、泥臭さはない。
スコールも二尾目に手を伸ばして、ふ、ふ、と息を吹きかけて冷ましている所へ、ライトニングは言った。


「お前なら通じそうだから、言わせて貰うが。あの状態で、同じ陣営にいるからと、容易く信用できる人間の方が気が知れない」
「……まあな」
「私があの時、初めての召喚で、“浄化”されても継続的にあそこで戦い続けていた皆とは、考え方や感じ方が違うのかも知れないが……」
「いや。俺はあんたに同意する。あんな状況で見ず知らずの奴等と一緒にされて、あっさり信用できる方が可笑しい」


魚を齧りながら言うスコールの言葉を聞いて、そうか、とライトニングは言った。
その時の彼女の顔は、ほんの少し緩み、共犯者を見付けた子供のような雰囲気が滲んでいる。

ライトニングの言葉には、少々きつい棘が滲んでいるが、彼女の表情は特に顰められてはいない。
終わった事だから、思い出話のついでに苦言が出て来たのだろう。
ついでに、当時感じていた事が、自分一人の独走的なものではないと聞いて安心したのかも知れない。


「…そんな状態だった時に比べれば、今は随分楽だ。大体の奴等と顔見知りだからと言うのもあるが、身内を一々警戒しなくて良いしな」
「……マーテリアは?」
「察しろ。多分、お前と私の考え方は似ている」
「……」


スコールの端的な問の意味を、ライトニングは理解していた。
新たな女神となった女性を、何処まで信用しているのか、彼女の言葉を何処まで受け止めているのか。
それはスコールが未だ疑問視している所で、ジタンとも意見が一致している。
ライトニングはどう思うのか、と言う点を問い質したものであったが、ライトニングは明確に言葉にしない事で返答とした。

────それはそれで良いのだが、スコールは今のライトニングの言い方に引っ掛かるものを感じていた。


(似ているってなんだよ)


なんだか、自分の心の内を見透かされたようで、スコールは落ち着かなかった。
マーテリアやスピリタスと言った、神々の後継者について、懐疑的な見方が強いのは、広く仲間達を見渡しても、そう変わらないだろう。
それだけ、マーテリアの言動に頼りなさが感じられるのだ。

マーテリアについての見解が、スコールとライトニングの間で一致するのは当然だろう。
共に理屈屋とまでは言わないが、根拠のない感覚的なものだけで好悪を括れる程、人が好く出来てはいない。
スコールは傭兵、ライトニングも軍属の警備員と言う経験を持ち、組織内に搬入する異分子への危険度と言うものも理解している。
況してや組織の頭を担う形となっている人物があれでは───と言う懸念は、二人にとって至極当然のものだった。

しかし、スコールはそれをライトニングの前で吐露してはいない。
ジタンとは会話の折に、彼の方から心中を察されて指摘されたが、それも過去の戦いで何かと行動を共にしていた彼であるから、と思える。
だが、ライトニングとは仲間であっても殆ど会話はなかった。
ゆっくりと膝を突き合わせている等、今が初めても同然で、ライトニングが案外と多弁である事も、スコールは初めて知った位だ。
それなのに、自分の事を知っているかのように、双方を指して「似ている」と言われるのは、些か不本意な気分である。

むぐ、と魚を噛んで、スコールは眉間に皺を寄せていた。
ぱちぱちと音を立てて揺れる焚火に、その皺がはっきりと映し出されている。
ライトニングはそんな少年の顔をちらりと見遣って、口角を上げる。


「お前は案外、子供っぽいんだな」
「……は?」


突然のライトニングの言葉にスコールが顔を上げると、彼女はくつくつと笑っていた。

今までの会話に、彼女が笑うようなポイントがあっただろうか。
おまけに、子供っぽい等と、指摘されるような話をしたか。
混乱と苛立ちで、スコールの眉間の皺は益々深くなって行く。

そんなスコールの気配を察してか、ライトニングは骨になった魚をひらひらと揺らしながら、


「怒るな。前はそう言う顔を見た記憶がなかったから、意外だと思っただけだ」
「………」
「顰め面はいつもの事だが、そんな拗ねた顔をしたのは見た事がなかったからな」
「別に拗ねてない」
「ああ。そうだな」


反論を軽く流すように返され、スコールの眉間の皺がまた一段と深くなる。
そうする事で、ライトニングの言う“拗ねた顔”になっているのだと、スコールは気付いていなかった。
だから余計にライトニングの笑いのツボを刺激してしまうのだと言う事も、知る由はない。

スコールは苦い表情のまま、残ったいた魚を平らげた。
骨だけになったそれを焚火に放って、火に背を向けてごろりと横になる。
見張りについて話し合うつもりだったのも忘れて、不貞腐れた気分で過ごしていると、


「その内起こす。それまで私が見張りをする」
「……ん」
「ああ。お休み」


それがその日の内に二人が交わした、最後の会話だ。
スコールはそれきり沈黙し、眠る事に終始して、ライトニングは静かに過ごしていた。

から、と焚火の中で薪が小さくを音を鳴らす。
それも聞こえない程にスコールが眠りに落ちた頃、ライトニングは少し首を伸ばして、スコールの様子を伺った。
焚火に背を向けたままのスコールは、身動ぎ一つ立てず、ただ蹲っているだけのようも見える。
呼吸音がほんの微かに規則正しく聞こえているので、眠っている事は感じ取れた。

ライトニングは、焚火越しに見える少年の背中を見詰め、くつりと笑う。


「……お前は、そうやって寝るんだな」


これも初めて見た、とライトニングは呟いて、これからの長いか短いか判らない旅の道中、少なくとも退屈はしないだろうと思った。





ライトニング×スコールだと言い張る!!

書きたい書きたいと思いつつ、どう絡ませようか悩み続けたライスコ。
DdFFの頃から妄想はしていたんですが、NTで同じグループになってやったー!!って気分でした。
012では周り(主にWoLや衝突のあったカイン)に大してピリピリしていましたが、原作ではホープだったり、012ではユウナだったり、年下には優しいので、スコールの事も気にはなっていた感じにしてみた。
記憶の喪失や混乱がなければ、結構面倒見が良いライトニングが好きです。
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[フリスコ]その牙で貫いて

  • 2018/02/08 22:00
  • カテゴリー:FF
ほんのりとR15の気配。




猫のようだとか、犬のようだとか、言われればどちらも当て嵌まるようで、どちらも違う気がする。
しかし、全くの的外れかと言われればそうではなく、部分的に言えばその通りだとも言える所もあった。
他にも、その猪突猛進ぶりから、文字通り猪であるとか、案外と器用な手捌きから、狐のようとも。
そこそこ体格が大きい方なのに、人懐こい表情や、相手を怯えさせないように気を回す余裕がある所は、草食動物のようにも思える。
かとも思えば、敵を前にした時の眼光は、猛獣か猛禽類にも通ずる。

早い話が、“獣”らしいのだ。
全てをひっくるめて、そう言う事なのだろうとスコールは思う。

平時のフリオニールを例えるなら、大型犬が一番近いのではないだろうか。
ちょこまかと忙しなく動き回るティーダを相手に、一緒にはしゃいだり宥めたりしている姿は、スコールにはそのように映る。
ティーダが調子に乗り過ぎると諫める事もあるが、存外と激情家な所もあるので、二人揃ってヒートアップする事も少なくない。
フリオニールは、良くも悪くも感情に正直だから、その波長がティーダと重なると、自分達では止められなくなってしまう。
そう言う時はセシルかクラウドの出番で、彼等が二人をそれぞれ止める重石となっていた。
叱られると判り易くしゅんとし、素直に詫びており、許して貰えれば嬉しそうに笑うので、スコールはそんなフリオニールにぶんぶんと振られる尻尾を見たような気がした。

食事当番の時、摘まみ食いを狙う賑やか組を相手に、わあわあと忙しなくしている時がある。
こう言う時、何に似ていると言う事は特にないのだが、一切無視をせずに逐一相手をしている辺り、彼は本当に面倒見が良い、と思った。
落ち着きのない子供を甲斐甲斐しく世話する動物の親────そんなイメージが沸く。
別に動物と喩える必要もないが、なんとなくスコールは、キッチンの前で騒がしくしている彼等を見ると、そう言うイメージが浮かぶのである。

戦闘に備え、獲物を研いでいる時の彼の目は、いつも真剣だ。
砥石で剣を一研ぎ一研ぎ、弓の弦の具合を確かめては何度も引いて強さを確かめる。
その様子は、己の武器を鋭く保つ事に余念のない、肉食獣に似ている。
丹念に整えたそれを手に握り、突き立てられる悪意を切り裂く時、赤い瞳は黄金の光を帯びて、敵の首を食い千切らんと吼える。
そんな青年の貌は、最早動物等と言う可愛らしい表現は似つかわしくない。
牙、爪を、本能を剥き出しにし、己が生きる為に全てを食らいつくす“獣”と呼ぶのが相応しい。

スコールは、フリオニールの“獣”の眼が好きだ。
元より嘘を知らないと言っても良いようなフリオニールが、下手な隠し事も忘れ、何もかもを曝け出しているように見えるのが良い。
その赤い眸に真っ直ぐに射抜かれ、剥き出しの牙が、爪が、喉に食い込むのを想像する。
笑うフリオニールの口の中に、微かに尖る八重歯を見付けて、あれが肌を食い破る事を考えたら、背中が熱くなった。
カニバリズムに興奮する性質ではないし、そうして欲しいと言う被虐性も持ってはいないが、それでも想像は止まらない。

食べられたい。
あの狂暴な瞳を見ながら、骨まで全部、食べられたい。
そんな風に思うようになったのは、いつからだろう。
恐らく、それが恋慕に通すると悟るまでには、随分と長い時間がかかった。



初めの頃は、何かと戸惑っていたように思う。
肌を重ね合う事は勿論だが、同衾する事にも彼は随分と長い照れがあった。
それはスコールも同じなのだが、腹を括るのはスコールの方が早かった筈だ。
何せ、最初の夜、主導権を取ったのはスコールの方であったから。

スコールとて初めての事だったから、何をどうすれば良いのか、知識はなんとなくあっても、それを実行に移すには色々と躊躇いがあった。
フリオニールの方はさっぱりと言って良かったから、とにかくスコールが促す指示に合わせるのが精一杯。
その日は無理をした所為で、スコールは若干トラウマにもなりかけたのだが、次からフリオニールが出来る限り気遣ってくれるようになったので、その後は───なんとか───恙無く済んだ。

二回目にフリオニールが少なからず気遣ってくれた事が功を奏し、少しずつ主導権はスコールからフリオニールへと委託された。
スコール一人では、羞恥心や必要以上の我慢で強引に推し進めてしまう所を、フリオニールがリードを持つ事で、その負担を軽減させる事が出来るようになった。
時折、気遣いが度を過ぎてスコールを怒らせる事もあるが、それはそれだ。
繋がり合えば後は段々と熱に押し流されて行き、どちらともなく果てるまで、熱の交わりは続く。

最後の熱を吐き出してから、二人の呼吸が溶け合うように重なり、無音の部屋に反響していた。
はー、はー、と耳元を擽るフリオニールの吐息に、スコールはぞくぞくとしたものが首筋を奔るのを感じる。
背中に回した腕はしばらく強張っていたが、呼吸が少しずつ小さくなって行くにつれて、力も抜けた。
ぱた、とスコールの腕が投げ出されるようにシーツに沈んだ後、きしり、とベッドの軋む音が鳴る。


「…スコール。大丈夫か?」
「……ん……」


心配そうに名を呼ぶ声に、スコールは意識半分に頷いた。
中に埋まっていたものがゆっくりと抜けて行く感触に、びくっ、と腰が震える。
ともすれば締め付けそうになるそれを、スコールは意識して深呼吸を続ける事で、体の強張りを解すように努めた。

すぐ隣で、疲れ切ったフリオニールがベッドに沈む。
スコールは違和感の残る下腹部を擦り合わせて誤魔化しながら、寝返りを打った。
仰向けになっているフリオニールの体に身を寄せると、フリオニールがくすぐったそうに笑う。


「辛い所ないか?スコール」
「……腰」
「それは、まあ、はは……」


ごめん、と小さな声で詫びながら、フリオニールは眉尻を下げた。

弱り切った表情を浮かべて見せるフリオニールに、本当にギャップの激しい奴だ、とスコールは思う。
つい先程まで、自分に覆い被さっていた時には、雄そのものように猛々しかったと言うのに、赤い瞳は今は丸っこい。
戦闘中にも見られる変貌振りは、何度見ても、まるで人格そのものが何かと交代しているのではないかとすら思えた。

フリオニールは一心地つくと、スコールの背に腕を回して抱き締めた。
しっかりとした腕がスコールの脇や背中に触れていて、スコールが己とは全く違うその逞しさにこっそりと唇を尖らせていると、


「はあ……温かいな、スコールは」


安堵のように一つ息を吐いて、フリオニールは呟いた。
ぎゅう、と抱き寄せられ、肩口に埋められるフリオニールの顔。
スコールは、肩を擽るフリオニールの呼吸にむず痒さを感じつつ、


「温かいのはあんただろう。あんたの方が体温が高い」
「そうか?俺には、スコールの方が凄く温かく感じられるけど。ずっとこうしていたい位だ」


笑って言うフリオニールの言葉に、嘘はない。
彼は世辞を言える人間ではないから、口にする言葉は本心からのものだ。

それにしても、ずっとこうしていたい、とは。
こう、とは。
背中に肌に触れて感じる腕や、重なり合った胸の奥から聞こえる鼓動を意識して、スコールの顔に朱が昇る。


「あんた、よくもそんな…恥ずかしい事言えるな……」
「ん?」


恥ずかしいって何が、と首を傾げるフリオニールに、スコールは口を噤む。
きょとんとした顔で見詰められるのを感じて、スコールは視線だけで背中へと伸びるフリオニールの腕を見た。
赤い瞳が蒼の視線を追って滑り、それが白い肌に重ねられた褐色の腕を見付けた瞬間、はた、と見開かれる。
“こう”と言う状態が今の状態を指している───裸で抱き合い、体温を重ね合わせている状態である事にようやく気付いて、フリオニールの顔も真っ赤になった。


「あ…!い、いや、別にこう言う事じゃなくて、」
「………」
「わっ……!ス、スコール……!」


弁明するように慌てて離れようとしたフリオニールを、スコールは抱き着いて留めた。
スコールの方から首に腕を回し、密着する体勢に、フリオニールの声が上擦る。
重ねた胸の奥から、鼓動が早鐘を打っているのが伝わった。

薄らと濡れた蒼灰色の瞳が、フリオニールの顔を至近距離で捉えていた。
まだ熱の名残を残す瞳に見詰められ、ごくり、とフリオニールの喉が鳴った。
その喉に誘われるようにスコールの唇が寄せられ、浮かぶ喉仏に柔らかな感触が押し付けられると、フリオニールの熱もまた、再び呼び覚まされる。


「スコー、ル、」


つい先程までの情交も、決して穏やかとは言えないものだった。
思いを重ね合わせているのだから、スコールとてそれを受け止めるのは決して吝かではないのだが、フリオニールは出来ればスコールに強い負担は強いたくないらしい。
大切に思うからこそ、時にはスコールを怒らせる位に気遣っているのだと、スコールも判っていた。
しかし、良くも悪くも自分の正直で、熱くなるほどに自制を忘れるフリオニールの性格は、こうした場面でも露呈する。
いや、こうした場面であるからこそ、尚の事制御が難しくなるのかも知れない。

スコールはゆっくりとフリオニールの喉に舌を這わせ、唇を当てて吸い付つくと、赤い痕を残る。
見付かるか、と思ったが、スコールは深く気に留めない事にした。
理性の強い平時であれば、こう言う所は駄目だ、とスコールも思ったのだろうが、今は頭の中が茹った様に歯止めが利かない。
残った赤い花を見ていると、知らず唇の端が上がって、スコールは嬉しそうにフリオニールの首を見詰めていた。


「フリオ」
「……!」


たった三文字の名を呼ぶ声に滲むものを、フリオニールは確かに感じ取った。
スコールの背中を抱いていた腕を滑らせて、片腕で細い腰を抱きながら、片手はスコールの後頭部へ添えられる。
上向くように促せばスコールは素直に従い、誘われるように唇を重ね合った。

フリオニールに舌がスコールの唇を擽り、隙間を割って、中へと侵入する。
ふ、と鼻にかかった吐息と声がスコールから漏れて、フリオニールの首に絡む腕に力が籠った。
もっと、と強請るように身を寄せるスコールに応える形で、フリオニールはスコールの舌を絡め取り、唾液を交換し合う。


「ん…ん……っ」
「ふ……っ」


ちゅく、ちゅく、と耳の奥で音がする。
その音が、スコールの耳を犯し、フリオニールの脳を融かして行く。

フリオニールは、自身の体の上に覆い被さるように身を寄せていたスコールを抱いて、体を反転させた。
スコールの体がベッドに沈み、フリオニールがその体を世界から隠すように覆い被さる。
スコールの爪先が衣擦れの音を鳴らしながら寄せられ、フリオニールの腰に絡み付いた。


「スコール……もう一回……」


良いか、と問う瞳に、仲間達に初心さを揶揄われている時のような恥じらいはない。
見下ろす赤い瞳は、組み敷いた獲物に一秒でも早く食らい付こうとしている。

駄目だと言えば、きっとフリオニールは思い止まるのだろう。
進めて良いかと問う間は、彼の理性はまだ形を残しているから、スコールがそれを操縦する事は出来る。
傷付けたくないと、大切にしたいと言うフリオニールの声も嬉しい。
しかし、スコールは覆い被さる彼を退けようとはしないし、寧ろこうなるように手綱を引いたのはスコールの方である。
いっその事、良いかどうかを聞く事もせず、噛み付いて来てくれても構わないとさえ思う。

そんな気持ちが促すままに、スコールはフリオニールの耳元で、そっと彼の名を呼んだ。


「フリオニール」


食べてくれ、と。
名を呼ぶ声に込められた願いを、フリオニールも本能で感じ取る事が出来るだろう。
躊躇いを捨てて覆い被さる重みに、スコールはうっそりと笑みを浮かべて身を委ねた。





フリオニールのギャップを書いてみたかった、筈。

穏やかなフリオニールの事も好きだけど、本能剥き出しで求められるのが好きなスコール。
スコールを大事にしたい気持ちは本当だけど、煽られると我慢できないフリオニール。
そんなフリスコ。
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[8親子]ディア・マイ・ダディ 1

  • 2018/01/03 21:00
  • カテゴリー:FF


サプライズをするのが好きな人だから、される事も好きなのだ。
レインは、夫であるラグナをそう分析している。


新年を迎え、家族揃っての初詣も済ませ、息子娘の手伝いを貰いながら作ったお節も、そろそろ品が尽きて来る。
正月前にたっぷり買い溜めした冷蔵庫の中身も、少々心許なくなって来て、買い物に行かなくちゃ、と呟いたら、真っ先に長男が「俺が行くよ」と言った。
その瞳が意図している所を感じ取りながら、じゃあお願いね、と言うと、長男は直ぐにコートを羽織って出掛けて行った。
それから十分と経たない内に、ラグナがレインに「映画でも見に行かないか?」と言った。
珍しい申し出もあるものだと思っていると、どうやら娘からクジ引きで当てたと言う映画のチケットを貰ったらしい。
ついでに「おうちでゴロゴロしてばっかりだとだらけちゃうのよ」と言われ、母と一緒に出掛けるようにと促されたそうだ。
娘がくれたと言うチケットを見せて貰うと、クジ引きで当てたにしては妙で、指定の映画館で新春特別上映されるもので、見れる映画も座る席も決まっており、子供達が見たがるようなタイトルは含まれていなかった。
ラグナは娘の見たいものがないから、勿体ないからと言う理由で譲られたと思っているようだったが、レインは、いやこれは───と、娘が意図している所を感じ取り、何も言わずにじゃあ行きましょうか、と腰を上げた。
母にいつも抱かれている5歳の末っ子はと言うと、甘えたがるかと思いきや、姉と手を繋いで「いってらっしゃい!」と良い子で見送り。
そんな末っ子の意図する所もまた読み取って、レインは久しぶりに夫と二人きりで外出する事になった。

映画館が併設されているショッピングモールは、新春の福袋やらセールやらで大賑わいだ。
レインとラグナは、福袋目当てに並んでいる長蛇の列を素通りし、映画館へと向かう。
特別上映の映画を観ようと集まった客は多かったが、娘に貰ったチケットのお陰で、チケット売り場に並ぶ必要もなかった。
上映時間までの暇をグッズ売り場で潰して、子供達の土産にシャーペンやキーホルダーを買う。
その傍ら、ラグナはショッピングモールで擦れ違う人々の影を思い出しては、


「皆で来ても良かったなあ」


と、呟いた。

ラグナは家族揃って過ごす時間を愛している。
妻と二人きりでデートをするのも、勿論嬉しかったが、そんな時でも子供達の事は忘れない。
あいつらに見せてやりたいなあ、きっと喜ぶだろうなあ、といつも言うのだ。
その度レインは、そうね、今度は皆で来れたら良いわね、と答えている。

買ったグッズを忘れないようにと鞄に仕舞い、ロビーで五分ほど待っていると、開場時間になった。
席は指定なので慌てる必要もないと、のんびりと中に入って、指定席を見付けて年甲斐もなく赤らんだ。
カップルシートなんて、よくもまあ取ってくれたものだ。
良い年をして、と少々赤くなる顔を自覚する隣で、夫もまたカチコチと固まっている。


「これは、はは……なんか、うん。不思議って言うか、面白いって言うか」
「もう、あの子達……」
「仕方ないよな、クジ引きだもんな」


娘の狙いには相変わらず気付いていない様子の夫に、鈍いわねえ、と思いつつ、レインは緩む口元を隠す。

映画は十年以上も前に作られたタイトルで、当時の世代から絶大的な指示を得ているものだった。
レインは映画に殆ど興味がなかったのでよく知らないが、多趣味だったラグナはよく見ていたようで、この映画も知っていた。
他の世代でも有名である為、レオンとエルオーネも大まかな内容は知っている。
少々過激なアクションシーンがあるので、アクションヒーローものでも怖くて泣いてしまうスコールは、まだ見られないか。
子供達が大きくなったら一緒に見たいなあ、とラグナは言った。

カップルシートに座った事を強く意識していたのは、初めの内だけだ。
上映がスタートし、物語が大きく動き出すに連れて、ラグナとレインの距離は埋められて行った。
家のリビングでテレビを見ている時のような、子供達がいない為に一緒に暮らし始めたばかりの頃のような距離感で映画に没頭した。
お喋りなラグナが小声で「此処からが凄いんだ」「ほら、あそこ。窓に映ってる奴が」「今のシーンは前にあいつが言ってた台詞で」と解説するのを、レインは黙って聞いている。
時々「俺、煩いかな」と唐突に心配するラグナに、レインは「まあまあね」と言った後で、「それで、今のシーンはどう言う意味になるの?」と訊ねると、直ぐ嬉しそうに話し始めた。

大人向けのラブロマンスとアクションを織り交ぜた映画が終わった後は、ショッピングモール内のカフェに入った。
夫と二人きりでカフェなんて、何年振りだろう。
デザートセットを前に、見てきたばかりの映画について語る夫を眺めつつ、レインはそんな事を考えていた。


「───それで最初の台詞に繋がるんだよ。父親の言葉が、ちゃんと息子に受け継がれているって判るシーンになるんだ」
「ふぅん。思春期の時には受け入れられなかった言葉が、年を重ねて、父親の気持ちも判るようになったって言う事なのね」
「そうそう。ああ、あんな父親になりたいなーって思ったよ。父親も渋くて良い奴だし。こう、言葉で語らず、背中で語るって凄いよな!でも俺には難しいな~」
「言葉ばっかりだもの、貴方は。でも良いじゃない。レオンもエルも、スコールも、貴方のお喋りな所が好きだから。急に黙ってる事が増えたりしたら、病気にでもなったんじゃないかって心配されるわよ、きっと」


ラグナのお喋り好きは、生来からのものだ。
彼がいるから、一家はいつも賑やかで笑い声が絶えない。
時にレオンが呆れたり、エルオーネが怒ってイタズラしたり、スコールがテンションについて行けずに泣いたりする事もあるが、皆父の明るい性格を愛している。
確かに、不言の背中は男として憧れるのかも知れないが、お喋りな背中であっても良いだろう。
それだからこそ、子供達は父を好いているのだから。

デザートセットのプリンはとろりとした甘さで、コーヒーとよく合った。
デザートのラインナップは、プリンやヨーグルトの他にケーキもあり、基本のショートケーキやチョコレートケーキの他にも、フルーツタルト等種類が豊富で、コーヒー類も多様。
子供の用のチェアもあったので、今度は皆で来るもの良いかも知れない。


「エルはケーキ好きだよなあ。スコールも」
「そうね」
「此処に来たら喜ぶだろうな。レオンは最近、あんまり甘いもの食べないよな?」
「昔よりはね。でも、食べてない訳でもないわよ」
「ケーキを買う時、レオンは何が良いかなあっていつも迷うんだよ」
「見た目が可愛いものとかは、エルやスコールに譲っちゃうしね」
「うんうん。良いお兄ちゃんしてるよな~。でも、もうちょっと甘えてくれても良いのにな」
「あら、意外と甘えて来る事も多いのよ。私には、だけどね」
「えっ、そうなのか。ずるいぞ、レイン。エルもスコールもレインが一番だし、俺寂しいよ」


よよよ、と泣いて見せるラグナ。
レインはそれに対し、そう言う所の所為じゃないかしら、と揶揄った。


「───それは冗談だけど。仕方がないわよ、もう13歳だもの。思春期よ」
「うっ。そうかあ…そうだよなあ……俺、レオンに嫌われたりしないかな」
「大丈夫、大丈夫。きちんと節度を持って接すれば───多分。ね」


不安そうな夫に断言出来ないのは、レインとて同様の不安や戸惑いもあるからだ。
何せレオンは二人が初めて授かった子で、何をするにも、彼から始まる所がある。
それはレオンの成長に欠かせない事であると同時に、両親にとっても一つの試練であった。

ニュースで報道される事件や、ドラマで度々描かれる家族間の衝突に、ラグナは非常に敏感だ。
特に最近は、中学生になって良くも悪くも繊細な時期になる長男と照らし合わせる事が多いようで、見えない不安が尽きない。
しかし、焦り不安になるばかりでは、どうにもならない事も事実。


「ちゃんと向き合って、ちゃんと話し合えば、きっと大丈夫よ。レオンも貴方の事が好きだから」
「そうかなあ。そうだと良いな。うん、そうなるように頑張ろう」
「そうそう。それに、レオンの後にはエルがいて、それからスコールもいるのよ?しっかり心構えしていかなくちゃ」
「心構えか。よし、頑張ろう。………でも嫌われる心構えなんて出来ねえよ~」
「何も嫌われる前提で考えなくても良いんじゃない?」


子供達の事になると、妙にセンチネルになる夫に、レインは眉尻を下げながら言った。


「大丈夫よ。ケンカになる事だってあったりもするかも知れないけど……あの子達が貴方を嫌いになる事なんて、きっとないから」
「……そっか?」


確かめるように問うラグナに、レインはしっかりと頷いた。
そうでなければ、今日と言う日は────とは口にせずに。

ラグナが少し安心した表情を浮かべた所で、二人はカフェを後にした。
ショッピングモール内は、新年で子供を連れて里帰りしている家族の姿も増え、一層賑わっている。
折角なので少し二人でぶらついて、子供達の土産にイベントフロアで売られていた菓子を買った。
クリスマスにも何か買っていたような、とレインは思ったが、気にするまい。
きっと今頃、頑張っているであろう子供達へ、労いにでもなれば良い。

午後をたっぷりとショッピングモールで過ごし、そろそろ夕飯の準備の時間が気になる所で、二人は帰る事にした。


「途中でどっか寄って帰るか?」
「そうね……」


レインは携帯電話を取り出して、時間を確認しつつ、メールを開く。
其処には、息子から一通のメールが届いており、それを流し見ながら、


「少しスーパーに寄ってくれる?」
「晩飯か?レオンが買いに行ったんじゃなかったっけ」
「そうなんだけど、買い忘れてたものがあったみたい」
「珍しいな。いつものスーパーの当たり、ちょっと混みそうだけど、大丈夫か?」
「ええ。ゆっくりで良いわ」


寧ろ、ゆっくりでお願い、とレインはこっそりと思う。
その方が、子供達も焦らずに準備を済ませる事が出来るだろう。



ドアを開けた時、子供達はどんな顔で迎えてくれるだろう。
その時、ラグナはどんな顔をするだろう。

楽しみだなあ、と思いつつ、レインは鈍感な夫に隠れてくすりと笑った。




≫2

ラグナ誕生日おめでとう!
妻とのデートの傍ら、子供達が何をしていたのかは、続きにて。
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[8親子]ディア・マイ・ダディ 2

  • 2018/01/03 21:00
  • カテゴリー:FF


母が買い物が必要だと言ったので、自分からそれを引き受けた。
それは平時からよく見られる光景ではあるのだが、頼まれるより先に挙手をした事には、理由がある。

行き付けのスーパーは、正月三が日の内、二日目まで休みだった。
今日が開いてて良かった、と思いつつ、レオンは頼まれた商品を一通り買い物籠に入れ、最後に自分の目的のものを手に取った。
母には後で代金を渡すとして、取り敢えずはまとめてレジを通し、帰路を急ぐ。

マンションまで戻ると、レオンはぽかりと空いた駐車場を見て、両親が予定通りに出掛けた事を知る。
駆け足で階段を上り、幼い妹弟が留守番をしているであろう家の玄関を開けると、


「レオン、お帰り!」
「おにいちゃん!」


玄関で待っていたのかと言うタイミングで、エルオーネとスコールの声が重なった。
どん、と抱き着いて来た弟を受け止めつつ、「ただいま」とレオンも応える。

ドアに鍵を掛け、冷える玄関先からいそいそと逃げて、レオンは買い物袋をキッチン台に置いた。
先ずは母に頼まれたものを冷蔵庫に入れる作業を済ませる事にする。
その間に、エルオーネが学校の家庭科の課題で作ったエプロンを取り出して身に着けた後、今日の為にとレオンが購入して置いたスコール用の子供用エプロンも取り出す。
自分ではまだ上手く出来ないであろうスコールに、エルオーネがエプロンを着せてやった。

隙間が増えていた冷蔵庫がまた埋めた後、レオンも自分のエプロンを取り出す。


「よし。準備は良いか?」
「うん!」
「はい!」


兄の確認に、両手を握って気合を入れる妹と、手を上げて張り切る弟。
そんな二人を見て、レオンもよし、と頷いた。


「先ずは材料の確認だな。これがスポンジ。ケーキの土台だ」
「どだいって何?」


レオンが買って来たばかりのスポンジケーキを見せると、スコールがきょとんと首を傾げる。


「ケーキの中にあるものだよ」
「ケーキの中……?」
「いつも食べてるケーキ、中に黄色いのがあるでしょ。ふわふわしてる所。あれがコレなんだよ」


知らない事ばかりの弟に、エルオーネが説明した。
スコールは、ふえー、と不思議なものを見る顔で、スポンジ生地を見詰める。

レオンはスポンジの入った袋をキッチン台に置いて、ホイップクリームの箱を開けた。
中には既にデコレーション用に固められたホイップが絞り袋に詰めて納められている。


「これが生クリーム」
「生クリーム!あまいの!」
「これでスポンジをケーキにして行くんだぞ」
「やりたい、やりたい!」
「まだだよ、スコール。材料の確認が先なの」


ちゃんと全部確認しなくちゃと言う姉に、スコールは待ち遠しそうな顔で兄を見る。
レオンはくしゃくしゃとスコールの頭を撫でて、ホイップクリームは箱に戻して冷蔵庫へ入れる。
なんでしまっちゃうの、と言うスコールに、冷やして置いた方が良いんだよと答えた。

それから野菜室に入れていたイチゴのパックと、蜜柑の缶詰を取り出す。


「イチゴと蜜柑。ケーキの中に挟むのと、上に乗せるのに使うぞ」
「いちご、いちご!」
「えーっと、最初は……イチゴを洗う?」
「ああ。それから、蜜柑の水切りか。エル、蜜柑は頼んで良いか?」
「うん」
「ぼくは?ぼくは?」
「スコールは一緒にイチゴを洗おう」


キッチン上の棚からボウルを三個取り出しながら、レオンは言った。

エルオーネが蜜柑の缶詰とボウルを二つ受け取り、缶詰の蓋を開ける。
プルタブ付きの缶詰なので、エルオーネでも簡単に開けられた。
指を切らないように注意しつつ、エルオーネは蜜柑をボウルの一つに移して、箸を使って蜜柑とシロップを分ける作業を始める。

その隣で、レオンは水を張ったボウルにイチゴを入れて、食卓テーブルへと移動した。
キッチン台は四歳のスコールにはまだ高いので、食卓テーブルの方に踏み台を使って作業するのだ。


「いちご……」
「食べちゃダメだよ、スコール」
「んぅ」


ちゃぷちゃぷと水の中でイチゴを泳がせながら、じっと見詰めるくりくりとした瞳に、エルオーネがすかさず注意した。
スコールはむぅと唇を尖らせつつ、つまみ食いは良くない事と思ってもいるので、我慢してイチゴを洗い続けた。


「水つめたいー」
「指先、痛いか?無理しなくても良いぞ」
「んーん、へいき」
「そうか?じゃあ……水から上げて。こっちのザルに移して」


水受け用の深皿の上にザルを乗せて、レオンが促すと、スコールは小さな手でイチゴを落とさないように掬い拾いながら、ザルへと移していく。

スコールがイチゴのヘタを取る傍ら、レオンはキッチンへと移動して、エルオーネと場所を交代して貰った。
キッチン台にまな板と包丁を並べ、スコールがヘタを取ったイチゴを運び入れ、数個を薄くスライスする。
残りはヘタのあった所だけを少し切り落として、空のボウルに移しておいた。

蜜柑を実とシロップで分け終えたエルオーネが、二つのボウルを持ってキッチンへ戻って来る。


「レオン、これ、どうしよう。シロップって使わないよね?」
「そうだな……うーん……カップか何かに移して、冷蔵庫に入れておこう。後で母さんに相談してみる」
「はーい」


勿体ない精神も相俟って、捨てる気にはなれないのは、エルオーネも同じだった。
母は昔から菓子を作るのが得意で、シロップを使った菓子やジュースも作ってくれた。
子供達だけでは使い道のないものでも、何かに活用してくれるかも知れない。
美味しい物に化けてくれる事を祈りつつ、エルオーネはシロップを陶器のカップに移して、ラップで閉じた。

イチゴのヘタを取ってから、出来る事がなくて眺めているだけだったスコールが、うずうずとした様子でレオンのエプロンの端を握る。
見上げる瞳が「ぼくは何をしたらいいの?」と期待を込めているのを見付け、レオンはくすくすと笑って、


「これで飾りに使うものは準備できたし。ケーキの飾りつけを始めるか」
「かざり!ぼくやりたい!」
「リビングでやろう、レオン。まな板、向こうに持って行っていい?」
「ああ」


スコールも作業が出来るように、リビングの食卓テーブルを使おうと言うエルオーネ。
テーブルを汚さないようにまな板を持って行くエルオーネと、それを追って行くスコールを見送りつつ、レオンはキッチンの引き出しを開ける。


(ええと、確か……これを使っていたような)


レオンが取り出したのは、レインが使っているパレットナイフだ。
普段の料理で使う所は殆ど見ないが、子供達の為にケーキを作っている時に使っているので、恐らくこれで良い筈。
始めて使う道具なので自信はないが、多分、なんとかなるだろう、と自分に言い聞かせる。

冷蔵庫で冷やしていたホイップクリームの絞り袋を取り出し、リビングへ。
そわそわとしているスコールと、そんなスコールに落ち着いて待つように言いつつも此方も楽しみなのであるエルオーネの様子に、レオンの口元に笑みが浮かぶ。

スポンジ生地の袋には、「ケーキのデコーレションの仕方」とイラストつきの解説が書かれている。
レオンはそれを参考にし、先ず一番下になる一枚目にクリームを絞り出し、パレットナイフでクリームを塗り拡げた。


「これで、此処にイチゴを挟んで」
「ぼくやりたい!」
「じゃあ、スコール。頼んだぞ」
「うん!ねえ、ミカンも使って良い?」
「ああ」


レオンはまな板ごとスポンジ生地をスコールの前に移動させる。
スコールは兄がスライスしたイチゴを、端から順に均等に並べて行く。
丸いケーキに対し、縦横綺麗に並べられるイチゴと蜜柑の列を見ながら、中央から並べると良いんだったかな…とレオンは思うが、黙っていた。
スコールは楽しそうだし、その横で上下の隙間に小さなイチゴを並べて行く妹も楽しそうにしているので、一々止めるような事でもないだろう。

イチゴを並べ終わると、その上に生クリームを絞り出して、またパレットナイフで塗り拡げる。
二段目を乗せ、同じ作業を繰り返しつつ、蓋をするように三段目を乗せた。
平らな表面に生クリームを塗り終えた所で、側面を塗ろうとするレオンであったが、


「おにいちゃん、ここ生クリームない」
「ん、何処だ?」
「ここ」
「これ、生クリーム足りるかな?」
「どうだろう。結構難しいな……」


上手く埋まらない隙間を塗り足ししていく内に、絞り袋の中身が減って行く。
あまり使ってしまうと、上部のデコレーションに使うクリームが足りなくなってしまう。

デコボコとしている側面の不格好さに眉根を寄せていたレオンであったが、仕方ない、と割り切る事にした。
母ならきっと綺麗に埋められるのに、と思いつつ、彼女は父と一緒に出掛けているのだから頼る訳にも行かない。
第一、子供だけで頑張ろうと決めたのは、他でもない自分たち自身なのだから。


「上の方は、えーと……生クリームが先かな?」
「あっ。あのね、レオン。私、デコレーションの絵、描いてたんだ。持って来るね」


何処から手を付けようかと首を捻るレオンに、エルオーネが思い出したと言ってテーブルを離れた。
寝室へ駆け込んだ彼女は、しばらくすると戻って来て、一枚の紙をテーブルに置く。
其処には、ケーキのデコレーションデザインが描かれていた。

相当大きなケーキを想定していたのか、描いている内に楽しくなったのか、デコレーションは隙間なく細かく描かれている。
流石にこれ全てを再現するのは難しい───と言うのはエルオーネも判っているようだ。


「えっとね、真ん中がチョコのハッピーバースデーの奴で。イチゴとミカンで、ぐるっと円にして囲んで」
「ふむふむ」
「外側がツンツンってしてる、生クリームので。出来るかな?」
「やってみよう。真ん中は……目印つけても大丈夫かな」


レオンは凡その中心を、パレットナイフの先端で軽く撫でた。
薄らと筋が入っている其処を中心に、三人でイチゴと蜜柑を交互に並べて円を作る。


「ケーキっぽくなってきた!」
「イチゴ足りる?」
「なんとか……よし。次は縁を生クリームで」
「あっ、レオン。私もそれ絞るのやりたい!」
「ぼくも、ぼくも!」


ねだる妹弟に、そう言えば自分が絞ってばかりだなとレオンも思い出す。

じゃあ軽く手本だけ、と縁を一ヵ所デコレーションすると、エルオーネもスコールもじっとそれを見詰めて観察する。
失敗したら格好がつかないな、と思いつつ、なんとか崩れない程度には均一なツノを作る事に成功した。


「じゃあ、まずエルオーネだな」
「はーい。ん……しょ。こうかな」
「おねえちゃん、上手ー」
「んふふ」


弟に拍手ですごいすごいと言われ、エルオーネはほんのりと頬を赤くした。
頑張らなきゃ、と気合を入れ直して、エルオーネは縁の半分までデコレーションを進めて行った。
レオン程均一なツノではないものの、それも味と言うものだ。

絞り袋がスコールへとバトンタッチされる。
握り方も覚束無いスコールに、レオンは自分の手を重ねて、掴む所と使い方を教えてやった。


「このまま右手でちょっとずつ押して」
「ん、ん」
「もうちょっと強くて良いぞ」
「んん……んひゃっ」


おっかなびっくりと言う様子で絞り袋を押していたスコールだったが、兄に促されて入れた力が、思いの外強かった。
びゅっ、と出てきた生クリームぼ塊に、ひっくり返った声を上げる。
兄と姉が綺麗に作ったツノの横で、ぽっこりと膨らんだツノに、あうあうと泣きそうな顔をしているスコールに、レオンはくすくすと笑って宥める。


「大丈夫だ、スコール。こうやってゆっくり離せば、……ほら」


隣のクリームとは二回りほど大きな小山に、ツンとツノが立つ。

二度、三度とスコールはより慎重になって、クリームを絞り出して行く。
スコールがその作業に集中しているのを見て、レオンはそっと添えていた手を離した。
スコールは自分の作業に一所懸命で、兄に手が離れた事には気付いていないらしく、そのまま四分の一まで埋めて行く。

生クリームもなんとか足りてくれて、最後はレオンが絞り、縁のデコレーションは終わった。
均一なツノ、少し歪なツノ、バラつきのあるツノと、誰が何処で作業を請け負ったのかがよく判る。
皆で作った、と言う事が判る証のようで、レオンはそれが嬉しかった。

最後に買っておいたチョコレートのメッセージプレートを乗せて、完成。


「出来た」
「できたー!」
「たー!」


ふう、と安堵も混じる息を吐いて言ったレオンに、エルオーネとスコールが万歳で続く。
喜ぶ二人がハイタッチして、兄にも手を向ける。
少し気恥ずかしさを感じつつ、レオンも二人の手にそれぞれ自分の手を重ね合わせた。


「えへへ~。お父さん、喜んでくれるかな?」
「絶対喜ぶよ!ね、レオン」
「ああ。いや、それよりびっくりするかも知れないな」
「びっくり!びっくりしてほしい!」


スコールは興奮した様子で、レオンのエプロンに抱き着き、きらきらと瞳を輝かせる。
今から父の驚いた顔を想像しているのだろう、幼子の顔は興奮と期待に満ちていた。

レオンは弟の頭を撫でて、エルオーネとスコールに片付けを促した。
ケーキは買っておいた箱に移して───デコレーションで重くなっており、包丁で持ち上げ動かすのが大変だったが、なんとか出来た───、冷蔵庫に納めて置く。
後は両親の帰りを待つのみ、と母の携帯電話に「色々終わった。今片付けしてる」と言うメールを送る。
直ぐに「分かりました」と言う簡素な返事が届き、レオンは携帯電話をズボンのポケットに締まって、洗い物をしている妹弟へと合流した。



洗い物も終わり、エプロンも全て洗濯機に入れて、一段落していた頃。
母からのメールで、今から上に上がります、とマンションの駐車場からと思しきメールが到着した。

玄関のドアが開くのを今か今かと待つ子供達の手には、クラッカーが握られていた。





ラグナ誕生日おめでとうで子供達の様子。
うちの地域は年始に開いているケーキ屋があまりないので、子供達に頑張って貰いました。

まずクラッカーとお誕生日おめでとうに。
それから映画のチケットが兄妹がお金を出しあって買ったと聞いて。
最後にケーキを皆で作ったと聞いて。
ついでに、察していたけど子供達の気持ちを汲んで黙っていた妻に。
びっくりの連続+子供達の成長に泣きながらケーキを食べるラグナでした。
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[絆]メリークリスマス!

  • 2017/12/25 21:32
  • カテゴリー:FF
メリークリスマス!
と言う事で絆シリーズで久しぶりにクリスマスを。

[サンタクロースはやってくる?]
[フロム・ディア・サンタクロース 1]
[フロム・ディア・サンタクロース 2]


ラグナの影響もあって、レオンとエルオーネは年中行事を結構楽しく過ごしています。
そんな兄と姉と一緒にいるので、スコールとティーダも、プレゼントやお菓子が貰えるお祭りはとても楽しみにしてる。
サプライズを計画するのは大変だけど、ちびっ子達の喜ぶ顔を見ると、良かったなって思えるお兄ちゃんお姉ちゃんです。

だから時々不意打ちされてビックリする。
そして弟達の成長を実感するんです。
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