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日記と言うより妄想記録。時々SS書き散らします(更新記録には載りません)

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日記と言うより妄想記録。時々SS書き散らします(更新記録には載りません)

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カテゴリー「FF」の検索結果は以下のとおりです。

[ソラレオ]予約済みになりました

  • 2015/05/04 22:40
  • カテゴリー:FF
レオンが保育士をしているのを妄想したら滾った。
そんなパラレルで、ソラ→レオンです。




「レオンせんせー!」


聞こえた声に振り返る暇も無く、どんっ、と背中に勢いの良い衝撃があった。
予測はしていたので、しっかりと踏ん張って突進してきたものを受け止める。

ぎゅうっと腰に回された腕に、懐かれた事への喜びを実感しつつ、手に持っていたシーツを広げる手を止める。
振り返って、下へと視線を落とせば、肩越しに茶色の髪がぴょこぴょこと動いていた。
ぐりぐりと腰に押し付けられる頭を撫でるべく、レオンは中断していた作業を再開し、手早くシーツを物干し竿にかけて、洗濯バサミで留める。
ふわっと拭き抜けた風にシーツがはためき、眩しい白が青空に映えた。
シーツの両端を軽く引っ張り、シワが伸びたのを確認して、よし、とようやく空いた手で腰にまとわりついているものを撫でた。


「ソラ、外でリク達と遊んでたんじゃなかったのか?」
「んー。でも、レオンせんせーがいるのがみえたから」


撫でる手にごろごろと嬉しそうにしながら、レオンの言葉に応えるのは、このヒカリ保育園で預かっている、ソラと言う子供だった。
無邪気で明るく、直ぐに誰とでも打ち解ける、人懐こい子供。
初めてヒカリ保育園に来た時も、物怖じする様子もなく、あっと言う間に馴染んでしまった。
少々やんちゃが過ぎる所もあるが、子供のした事と思えば可愛い範囲である。
職員にもよく懐いており、彼が保育園に来た日は、いつも賑やかな園内が一層明るくなるように思う。

そんなソラが一等気に入っているのが、レオンであった。
レオンは今年で四年目になる保育士で、よく気の付く性格、面倒見も良い事で、職員にも子供達にも人気がある。
遊戯室ではレオンの取り合いが始まる事も珍しくはなく、時にはケンカに発展することもあった。
その為、基本的にレオンは遊戯室に留まる事は少なく、昼食の準備や事務仕事、洗濯等を行う事が多い。
しかし、レオンと遊びたい、レオンと一緒にいたいと言う子供は、職員室や洗濯スペースにいるレオンを見付けては、突進して来る事もあった。
その頻度が最も多いのがソラである。

レオンがしばらくソラを撫でている間に、ソラも一頻り甘えて気が済んだか、「ふぁ~」と満足そうな声を漏らして、レオンの腰から顔を上げる。
が、抱き付く腕は離れないままで、レオンは残りの洗濯物を片付ける事が出来ない。


「ソラ、ちょっと離れてくれ。洗濯物が取れないから」
「おれがとってあげる!」


ぱっとソラが離れて、レオンの足下に置かれた洗濯籠から、シーツを掴む。
持ち上げたシーツは、子供用の大きさなので、レオンにとっては小さいが、まだ幼いソラにとってはそうではない。
短い手足を一杯に伸ばして引っ張り出したシーツは、端を洗濯籠の中に収めたまま、持ち上がりそうになかった。
うんうんと頑張ってシーツを持ち上げようとするソラに、レオンはくすくすと笑って、シーツを握る。


「ありがとう、ソラ。助かる」
「うん!」


レオンの言葉に、ソラの笑顔がぱっと咲いた。
褒められると素直に喜ぶのが可愛らしくて、レオンはついつい頬が緩む。

するりと浮いたシーツを広げ、物干し竿にかけていると、


「はい!」
「────ああ。ありがとう」


ソラが差し出したのは、洗濯バサミだ。
ソラはレオンが洗濯物をしていると、よく構って貰いに来ている。
お陰で洗濯物作業の手順をすっかり覚え、最近は手伝う姿もすっかり様になって来た。

レオンが洗濯バサミでシーツを留めている間に、ソラは次のシーツを籠から取り出していた。
様になって来た手伝いとは言え、子供のする事なので、要領は決して良くない。
先と同じく、持ち上げきれないシーツにうんうん唸るソラに微笑みつつ、レオンはシーツを受け取った。


「これで、……最後、と」
「おわった?」
「ああ」


最後の一枚を物干しにかけると、ソラがきらきらとした目で言った。
レオンがこっくりと頷くと、「わーい!」と万歳をして喜ぶ。
そのまま、ソラは勢いよくレオンに抱き付いた。


「おっ、とっと」
「へへへー。レオンせんせー、いい匂いするー」


もう一度しっかりとレオンの腰にくっついて、ソラは嬉しそうに言った。
くんくんと子犬のように鼻を鳴らすソラに、レオンは汗の匂いじゃないだろうな、と少し恥ずかしくなったが、


「なんかあまい匂いするよ」
「……ああ。洗濯している間に、おやつを作っていたから、それかな」


今日の三時のおやつはチョコレートを使ったマフィンだ。
その時の匂いがエプロンに残っているのだろう。

おやつ、と言う単語を聞いたソラは、判り易く頬を上気させる。


「今日のおやつ、なに?」
「チョコレートマフィンだよ。一杯作ったから、取り合いしないで、仲良く食べるんだぞ」
「うん!」


返事の良いソラであったが、果たしてこれが何処まで守られるやら、とレオンは眉尻を下げて苦笑した。
ソラは食べるペースが速く、大抵、一番に自分のおやつを食べ終わる。
他の子供達がまだ食べているのを見ている時、彼は判り易く、もっと食べたい、と全身で訴えていた。
他の子のおやつは食べちゃ駄目、とは言われており、彼もそれを理解していない訳ではなかったが、幼い子供にとって食べ物の誘惑とは絶大である。
我慢出来ずに、よく一緒に遊んでいるリクやカイリに「一口ちょうだい」とねだるのはよくある事だった。
リクとカイリはそんなソラに慣れているのか、一口だけ、と言って食べさせている。


(あれもあまり良くないみたいだが…)


ソラが「一口ちょうだい」と言う事、リクとカイリがそれを許している事。
レオンから見ている分には、仲の良い子供達の微笑ましい光景なのだが、子供達の中には、「一口ちょうだい」の分だけソラが得をしているように見えるらしい。
何人かの子供が、「ソラ君だけずるい」とレオンに訴える事もあった。


(かと言って、ソラの分だけ増やしたり、大きくしたりする訳にも…)


空っぽになった籠を持ち上げ、給湯室に向かうレオンの後ろを、嬉しそうについて来るソラ。
無心に慕ってくれる幼子に、レオンも決して悪い気はしなかった。
しかし、だからと言って彼だけを特別扱いする訳にも行かない。

給湯室に洗濯籠を片付けると、手ぶらになったレオンの手を小さな手が握る。
視線を落とせば、嬉しそうに頬を赤らめて笑う子供と目が合った。
きゅっと小さな手に篭る柔らかい力を感じつつ、「外に行こうか」と言うと、ソラは嬉しそうに頷いた。

連れ立って園舎玄関へ向かって廊下を歩いていると、


「あのさ、レオンせんせーはさ」
「うん?」
「コイビトっている?」


唐突な子供の問いに、レオンはきょとんと目を丸くした。
少しの間固まるように沈黙していたレオンだったが、数秒後には復帰する。


「恋人はいないな」
「じゃあ、すきなヒトっている?」


また唐突な質問だ、と思いつつ、子供の質問は大抵唐突なものだと思い出す。


「好きな人か……」
「うん。いる?」
「どうしてそんな事を聞くんだ?」


きっとテレビアニメか何かの影響だろうと思いつつ、レオンは尋ねてみた。
ひょっとしたら、同い年だけれど少しマセているリクに何か教わったとか、女の子のカイリにちょっと特別な感情を持ったのかも知れない。
カイリはヒカリ保育園で預かっている子供達の中でも、一番可愛いと人気がある。
若しも彼女に初恋をしているのなら、少し応援してやりたいな────と思っていた時だった。


「だってさ、すきなヒトにすきなヒトがいたら、こまるじゃん」
「まあ……そうだな」
「カタオモイってつらいんだって、リクとカイリが言ってた」
(何のアニメを見たんだ?いや、ドラマか…?)


子供向けアニメは、保育園に来る子供達とのコミュニケーションの為にも、逐一チェックしている。
レオンが子供の頃と違い、最近は子供向けでも随分と凝った設定のものが増えた。
ストーリーも深みがあり、大人が見て唸る代物も少なくない。

しかし、子供の見るアニメで恋愛を推すような物はなかったように思う。
主人公の女の子が、作中でも格好良いと人気の男の子に片恋をしていると言う設定はあるが、今の所、それについて深く掘り下げたストーリーは放送されていない。
となると、親が見ているドラマ等を見たのかも知れない。

等と、つらつらと特に意味もなく考えて、


(……ん?)


ふ、と。
先のソラの言葉に、今更に引っ掛かりを感じて、首を傾げた時だった。


「レオンせんせー」
「ん……あ、ああ。なんだ?」


繋いだ手をくいくいと引っ張られて、レオンは自分が呼ばれている事に気付いた。


「せんせー、すきなヒトいる?」
「あ……いや……」


改めて向けられた問いに、意識半分でぼんやりと答えた。
途端、それを聞いたソラの表情が、夏の太陽に眩しく輝く。


「よかった!」
「良かった…?」
「うん。おれ、レオンせんせーがすきだから、レオンせんせーにすきなヒトがいたらタイヘンだった」


何がどう大変なのか、レオンにはソラの考えが判らない。
しかし、真っ白で無垢な魂は、何処までも真っ直ぐに、レオンへと向けられている。


「せんせー。おれ、レオンせんせーのこと、だいすきだよ」


その言葉は、子供の正直な気持ちそのものだろう。
隠されるものなど何一つなく、裏も表もある筈もなく、心のあるがままに言葉を紡ぐ。

繋いだ小さな手に力が篭って、熱い熱いものがレオンの手のひらに注がれて行く。
レオンの手が微かに震えて、それが伝わったのか、ぎゅっと強い力で握られたのが判った。


「だから、センセー。おれ以外にすきなヒト、作らないでね」


見上げる大きな丸い瞳は、何処までも真摯で嘘がない。
心の底からそう望んでいるのが判って、レオンは一瞬、どう反応して良いのか判らなかった。
子供の我儘、大好きな物を一人占めにしたい幼い独占欲────そう思えば、そう思える。
けれども、その奥底に、もっと違う、もっと強い感情が滲むようにも見えた。

握った手に引っ張られて、園舎の玄関から外に出た。
園庭で遊んでいた子供達が、ソラとレオンを見付け、一斉に集まってくる。
レオンと手を繋いでいるソラに、ずるいずるいと子供達が言ったが、ソラは決してレオンと繋いだ手を離そうとはしない。
その一途さが可愛くて、ほんの少しだけ、小さな手を握り返す。

丸い瞳が驚いたようにレオンを見上げ、大福のような頬が赤らんで、子供はとても嬉しそうに笑った。





保育士なレオンに唐突に萌えたので書き散らしてみた。

KH参戦FF組は皆スタッフ。クラウドは後輩スタッフ。
子供はソラ、リク、カイリの他にロクサスとかも(他の五つ子については未プレイの為イメージ出来ず…)。
将来的にソラレオになると良いなー。
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[フリスコ]だってこんなに近いんだ

  • 2015/04/14 22:02
  • カテゴリー:FF


ワン、ツー、スリー、フォー。
数え数えに、ステップを踏む。
一つ、二つと足を動かし、地を踏んで、くるりとターン。

その都度、足が縺れてリズムが止まる。


「す、すまない」


詫びるフリオニールの顔を見上げて、スコールは「別に」と言った。
繋いでいた手を解いて、もう一度絡ませ、もう一度初めからリズムを刻む。

────事の始まりは、やはりと言うか、相変わらずと言うか、バッツであった。
踊り子なる職業をマスターしていると言う彼に、劇団員として踊りはお手の物と言うジタンが乗り、ティーダがブレイクダンスとヒップホップなら行けるっス!と更に乗った。
更に、ワルツなら踊れるよ、とセシルが乗り、クラウドが踊りで舞台に立った事があると言い出した。
話の流れで、スコールもダンスの授業は受けていると言ってしまい、案の定、此処に賑やか組が食いついた。
記憶にあるのはセシルと同じワルツだが、世界背景とでも言うべきか、動きやステップの踏み方には若干の差異が見られ、こうなると他のメンバーの世界ではどう言う踊りが主流なのかと言う話で花が咲いた。
前述にない四名───記憶のないウォーリアを筆頭に、フリオニール、ルーネス、ティナ───は話を聞いていただけだったが、ジタンがティナをダンスに誘った所で、秩序の戦士達のささやかなダンスパーティーが開催された。

パーティーは10人の戦士の内、唯一の女性であるティナを、踊れる男性陣が順番にエスコートすると言うもの。
ルーネスが心底苦い顔を浮かべていたので、順番が終わったセシルとスコールで、彼に簡単なステップを教えた。
物覚えの良い彼は直ぐにリズムとステップを覚え、リレーの最後には彼がティナと共に踊った。
初々しく、楽しそうに踊る二人を囲むように、ジタンとバッツ、ティーダとクラウド、セシルとスコールもそれぞれペアになって踊る事となる。
ジタンとバッツは軽業のようなアクロバットダンスを、ティーダとクラウドは、クラウドが一人で奇怪な踊りを見せた為、ティーダは笑い転げてダンス所ではなくなっていた。
スコールは最後まで抵抗したのだが、セシルの笑顔になし崩しにされ、ワルツの相手役をする事になってしまった。
それに関してはスコールは余り思い出したくないのだが、それでも、概ね、ダンスパーティーは盛況の内に終わったと言って良い。

そんなダンスパーティを終始眺めていたのは、ウォーリアとフリオニールだ。
二人ともバッツやジタンから誘われていたのだが、二人とも踊り方が判らないと言った。
楽しそうに過ごす仲間達を見ているだけで、彼等は満足していたようだが、バッツが「楽しい事はやっぱり皆で共有しようぜ」と言った事で、二人にもダンスが踊れるようにとレッスンが企画される事になったのだ。
次いで、ティナが「もっと上手に踊れるようになりたい」と言ったので、相手役のルーネスと併せて、彼女もダンスレッスンに参加する事が決まった。

踊り所かリズムの取り方も判っているか怪しいウォーリアには、バッツとセシルが教える事が決まり、ティナとルーネスにはセシルとジタンが教える。
クラウドとティーダは、覚えている踊りのジャンルが他のメンバーと大きく異なる事もあり、ウォーリアについて拍を数えたりと言う形で参加した。。
そして、フリオニールにはスコールが教える事が決まったのである。

スコールの本音としては、面倒な事になった、の一言であったが、ダンスを教われると聞いたフリオニールの、照れくさそうな嬉しそうな笑顔に絆された。
生徒としてのフリオニールは真面目だし、リズムの取り方も判っていたので、教える側としては比較的楽な方だろう。
とは言え、経験が殆ど無いと言う人間に、一から教えると言うのは、中々根気のいる事であった。


「────うわっ、」


縺れた足でバランスを崩し、がくっとフリオニールの体勢が傾く。
伸し掛かるように倒れ込んで来た長身を、スコールは踏ん張って支えた。


「わ、悪い、スコール……」
「…謝るのはいいから、ちゃんと自分で立ってくれ」


自身よりも身長がある上、確りとした筋肉のついたフリオニールの体は、見た目相応に重量がある。
それに押し潰されるほどスコールは柔ではないが、体重全てを預けられるのは辛い。

押し返すスコールの力の補助を受けながら、フリオニールは地面に両足を置いてきちんと立った。


「難しいな……」
「…まあな。でも、全然経験がなかった事を考えたら、上達は早い方だ」
「そ、そうか?だったら嬉しいかな」


スコールの言葉に、フリオニールははにかむように笑う。

スコールの言葉は世辞ではなく、フリオニールの飲み込みは早かった。
簡単なステップは、ルーネスに教えた時と同様に直ぐに理解したし、リズム感も悪くない。
少しずつレベルを上げ、複雑なステップを教えるようになると、何度か足を縺れさせはするものの、時間の問題で直に克服する。
今躓いている所も、繰り返していれば、無理なく出来るようになるだろう。

フリオニールは自分の足元を見下ろして、記憶を辿りながら足を動かしている。
赤い瞳が至極真剣な顔で、リズムの数字を刻んでいるのが、スコールには少し面白かった。
────と、足元を見ていた赤い瞳が前を見て、スコールを映し、


「あ……その。俺、何か間違えたか?」
「……?」


フリオニールの不意の問いに、スコールはことんと首を傾げた。
不思議そうな表情を浮かべるスコールに、フリオニールは握っていた手を解いて頬を掻く。


「笑ってたように見えたから、変な間違い方をしたかなと思って」
「……別に。何も間違えてはいないし、…笑ってない」
「そ、そうか?」
「……そう見えたなら、悪かった」


真面目な顔でダンスレッスンに取り組むフリオニールに、面白い、と思ったのも事実。
スコールの故意ではないにしろ、失態を笑われたと思うような表情をしていたのなら、詫びるべきだと思った。
すると、今度はそれを受けたフリオニールが慌て、


「い、いや、スコールが謝る事はないんだ。俺は、その、こうしてるの、楽しいし」
「……楽しいか?こんな事…」


スコールには、ダンスは授業で教わったスキルとして以外に、意味のないものだった。
体育の授業として取り組まれたダンスは、当然、内申点にも響くし、ダンスホールと言うものは、潜入任務の種類によっては考えられない場所ではないので、授業を熟す事には抵抗はなかったが、必要が無ければ踊りたくないのがスコールの本音である。
止む無く踊った事がある記憶があるような気もするが、それらを詳しく思い出す事は出来なかった。
だから、先日の秩序の戦士のダンスパーティーの時も、セシルに無理やり相手役をさせられるまで、踊り手を拒否していたのだ。

しかし、フリオニールはダンスが「楽しい」と言う。
今まで経験がない事をしているからかも知れない、とスコールは思った。
フリオニールのような素直な人間なら、未知の経験と言うものは、心を躍らせるものなのかも知れない、と。


「……続けるぞ」


思考ばかりを巡らせていても仕様がないと、スコールはフリオニールの手を取った。
きゅ、と柔らかく握ると、さっきまで自然な動きをしていたフリオニールの手が、緊張したように強張る。


「……あんた、もうちょっと力を抜け」
「う、うん」
「固くなるから足が縺れるんだ」


一人で練習させてみると、フリオニールは教えた手順を綺麗に流して見せる。
少し複雑な所でモタつく事もあるが、其処は慣れの問題だ、とスコールは考えていた。
後は数をこなす事と、実際に相手役がいた時、自分の動きだけに集中する訳には行かないので、その練習を繰り返すのみだ。

───が、相手がいた時の練習と言うものが、中々進まない。
一人では上手く出来ていた筈のステップが、二人で踊る形となると、ガチガチになって上手く捌けないのだ。


「右、左、右、左…」


一定のリズムを刻みながら、足運びを誘導するように移動先を口にするスコール。
フリオニールは足元を見て、スコールの指示通りにステップを踏んでいる。


「右、右、左」
「え、あ、あっ」
「うわっ」


ステップの進みが僅かに変わった所で、またしてもフリオニールは躓いた。
間違えて踏み出した足を戻した拍子に、体重のバランスが崩れ、身体が倒れる。
掴まるものを求めてか、重ねていたスコールの手が握り締められ、スコールは諸共に倒れる羽目になる。

どさっ、と倒れ込んだ二人を、草いきれが受け止めた。
フリオニールの上に覆い被さる形で倒れたスコールは、直ぐに起き上がって土埃を払う。


「すまない、スコール。大丈夫か?」
「問題ない」


フリオニールも起き上がり、背中についた土埃を払った。
その傍ら、彼は野性味のある目許を、すっかり弱ったように下げ、


「やっぱり駄目だな、俺。上手く出来る気がしない」
「……あんたは筋が良い方だと思うけど」
「スコールにそう言って貰えるのは嬉しいけど、でも、向いてないんだよ、きっと。一人でならなんとか行けそうな気もするけど、なんか…スコールに手を握られると、緊張してしまって」


フリオニールの最後の言葉に、スコールは小さく肩を揺らした。
蒼い瞳が、苦笑いする紅から逃げるように逸らされる。


「……じゃあ、セシルかジタンと交代する」
「え?」
「……俺が相手だと嫌なんだろ」


そう言って、ふいっと背を向けるスコールに、フリオニールは一瞬ぽかんと目を丸くした。
が、遠退いて行くスコールを見て、慌ててフリオニールはその背中を追い駆ける。


「待ってくれ、スコール。緊張って言うのは、嫌だって訳じゃなくて…」
「どの道、俺相手が上手く行かないなら、他の誰かと変わった方が良い」
「い、いや。それは……その……」


何かを言いかけて止める事を繰り返していうr内に、歩を進めるスコールの後ろを歩いていたフリオニールの足が止まる。
彼が立ち止まった事を、スコールは気配で感じていたが、構わずに歩き続けた。

気を遣い屋で素直なフリオニールの事だ。
苦手としている相手が練習相手となって、その意識がどうしても表に出てしまい、かと言って教わっている手前、先生を変えてくれと言うのは言い出し辛いだろう。
しかし、こう言うものは、苦手意識のある相手と練習した所で、発展は望めまい。
単位に響くような授業なら、スコールは割り切って練習するように努力する───或いは、相手を仮想して徹底的に、それこそ起こりうるであろうミスのカバー方法まで───所だが、今回はそうではない。
この練習は、あくまで仲間達と楽しむ為のものであり、無理を押してまで練習に勤める必要はないのだ。

────そう、スコールが考えていた時、


「俺は、スコールから教えて貰いたいんだ」


聞こえた声に、スコールの足が止まる。

振り返ると、フリオニールは立ち止まった時と同じ場所にいた。
其処から見詰める彼の貌が、湯気が立ちそうな程に真っ赤になっている。

スコールは体の向きを変え、一つ溜息を吐く。


「……俺が相手だと緊張するんだろ」
「あ、ああ」
「だから失敗続きなんだろ」
「それは、その…うん……」
「だったらやっぱり誰かと変わった方が良い。上手くなりたいなら、相手を変えるのだって選択肢の一つだ。合わない相手に、無理に合わせようとしなくて良い」
「いや、その───あ、合わないなんて事はないんだ。本当に」


尚も弁解しようとするフリオニールに、スコールはもう一度溜息を吐いた。
それが呆れの表れに見えたのだろう、フリオニールは慌てて続けた。


「い、嫌な緊張じゃないんだ。上手くやろうって思う緊張、みたいな感じで。それに、スコールに手を握られると、なんだか無性にドキドキして、だから、いや、スコールが悪いって言ってるんじゃなくて、俺が勝手に……」


言葉を重ねる度に、フリオニールは焦っていた。
見て取れるその慌て振りで喋り続けるフリオニールに向かって、スコールは足を踏み出した。


「だから、その、俺は、練習するならスコールが良い────」


其処まで言って、フリオニールの言葉はようやく止まった。
その時には、二人の距離はすっかり縮まり、一歩分のスペースすらもない。

スコール、とフリオニールが名を呼ぼうとした時だった。
徐に持ち上がったスコールの手が、フリオニールの手を握る。
ぎくっとしたように固まるフリオニールだったが、僅かに低い目線から見上げる蒼に射抜かれて、心臓が一度大きく跳ね、ゆっくりと静まって行く。


「ス、スコー、ル、」
「……取り敢えず、あんたはこの状態に慣れろ。続きはそれからだ」


ぎこちないフリオニールに対し、スコールは平時と変わらない声で言った。
見上げる蒼には苛立ちのような感情は一切感じられず、深い深いその色に飲み込まれたように、フリオニールは小さく頷いた。

フリオニールの心臓の鼓動は、煩いほどではないが、鎮まる事なく、少しだけ早いリズムを打っている。
けれども、指の先まで伝わっていた筋肉の緊張は、少しずつ解れているように思えた。
その傍ら、こんなに近くで見た事はなかったな、と、いつも逸らされ勝ちの蒼を見詰める。



感情を映さない蒼い瞳の傍らで、彼の耳が熟れたように赤くなっている事を、フリオニールは知らない。





衝動的に踊ってるフリスコが書きたくなったので、リハビリも兼ねて殴り書き。
こんな二人だけど付き合ってない。相手を意識している事もない。無自覚フリスコ萌え。

タイトルはフリオの心中です。
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[カイスコ]答えはきっと最初に出ていた

  • 2015/04/08 22:18
  • カテゴリー:FF


指先が触れるだけで、白い頬が赤くなる。
そんな顔を見て、これ以上の事をしたら、どんな顔をするのだろうと思いを馳せる。

触れ合う事が苦手なんだと言った少年は、苦手を通り越して、恐怖を抱いているように見えた。
それは強ち間違いではなく、彼はカインが少しでも触れる素振りを見せるだけで、身構えるように表情を硬くした。
そんな反応を見せられて、強引に距離を近づけられる程カインに大胆さはない。
遠慮なく抱き着いて行くジタンやバッツをひっそりと羨みつつ、カインはゆっくりと、じっくりと、彼との距離を縮めて行くように心がけた。

その努力の甲斐あって、カインはようやく、彼と恋人らしい距離まで近付く事が出来た。
しかし、距離を近付けても、まだまだ彼の緊張は解けない。
決して怖がらせたい訳ではないのだと思うと、やはり、カインは可惜に踏み込む事は出来なかった。

───と、思いつつも、既にじれったい程に待っていたカインである。
色々な当番の都合で、運良く二人きりになった見張り番の最中、カインは遂に言った。


「キスをしても良いか、スコール」


カインの言葉に、スコールは一瞬呆けたように口を半開きにし、その後、沸騰したように真っ赤になった。
初心なその反応に、可愛らしいものだ、と兜の下でこっそりと笑う。

其処に至るまでの自分の葛藤や、スコールへの配慮と言うものを、カインはきちんと説明した。
ある意味、それは卑怯な事だと言えるだろう。
これだけ我慢したから、此処から先は此方の我儘を聞いてくれ、と言っているようなものだ。
存外と聡く、人目を気にするスコールであるから、其処まで懇切丁寧に話さなくても、カインの胸中の蟠りは感じ取っているだろうとは思ったが、それでも、カインは一から十までを話して聞かせた。
ずるい大人に翻弄される少年に、申し訳なさを抱きながらも、やはり、カインとて男である。
好いた相手に触れたいと言う欲求は、無視できるものではなかった。

真っ赤になったスコールの顔が、ゆらゆらと揺れる火に照らされている。
深い蒼灰色の瞳の中で、黄色と橙色が閃いた。
色の薄い唇が戦慄き、言葉を探すように、閉じては開いて、また閉じてと繰り返される。
その唇に手を伸ばし、指先を押し当てると、ピクッ、とスコールの肩が小さく震え、唇が引き結ばれた。


(拒否は、しないんだな)


いつであったか、冗談でバッツがスコールの頬にキスをしていた事がある。
愛してる!と言いながら、スコールの髪をくしゃくしゃに撫でて、押し付けられていたバッツの唇を、スコールは容赦なく拳で押し除けた。
その後、気持ち悪い、と言って頬を拭うスコールに、バッツは判り易く傷付いた顔をして見せる。
そんな二人の傍らで、ジタンが腹を抱えて笑うのを、カインは遠巻きに眺めていた。

基本的に声を上げて主張する事が少ないスコールだが、気に入らない事は気に入らないとはっきりと言う。
そんな彼が、唇に触れる指を拒否する事もなく、噛み付くような真似もしないと言う事は、その程度にはカインは受け入れられていると言う事だろう。
が、其処から先については、まだ判らない。


「スコール」
「……っ」


名を呼ぶと、指先で柔らかい唇が微かに震えた。


「あ……う……」


薄く開いた唇から、意味を成さない音が漏れる。
カインは、唇に触れた指を滑らせ、シャープなラインを作る顎を摘んだ。
赤い顔を隠すように俯こうとするスコールを、くん、と上向かせてやる。


「答えないなら、勝手にするぞ」
「待っ……」


問答無用で口付ける強引さの代わりに、見せかけの選択肢を与える。
答えればスコールの心に沿う、と言えば、スコールは慌てて停止させていた思考を回転させ始めた。

目深の兜の隙間から、僅かに覗く男の瞳を、スコールは見る事が出来ない。
平時でさえ、殆ど人と目を合わせようとしないのだ。
こんな状況では尚更で、スコールの視線は目の前の男から逃げ、助けを求めるように静かなテントを見遣る。
三つ並んだテントの内、左側のテントに彼と懇意にしている仲間達が眠っている。
いつも狙ったようなタイミングで、二人の間に割り込んで来て、スコールを浚って行く賑やかな仲間達は、今日ばかりは乱入して来る様子はない。
これ以上のチャンスはない、とカインが思う傍ら、どうしてこんな時だけ、とスコールは思っていた。

お互いの顔を近い距離に留めたまま、時間は流れる。
見張と言う役割を思えば、こんな事をしている場合ではないのは、二人とも判っていた。
片や軍属、片や傭兵、場所は鬱蒼とした森の中、魔物も模造も混沌の戦士も、いつ現れても可笑しくない。
しかし、今でなければ次はいつになるか、と言う事を思えば、やはり今しかチャンスはないのだ。


「う…あ……」
「スコール」
「……待、待て…ちょっと、離れろ…っ!近過ぎる…っ!」
「そうだな。だが、断る」


離れる気はない、と、カインの左手がスコールの腕を掴んだ。
ビクッとスコールの体が震える。
そうして怯えたような反応をするから、カインはずっと配慮を忘れないように努めていたのだが、


(お前は、拒否を示していない)


それなら、答えは一つしかないだろう。

カインはゆっくりと顔を近付けた。
ただでさえ赤いスコールの顔が、益々赤く火照って行く。


「カ、カイン…っ!ま、待て、待てって言ってる…!」
「言っただろう。俺はもう十分待った」


この感情を自覚して、想いを繋げて、怯えるように緊張する彼を少しずつ宥めた日々。
欲しいと思う感情を押し殺し、背伸びをしたがる彼の等身大の歩幅に合せて、ゆっくりと距離を近付けた。
其処までしたなら、後少し待って、とスコールは思っているかも知れない。
だが、その“後少し”が、カインにとってはいつ果てるとも知れない長い時間になり得るのだ。

近付く唇に、スコールがぎゅうっと自身の唇を噛み締めた。
カインの手に捕まれた腕が、ふるふると微かに震え、意を決したように拳が握られて、


「兜…っ!せめて、兜外せ…っ!」


絞り出すように言ったスコールに、カインの動きがぴたりと止まる。

龍を模した兜は、目許を隠す程に目深に被られている。
暗黒騎士の姿のセシル程ではないが、カインの兜も彼の表情をすっかり覆い隠していた。
兜の前先端は、龍の口を模して尖っており、これ以上顔を近付けると、間違いなくスコールの額を小突く羽目になる。

近付いていた顔がすっと離れて、スコールはほっと息を吐いた。
かちゃり、と金属の鳴る音の後、さらりと長い金色の髪が流れ落ちる。


「これで良いな?スコール」


口付けるのに邪魔になるそれを、外せ、と言ったスコール。
それは受け入れた証であると言うカインに、スコールは抗議しようとしたのだろう、引き結んでいた唇を開けた。

が、それ以上の言葉が彼の唇から紡がれる事は、なかった。





4月8日なのでカイン×スコール!
私の中で、カインは一応紳士なイメージ。大人。待てる限りは待って、スコールに合わせてくれる。
でも溜まりに溜まると爆発もするよ。その時は、紳士的に強引に行くと良いな!
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[レオスコ]ずっとずっと、欲しいもの

  • 2015/03/14 21:59
  • カテゴリー:FF


バレンタインの定番と言えば、チョコレートと相場が決まっていると言われているが、それではホワイトデーの定番は何だろう。
一応、スーパーやコンビニのホワイトデーコーナー等には、チョコレートやキャンディ、スナック菓子の詰め合わせ等が置かれているが、特にこれが良いと決まっている訳でもなさそうだった。
テレビの特集でインタビューに答える女性はと言うと、そこそこ即物的で、ウケ狙いなのか本気なのか、ブランド物のバッグだとか、アクセサリーだとかを欲しがっている。
別に、店のこれみよがしのポップや、恣意的な編集が其処此処に見られるテレビを真に受ける事はないので、此方については割とどうでも良いと思っている。
が、“これ”と言うものが一つでもあれば、ホワイトデーで頭を悩ませる男の多くは、気が楽になるのではないだろうか。

スコールも、そんな男の一人である。
世の男達とスコールの違う所はと言うと、お返しを贈る相手が女ではなく、男であり、実の兄だと言うこと。
そして、───恐らく───本来ならば、スコールはバレンタインに贈る側であり、ホワイトデーはお返しを貰う側になる筈だったと言う事。
後者については、スコールが行事事に疎いタイプであった為、それを解っている恋人からチョコレートを渡され、「ホワイトデーにはお前から」と約束された。
行事には疎いが、一ヶ月前の恥ずかしさと嬉しさと、申し訳なさは、簡単に忘れられるものではない。

かくてスコールは、近所のコンビニにホワイトデーの看板が見え始めた頃から、お返しって何を渡せば、と考え続けていた。
しかし、ホワイトデー当日となって尚、スコールは贈り物を決める事が出来ない。
スコール自身もそうだが、兄レオンは輪を持って物欲がない。
必要なものは、殆どが仕事に有用であると言う類で、趣味と言えば読書───と言うが、あれは好きでやっていると言うよりも、他に時間を潰す方法が思い付かないと言うものだ。
そんな彼が、仕事と関係なく興味を持っているものと言ったら、シルバーアクセサリーだが、それこそスコールがプレゼント出来るようなものではない。
そもそも、学生であるスコールが、一社会人であり、それなりに稼ぎのある男に贈れるもので、見劣りしないものを選ぶのが無理難題であった。

それでもスコールは、彼に何かを渡したかった。
バレンタインの事もあるが、レオンは兄として、恋人として、スコールに愛を注いで已まない。
そのむず痒い程の愛情の奔流に、スコールも少しでも応えたかった。
普段、専ら受動的であるスコールの、精一杯の“お返し”であった。

だが、悩んでも悩んでも、彼が喜んでくれそうなものは思い付かない。
結局スコールは、サプライズと言う点を割り切って諦める事にし、彼に直接聞いてみる事にした。


「俺が欲しいもの?」
「……何か、ないかと思って。俺が考えても判らなかったから…」


土曜日の昼、昼食を終えて、リビングのソファでのんびりとしている所へ、スコールは問い掛けてみた。
何か欲しいものはないか、と直球に。
レオンはきょとんと首を傾げたが、カレンダーの日付を見て、スコールの問いの理由を察した。


「バレンタインに言った事、本気にしてたのか」
「……冗談だったのか?」


くすくすと笑う兄に、スコールの眉間に深い皺が刻まれる。
あんなに悩んだのに、と湿気のある瞳がレオンを睨むと、レオンは首を横に振り、


「いや、本気だった。本気だったが、そこまで悩んでくれるとは思ってなかった」


レオンとしては、バレンタインに贈った一言は、期待を籠めてはいたものの、忘れていても仕方がないと思っていた。
覚えていてくれたら、コンビニで売っている駄菓子なり何なり、夕飯のメニューを奮発してくれるでも良かった。
それなのに、当人に直接問う程に真剣に考えてくれていたと知って、レオンは頬が緩むのを堪えられない。

嬉しそうに笑うレオンに、スコールは眉間の皺を更に深くするが、その頬は真っ赤に染まっている。
揶揄われたと言う怒りからか、似合わない事をしたと言う恥ずかしさからか。
恐らくはその両方で、更に言えば、兄が随分と嬉しそうな顔をしているから、だ。

恥ずかしさに耐え兼ねて、スコールは素っ気ない口調でレオンを急かした。


「それで、ないのか。本とか、何か、そう言うの」
「そうだな……」


レオンは顎に手を当て、熟考するように視線を上へ向けた。
うーん、と考えるレオンを睨むように見詰めつつ、無いって言われたらどうすれば良いんだ、とスコールは考えていた。

点けっ放しのテレビから流れていたコマーシャルが終わって、番組の続きが始まった頃だった。
レオンは、ソファに並んで座っていたスコールの肩を抱き寄せて、突然の事に目を丸くする弟に顔を近付けて言った。


「お前が欲しいな」
「…………は?」


レオンの言葉に、スコールはぽかんと口を開けた。
いつも気を張って大人びている表情が、年相応の少年の顔になっている。
そんなスコールに、可愛いな、と思いつつ、レオンは続けた。


「俺は、お前以外に欲しいものはない」
「……!」
「だからお前が欲しいな、スコール」


ようやく理解が追い付いて、スコールの顔が茹でたように一気に赤くなる。
その貌をレオンがじっくり見ていると、至極近い距離に気付いたスコールが、今更になってじたばたともがき始めた。


「ちょっ…は、離せ!」
「駄目だ。俺の欲しいものをくれるんだろう?渡して貰うまでは離さない」
「バカ言うな!大体、今更あんたに渡せるようなものなんて……」


其処まで行って、スコールの言葉は途切れた。
おや、とレオンがスコールの顔を見ていると、赤い顔が更に上書きしたように真っ赤になる。
レオンはしばしその顔を見詰め、ああ、と弟が沸騰した理由を悟った。


「もう全部あげてるって?」
「…ち、ぁ……うぅ……」


兄の言葉に違う、と言おうとして、それも違う、と思った。
スコールは口をぱくぱくと開け閉めして、湯気を出して俯いてしまう。
赤らんだ顔を誤魔化すように、レオンの肩に額を押し付けたスコールだが、首まで赤らんでいるのを見られているとは知らない。

レオンは、肩に顔を埋めるスコールの頭を撫で、柔らかな髪の毛を梳きながら囁いた。


「確かに、全部貰ってるんだろうな。でも、俺はもっとお前が欲しい」


耳元で囁かれる低く通りの良い声に、スコールは体の奥がじんわりと熱を帯びるのを感じていた。
抱き締める男の体に腕を回して、ぎゅう、としがみつけば、閉じ込める腕の檻が力を籠める。


「…もっとも何も…あんたの好きにすれば良いじゃないか…」
「俺が勝手に貰うのと、お前からちゃんと貰うのとじゃ、訳が違うだろう」
「違わなくないだろ…」


───と、反論したスコールではあるが、レオンの考えている事が理解できない訳でもなかった。
お気に入りのアクセサリーでも、自分で買ったものと、レオンに貰ったものとでは、思い入れが違う。
自分で買った分は、それまでの労もあって大事にしようと思うが、レオンから貰ったものは、“レオンから貰った”から、もっと大切にしようと思う。
些細なようで大きな違いは、決して同一になる事はない。

スコールは、レオンの肩に埋めていた顔を、そろそろと上げた。
見下ろす柔らかな蒼灰色とぶつかって、反射的にもう一度俯きそうになるが、寸での所で留まった。
スコールの蒼は迷うように、躊躇うように少しの間彷徨った後、


(……これ、…“お返し”になるのか……?)


一抹の疑問を覚えつつ、スコールはそっと、レオンの頬に唇を押し当てた。
柔らかいものが頬に触れるのを感じて、レオンの目許が緩む。

────と、離れようとしたスコールの顎をレオンの指が捉え、唇が重なった。


「んぅ……っ!?」


取り戻せる筈だった呼吸が再び塞がれて、スコールは目を瞠った。
すぐ其処に在るのは睫毛の長い眦で、頬や首下にくすぐったさが当たって、ふるり、とスコールの肩が震えた。

ちゅ、と舌唇を吸われて、ようやく解放される。
茫洋と、熱に酔うようにふわふわとした感覚に支配されて、スコールは兄を見上げた。



「ホワイトデーのお返しと言えば、“三倍返し”だろう?」



楽しそうに、嬉しそうに、少しだけ意地が悪そうにレオンに、スコールの顔がまた紅に染まった。





レオスコでホワイトデー!
いつも通りいちゃいちゃしているだけw

この後のいちゃいちゃは、スコールの方から頑張る方向で。三倍返しですから。
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[オニスコ]本日、休息日和につき

  • 2015/03/08 22:42
  • カテゴリー:FF


柔らかな光を放つ掌を、そっと赤い色を滲ませる皮膚に近付ける。

それなりに大きな裂傷を浮かばせているのは、スコールの右腕だった。
ルーネスの手に腕を貸して、辺りを見回すスコールの瞳は、常と変わらず静かなものだったが、濃茶色の髪の隙間から覗く額には、薄らと汗が滲んでいる。
模造達との戦闘を終えたばかりで、代謝が上がっている所為もあるが、傷から発せられる痛みの無視は出来まい。
早く治さなきゃ、とルーネスは意識を集中させ、治癒魔法のレベルを上げる。

素材を集めの行き先が合致したので、今日のルーネスはスコールと二人と言うパーティを組んでいた。
其処に襲いかかって来た模造の軍勢の強さは、中の上と言った所で、数は全部で六体。
このレベルになると、統率されている傾向が見受けられる為、襲い掛かってくる者を切り捨てるだけと言う単純作業では片付かない。
スコールが相手を変えながら立ち回り、出来るだけ敵を一カ所に集合させた所で、ルーネスの大魔法による一掃────と言う流れで、無事に勝利を収める事が出来た。
現れた模造達が、専ら接近戦を得意とする者達だったお陰で、作戦は比較的スムーズに果たす事が出来た。
が、敵を誘導させる為に囮役となったスコールの負傷は少なくはなく、このまま帰路へ向かうのは得策ではないと判断し、ルーネスによる治療時間が設けられた。

大魔法使用時に持っていた魔力の半分を消費したルーネスだが、彼の魔力の回復は、ティナ程ではないにしろ、早い方だ。
スコールの傷を癒し切るには十分に足りた魔力で、ルーネスは彼の治癒をほぼ完璧なものにして終わらせた。


「はい、これで良いよ」
「ああ。悪いな」


流れた紅の名残だけが残った腕を見て、スコールは短い謝辞を述べた。
直ぐに歩き出した彼に倣って、ルーネスも改めて帰路へと向かう。

二人の進む道に広がる景色は、牧歌的なものであった。
淡い色の花を其処此処に咲かせた緩やかな丘に、土が剥き出しの一本道が長く伸びている。
つい先程までは、ひらひらと舞い踊る小さな蝶の姿もあり、空には穏やかな光を零す陽光があって、正しく平和な散歩日和と言う風だ。
一時間前まではのんびりと素材集めをしていたので、ルーネスはピクニックに来たみたいだ、とも思っていた。

今もその景色には変わりはなく、遠くでチチチ…と小鳥の鳴く声がする。
つい数分前まで、命がけの戦闘をしていたとは思えない風景だった。
しかし、スコールの体に刻まれていた傷や、ルーネス自身の心身に色濃く残る疲労は、明らかな現実である。


(…折角、割といい気分でいられたのに)


ルーネスはこっそりと唇を尖らせて歩いた。
碧眼は黙々と歩く青年の背中を見詰めている。

ルーネスがスコールと二人切になると言うのは、稀な話だった。
平時、ルーネスはよくティナと一緒に過ごしているし、スコールの周りには賑やかなメンバーが集まる事が多い。
組んで行動する事は殆どないが、しかし仲が悪いと言う訳ではない。
ルーネスは秩序のメンバーのみならず、この世界に召喚された戦士の中で最年少である。
しかし、秩序の面々には、ルーネスよりも年上でありながら、まるで子供のような言動を見せる者が多い。
そんな面々に囲まれる中、常に冷静沈着を貫く物静かなスコールの存在は、ルーネスにとってかなり好印象だ。
スコールもまた、年下ながらあらゆる知識を身に付け、状況分析も的確なルーネスの事は悪く思っていないようだった───子供は苦手だと言われた事もあるが、ルーネスの頭の回転の速さを知ってからは、単純な子供扱いは殆ど見られない。
序に、二人とも何某か作業に集中する際は、無駄口をせずに黙々と仕事に従事するタイプだ。
お互いの存在が邪魔になる事がないので、二人の仕事は非常に効率的に捗る。
ルーネスがスコールに、スコールがルーネスに悪目立ちする感情を持たないのは、そう言った理由もある。

だから、今日の素材集めも、お互いの目的のものを黙々と探すと言うものになっていた。
手分けして探していたので、相方の目当てのものも幅広く探す形となり、目当てのもの以外にも有用な素材も見付かったので、ルーネスはそこそこ上機嫌だったのだ。
帰路も穏やかな春散歩道、少し欠伸が漏れる位の、のんびりとした道中────だったのが、湧き出て来たイミテーションのお陰で台無しだ。


(別に、ジタンやバッツみたいに遊びたい訳じゃないし、ティーダみたいに昼寝したいとかはないけど…)


此処は神々の戦場で、自分達はその駒だ。
いつ何処で戦闘に巻き込まれるかは判らないし、安全が保障された場所など何処にもない。
秩序の聖域でさえ、女神の力が弱っている今、何処から穴が開くのか判らない状態だ。

それでも───いや、だからこそ、だろうか。
偶然に近い確率で遭遇した、この平和的な光景に、少しだけ浸りたいと思ってしまう。
その程度の癒しを求める位には、ルーネスも疲労を溜めているのだ。

イミテーションの軍勢に襲われるまでは、昼寝はせずとも、少し立ち止まる位はと思っていた。
しかし、一度敵と遭遇した以上、この地の安全は最早無い。
帰路を急ぐのは当然の流れであった。

────筈、なのだが。


「……スコール?」


前を歩いていたスコールが足を止め、ルーネスはそれを数歩追い抜いてから、おや、と振り返った。
何か気付いたか、或いは癒した筈の傷が痛むのかと思ったが、佇む彼の姿を見て、どうやらそうでもないらしい、とルーネスは察した。

スコールは道の途中に立ち止り、明後日の方向を向いていた。
帰路に向かうでもない、道を戻る訳でもない、緑が広がる丘の向こうを見詰めているのみ。
やっぱり何か気付いたか、見付けたのだろうか、とルーネスは彼の視線を追ってみるが、彼の琴線に震えそうなものは見当たらない。


「どうかした?」
「……少し、休んで行くか」
「え?」


思いも寄らぬスコールの言葉に、ルーネスは一瞬、我が耳を疑った。
“休んで行く”等と言う言葉が、彼の口から出てくる事があろうとは、想像もしていなかったからだ。

スコールはルーネスの反応を待たず、道の脇へと逸れてしまう。
柔らかな土草を踏んで行くスコールに、ルーネスは「ちょ、ちょっと」と慌てて後を追った。


「スコール、休憩なんて、そんな」
「急いで帰る理由もないだろう。それとも、何か用事があったか」
「それは別に、ないけど」


らしくもない言動のスコールに、ルーネスは戸惑っていた。
声にも現れる混乱の様子に、気配に聡いスコールが気付かない筈はないが、彼は気に留めない。

さく、さく、さく、と十数歩の草土を踏む音の後、スコールは足を止めた。
後を追っていたルーネスが隣に並び、自分よりも遥かに高い位置にあるスコールの顔を見上げる。
しかし、スコールは透き通る青空を見上げており、ルーネスから彼の表情を知る事は叶わなかった。


「…此処でいいな」
「え」


すとん、とスコールがその場に座るのを見て、ルーネスは目を丸くした。

え、え、と挙動をまごつかせるルーネスだったが、つい、と蒼灰色がルーネスを見上げた。
深い蒼が、座れ、とばかりに見詰めている事に気付き、おずおずと、ルーネスも膝を折った。

さわさわと穏やかな風が吹く丘陵に、男二人。
在るのは草木が風に撫でられる音と、沈黙のみ。
ルーネスは沈黙を苦と思う性質ではないが、この状況には流石に理解が追い付かず、頭の中はぐるぐると戸惑いで一杯だった。
スコールが無意味にこんな行動を取るとも思えないので、何か意味がある筈だと考えてみるが、いまいち判らない。


(……でも……)


ルーネスは、三角に曲げていた膝を伸ばした。
両足を投げ出す形で座って、天上を見上げる。

ルーネスは空を見上げたまま、意識だけを辺りに散らす形で、周辺の気配を探った。
感じ取れるものは、小さな動植物ばかりで、この穏やかな情景を壊すものはない。
イミテーションに遭遇する以前と変わらない空気と光景が、何処までも広がっている。


「……静かだね」
「ああ」
「敵もいないし」
「ああ」
「バッツだったら、昼寝日和とか言い出しそう」
「ああ」


ぽつぽつと零すルーネスの言葉に対し、スコールの反応は捗々しくないが、それはいつもの事だ。
極端に無口な傾向のある彼の場合、反応があるだけで十分だろう。

ルーネスは、兜を頭に固定している紐に指をかけた。


「…本気で休んで行く気?」
「問題、あるか」
「ないけどさ」


どうして、と続けて問おうとして、先に答えがやって来た。


「……疲れたからな」
「ああ……うん、まあ」


さっきの戦闘の事だろうな、とルーネスは察した。
回復魔法は肉体の傷は癒してくれるが、肉体的な疲労は戻してはくれない。
そして勿論、魔法を使用する為に魔力を消費したルーネスは、その分の疲労も追加されている。

────と、其処まで考えて、


(……あ)


かちり、とルーネスは自分の中でパズルのピースが嵌るのを感じた。

ルーネスは静かに息を吐いて、張り詰めていた緊張の糸を、意識して解いて行く。
思えば、常に辺りを警戒しているスコールが、何の警戒もなくこんな場所に座っているのだから、今更警戒する必要はなかったのかも知れない。
それでも───スコールを信用していない訳ではなく───、自分でしっかりと確認した上で、ルーネスは兜の紐を解いた。

露わになったルーネスの癖のある金色を、一陣の風が撫でて行く。


「はーっ、気持ち良い!」
「……そうだな」


思い切り声を上げたルーネスに、静かな反応があった。
隣を見れば、立てた片膝に片腕を乗せ、目を閉じて俯いているスコールがいる。

ルーネスの碧眼に映ったスコールの横顔は、常の眉間の皺が緩んで、少し幼い。
いつも真一文字に噤まれている唇が、僅かに口角を上げているのが見えた。
伝染したように、ルーネスの頬も緩み、くすり、と笑みが零れると、聡い彼はしっかりそれを聞き留め、


「……なんだ?」


眉間の皺を、今更のように、いつもと同じ深さにする。
それに対し、ルーネスは「気持ち良いなと思って」と言って、柔らかな草土の上に寝転んだ。

彼が何を思って、こんな事を言い出したのか、ルーネスは理解した。
理解はしたが、それに対して特別に口にするような事はないのだろうとも、理解する。
今この瞬間の穏やかな時間を、彼と共に長く過ごしていたいのなら、それが賢明だ。



ふと、地面に杖をつく彼の片手が直ぐ傍に在る事に気付く。
少し迷って、ルーネスは彼の手に自分のそれを重ねた。
ぴくっ、と僅かに指先が震えたが、振り払われる事はなかったので、ルーネスはそのまま目を閉じる。

さわさわと、吹き抜ける風が気持ちいい。
それ以上に、繋いだ手から伝わる存在が、心地良いと思った。





これでもオニオンナイト×スコールと言い張る!

子供は苦手と言いつつ、割と年下に甘そうなスコールが好きです。
ルーネスは上手くスコールとの距離を測って、お互いに気を遣わなくて良い雰囲気でのんびり過ごせる時間を堪能してます。
スコールもルーネスは59と違って上手く空気を呼んでくれるので、一緒に過ごし易いと良いな。
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