日々ネタ粒

日記と言うより妄想記録。時々SS書き散らします(更新記録には載りません)

  • Home
  • Login

日記と言うより妄想記録。時々SS書き散らします(更新記録には載りません)

エントリー

カテゴリー「FF」の検索結果は以下のとおりです。

[ジェクレオ(+ティスコ)]我儘な大人

  • 2014/06/07 00:31
  • カテゴリー:FF
色々血迷って燃え滾ってジェクト×レオンで現代パロ。
ちょこっとティーダ×スコールもあり。





家が近所であった事は勿論だが、共に父子家庭でもあった所為か、ラグナ一家とジェクト一家は、それぞれの息子達が幼い頃から付き合いが深かった。
特にラグナ家の次男であるスコールと、ジェクトの一人息子ティーダは、同い年と言う事もあり、保育園にいた頃から常に一緒に行動している。
ラグナ家の長男のレオンは、弟とは8歳の年齢差があり、確り者で、スコールと一緒に遊ぶティーダの面倒を見る事も多かった。
それぞれの家長であるラグナとジェクトも、度々互いの家に行っては酒を飲み交わし、子育てについて愚痴を零し合ったりと言う仲だ。

幼年の頃から共に過ごしてきたスコールとティーダは、現在、高校二年生になっている。
レオンは大学を卒業後、外資系の商社へと就職し、父同様に忙しい日々を送っていた。
ジェクトは40代になった今でも、現役のプロサッカー選手として活躍しており、息子が成長した事もあって、プレイシーズン中は家を不在にする事も増えた。
こうしたそれぞれの家庭事情で過ごす内、独りを嫌うティーダと、顔に出さずとも寂しがり屋の気質があるスコールは、成長した現在でも一緒に過ごす事が多くなっている。

夕方、レオンが仕事を終えて家に帰ると、今日もスコールとティーダがリビングでじゃれ合っていた。


「いーじゃん、ちょっと位」
「駄目だ」
「スコールのケチ」
「ケチで結構だ。とにかく離れろ」
「えー」
「えーじゃない。重い!退け!」


ソファの向こうから聞こえる声と、食み出している足がじたばたと暴れているのを見て、レオンはやれやれ、と眉尻を下げて苦笑した。

足音だけでは気付かないだろうと、わざとドアを音を立てて閉めてやる。
ガチャン、と言う金具の音に、ぴたっ、と暴れていた足が動きを止め、背凭れの向こうから蜜色の髪がひょっこり覗く。


「あ、レオン、お帰り!」
「ただいま」
「退け!」
「あいてっ!」


嬉しそうに兄代わりの帰宅に挨拶するティーダに、レオンも挨拶を返す。
その直後、スコールの姿が背凭れ向こうから出て来て、代わりにティーダがレオンの視界から消えた。
どたっと言う音がしたので、きっとソファから転がり落ちたのだろう。

何するんスか、お前が退かないからだ、と言う弟達の遣り取りを聞きながら、レオンはネクタイを解いて、スーツをハンガーにかける。


「随分賑やかにしていたな。元気なのは良いが、テーブルとかに頭をぶつけないように気を付けろよ」
「スコールが暴れなきゃ大丈夫っスよ」
「お前がくっついて来なければ済む話だ」


お互いに責任を押し付け合うように言う弟達に、レオンはくすくすと笑う。
そんな兄を見て、スコールが唇を尖らせた。


「部屋に戻る」
「じゃあ俺も一緒に」
「あんたは来るな」


席を立ったスコールを追って立ち上がろうとしたティーダだったが、じろりと蒼に睨まれて、ぴたりと動きを止めた。
判り易く怒気を滲ませた鋭い眼光に、幼馴染も流石に怯んだようだ。

すたすたと足早にリビングを出て行こうとするスコールを、レオンが呼び止める。


「スコール、夕飯は食べたのか?」
「まだだ。作って置いてある。あんた、先に食べてくれ」
「お前は食べないのか」
「ティーダが帰ったら食べる」
「スコールぅ~っ」


けんもほろろなスコールに、ティーダが何とも情けない声で幼馴染を呼ぶ。
スコールは返事もしないまま、リビングのドアを開けた。

其処で、どんっ、と大きな塊にぶつかる。
一体何が、と鼻頭を押さえながら、眉根を寄せて顔を上げれば、黒髪に真っ黒に日焼けした肌と、熊のように大きな体躯をした男が立っていた。
ティーダの父親、ジェクトである。


「おっと。なんだ、スコールか」
「ジェクト……」
「うちの泣き虫がこっちに────いるな」
「げっ、親父!」


スポーツバッグを肩に担いでいるジェクトは、つい数時間前、海外での強化合宿を終えて帰宅した所だった。
自分の家に人気がないのを見て、いつものように幼馴染宅にいるのだろうと、荷物を置く事もせずに此方に来たようだ。

ティーダは、レオンが帰宅した時と違い、数週間ぶりの父の顔を見るなり、判り易く顔を顰めた。
ジェクトはそんな息子の表情を気に留めず、リビングを出て行こうとしているスコールに気付き、大きな体を退かして出入口を開けた。


「邪魔したな。ほら、行けよ」
「……ん」
「あ、ちょっ、スコール!待てって、俺も」
「さっきも言った。あんたは来るな」


慌ててスコールの後を追おうとしたティーダだったが、釘を刺されて、がっくりとソファの背凭れに倒れ込む。
その間にスコールはリビングを出て行ってしまった。

ジェクトはにやにやとした表情を浮かべて、ソファに突っ伏している息子に視線を移し、


「随分嫌われてんじゃねーか。今度は何やったんだ?」
「別に何もしてねーよ」
「何もしてねえのに嫌われたってか」
「嫌われてもねえっつの!」


ジェクトに揶揄われ、噛み付くように反論するティーダ。
ジェクトは判り易い反応を返す息子の様子に、くつくつと楽しそうに笑っている。
それが益々息子を煽り、ティーダもティーダで其処で無視が出来ないから、尚更父が助長してしまう。

またジェクトが何かを言おうとした時、キッチンからコーヒーを持って出てきたレオンが割り込んだ。


「ジェクト、その辺にして置いたらどうだ。ティーダも落ち付け」
「へーい」
「だって、レオン!」
「ほら、ティーダ。全員分のコーヒーを淹れたから、スコールに持って行ってくれ」


仲裁したレオンに、悪いのは親父なのに、と言おうとしたティーダだったが、差し出された二つのマグカップを見て動きが止まる。
マグカップの中のコーヒーは、ミルクを一杯と、砂糖を二杯入れた甘めのもので、弟達の為に用意されたものだ。
マリンブルーの瞳がぱち、ぱち、と数回瞬きをした後、兄代わりの男を見上げる。
柔らかい笑顔を浮かべる蒼灰色の瞳は、ティーダがよく知っているものとよく似ていて、少し違う。

ティーダは、自分がよく知る寂しがり屋の蒼を思い出して、レオンが差し出したマグカップを受け取り、席を立った。
マグカップで塞がった両手の代わりに、背中でリビングのドアを開けて、ティーダは部屋を出て行く───去り際、父にべぇっと舌を出してから。

リビングに残ったジェクトは、深々と溜息を吐いて、先程まで息子が落ち付いていたソファを陣取る。
レオンは、ジェクト用に入れた氷を浮かせたアイスコーヒーのグラスをローテーブルに置いて、ジェクトの隣に腰を下ろす。


「おう、サンキュ」
「ああ」
「悪いな、いつもうちのガキが世話かけてよ」
「別に構わないさ。ティーダも俺にとっては弟みたいなものだし」


レオンの言葉に、ジェクトはなら良いんだけどな、と呟いた後で、


「所で、スコールの奴は何を怒ってたんだ?どうせうちのガキが何かしたんだろうけどよ」
「いや……多分、原因は俺だろうな」


レオンの答えに、ジェクトは「あ?」と首を傾げる。
何があったのかと無言で問う視線を受けて、レオンは眉尻を下げて言った。


「俺の帰って来たタイミングが悪かった。そんな所だよ」
「……ふーん?」


多くは語らないレオンであったが、その情報だけで、ジェクトが理解を得るには十分であった。
髭を蓄えた口が、にやにやと悪戯を孕んだ笑みを浮かべるのを見て、レオンは口にしていたコーヒーカップを離し、


「言うなよ、ジェクト。スコールにまで拗ねられたら、俺の手に負えない」
「判ってる判ってる。でもよ、たまーに、突っついてやりたくなるんだよなあ」
「やめてくれ……」


どうしても息子を揶揄いたいジェクトに、レオンは溜息を吐いて抑制を頼む。

ジェクトは何かと息子を揶揄うが、それは決して悪意があってのものではない。
とは言え、スコールもティーダも共に17歳で、色々とデリケートな年齢なのだ。
父親に対して強い反発心や対抗意識を持ったり、自分の内面的な部分を他人に触れられる事を強く嫌悪したり、一度臍を曲げると中々折れなかったり。
拗ねた彼等を宥めるのは、案外と大変な事なのだと、昔から弟達の面倒を見て来たレオンはよく知っている。

だが、ジェクトがティーダを揶揄いたがる気持ちが、レオンにも判らない訳ではない。
幼い頃から気難しく、交友関係は決して広くはなく、親しい人間にも滅多に感情を剥き出しにする事がない弟、スコール。
そんな彼が今、判り易く感情を吐露する瞬間がどんな時なのか、レオンは判っていた。
その詳細について、本人から色々聞きたい気持ちはあるのだが、今はもう少し待つべきだ、と思う。

コーヒーを傾けるレオンの隣で、ジェクトは赤い双眸を細める。
その目は、先程までの悪戯の満ちたものとは違い、“父親”の気配が滲んでいる。


「ったく、一丁前に色気づきやがって」
「………」
「お前にしてみりゃ、大事な弟に悪い虫が着いたようなもんだろ?」
「……別に」


ジェクトの言葉に、レオンはくすりと笑って言った。
蒼い瞳には、ジェクトとよく似た、庇護する者を愛する光が浮かんでいた。


「ティーダの事はよく知ってる。素直な良い子だ。信頼してる」
「そう言ってくれるんなら、まあ、良いけどな」


ジェクトはソファの背凭れに寄り掛かり、肩越しに振り返って、閉じられたリビングのドアを見る。
弟も息子も、まだしばらく、此方へ戻って来る様子はない。
それを確かめて、ジェクトは隣に座っている青年の肩を抱いて、強い力で引き寄せた。

逞しい男の、丸太のように太い腕に抱かれて、レオンが目を瞬かせる。
数秒の遅れの後、自分の状況を知ったレオンは、赤い顔でジェクトの腕から逃げようともがき始めた。


「ちょ……ジェクト!」
「あん?」
「は、離れてくれ。スコール達が戻って来たら、」
「来てねえよ。だから大人しくしてろ」


じたばたと手足を暴れさせていたレオンだったが、太い腕の檻はびくともしない。
増してジェクトの体幹は、プロの格闘家と並べても劣らない程のものである。
幾らレオンの身体がそこそこ鍛えられていると言っても、敵う筈がなかった。

レオンはしばらく抵抗していたが、程無く諦めた。
やれやれ、と溜息を吐いて身体の力を抜きながら、頼むから今は戻って来ないでくれ、と自室にいるであろう弟と幼馴染の少年に願う。

体重を委ねたレオンの背中を、逞しい腕が抱く。
その温もりと力強さに、言い知れない安堵感を感じながら、レオンは罪悪感も抱いている。


「……ジェクト……」
「離さねえぞ」
「判ってる。でも……ティーダに、悪い……」


幼い頃に母を失くし、生まれて間もなかった弟を守り、男手一つで二人の息子を育てる父を支えてきたレオン。
早い段階で甘える事を止めた彼に、遅蒔きながら、「甘えて良い」と教えたのが、ジェクトだった。
確り者に見えて、その所為もあって何もかも背負ってしまい勝ちだったレオンだったが、ジェクトにだけは自分を預けて良いと思えるようになった。
それはレオンにとっても良い事だったし、肩の力が抜けるようになった事を、父と弟からも喜ばれた。

しかしレオンの脳裏には、昔から面倒を見て来た少年の、屈託のない笑顔が浮かんでいる。
弟と共に、物心つく以前から見ていた少年の唯一の肉親が、ジェクトだ。
そのジェクトを、彼から奪っているような気がしてならない。

瞼を緩く伏せたレオンの呟きに、ジェクトは口を噤んだ。
しばらくの静寂があって、────くしゃり、と大きな手がレオンの頭を撫で、強い力で抱き締められる。


「ジェク、」
「お前がンな事言ったら、俺はお前ら皆に悪いと思ってる」
「……?」


何の事だ、とレオンは顔を上げようとしたが、頭に添えられた手が力を籠めた所為で、出来なかった。
顔を見られたくないのかも知れない。
レオンは大人しく、ジェクトの胸に顔を埋め、じっとしていた。


「うちのバカが、お前とラグナが大事にしてるモンを取っちまって。俺は、ラグナからお前を取ろうとしてる」
「………」
「ラグナにとっちゃ、お前とスコールは宝物だ。良く知ってるからって、奪って良いモンじゃねえ」


ジェクトの言葉に、レオンは目を伏せる。
ラグナに対する、罪悪感や背徳感と言うものは、ずっと抱えている。
いつかは伝えようと思うけれど、伝えた時に反対される事、今のジェクトとの関係を否定される事が怖くて、レオンは切り出す事が出来なかった。
スコールとティーダが自分達の関係を隠したがるのも、きっと同じ気持ちがあるからだろう。

───それでも、とジェクトは言った。
レオンを抱く腕に力が篭って、けれどもその腕は優しい熱も持っていて、レオンは離れたくないと思う。


「……それでもな。俺は、お前を離したくはねえんだよ」


既知の友から、大切なものを奪おうとしている。
それはきっと、酷い裏切りなのだろうとジェクトも思う。

それでも、弱い心を押し隠して、一人で立ち続けようともがき続けていた青年を、ジェクトは放っておく事が出来なかった。
自分だけに伸ばされる甘える手を、今更手放す事は出来ない。
こうして自分が捕まえていなければ、いつか彼が知らない間に壊れてしまうような気がするから。

頭を押さえていた手から力が抜ける。
レオンが顔を上げると、ジェクトは明後日の方向を向いていたが、その耳が赤くなっている。


「………まあ、それに。なんだ。お前が母親なら、うちのガキも喜ぶだろ」
「……俺は母親にはなれないぞ。男だから」


茶化すように言ったジェクトに、レオンはくすりと笑った。




────熱いものが唇に触れる。

弟達は、まだ戻って来ない。
だからもう少しだけ、このままでいても良いだろう、とレオンは目を閉じた。






ジェクレオと言う超俺得+青春ティスコ。

ジェクレオは大人同士で色々切なかったり、じれったい事になりそうで萌える。
そんな脇で、ティスコもすったもんだしてると可愛い。
でもってラグナパパごめんね。でもラグナなら許してくれるんじゃないかと勝手に思ってる。泣きながら「うちの息子を幸せにしないと許さないからな!!」って息子達の意思を尊重してくれる筈。
  • この記事のURL

[バツスコ]人の気も知らないで

  • 2014/05/08 21:54
  • カテゴリー:FF
5月8日なのでバツスコで現代パロ!




バッツは昔から生傷が絶えない。
余所見をしていて躓いて転んだ、川に落ちた、犬の尻尾を踏んで追い駆けられた───等々、その原因を上げて行けばキリがない。
多くは本人の不注意が理由なのだが、それに加え、彼の旺盛な好奇心も挙げられる。

物心がつく以前から、彼は非常に好奇心旺盛な子供だったらしい。
初めて見る物には非常に高い関心を示し、その手で捕まえて確かめるまで諦めない。
見付けた道の先に何があるのか、これも確かめなければ気が済まなかった。
そうして自身の興味の対象に、飽きるまで邁進した結果、うっかりミスをして怪我をする羽目になるのだ。

そんなバッツの傷の手当てをするのは、決まってスコールの役目だった。

今日もバッツは、愛車の黄色い自転車で何処かへ繰り出し、怪我をして帰って来た。
一体何があったのか、頭の天辺から爪先まで泥まみれになっていた彼を見て、スコールは呆れるしかなかった。
取り敢えず、いつものように服を引っぺがし、風呂場へ追いやった後、救急箱を取り出し、泥を落とした彼がリビングに出てきた所で、慣れた手付きで彼の怪我の手当を始めた。


「……あんた、今度は何処で何をしてたんだ」


大きな擦り傷のある肘に消毒液を塗りながら、スコールは訊ねた。
バッツはえーとな、と少々考えるように間を開けてから、


「北の山に、ラムネの湧く水があるって聞いてさ」
「…確かめに行ったって?」
「そう」
「………」


頷くバッツを見るスコールの目は、非常に冷たい。

そんな馬鹿馬鹿しい事をする為だけに、全身泥まみれになって、生傷だらけになって帰って来るのか。
後でバッツの怪我の手当をするコールにしてみれば、余計な手間を増やされているだけなので、溜息も出ようと言うものであった。

しかしバッツは、幼馴染のそんな視線も溜息も物ともしない。


「本当にあったんだよ、ラムネの湧き水。いつかスコールも一緒に行こう」
「断る」
「スコール、炭酸嫌いだっけ?」
「どうでも良い」
「多分大丈夫だよ、そんなにピリピリ強い感じじゃなかったから」
「行かないって言ってる」
「いてててて!沁みる沁みる!」


人の話を聞かない年上の幼馴染に、スコールは消毒液の付着した脱脂綿を、大きな切り傷に押し付ける。
生傷なんかいつもの事なのだから、この程度で痛いなんて嘘吐け。
そんな事を考えながら、スコールはぐりぐりとバッツの傷を押し続けた。

しばらくバッツを苛めた後、スコールは彼が涙目で「許してええええ!」と叫んだ所で、脱脂綿を離した。
脱脂綿を変えて、傷周りに大袈裟に付着した消毒液を拭き取ってやる。
ガーゼを取り出し、いつもの手付きに戻ったスコールに、バツはホッと安堵の息を吐き、


「悪かったよ、スコール。そんなに炭酸嫌いだったなんて知らなかったんだ」
(誰がいつそんな事を言った)


まるで的外れな事を詫びるバッツに、スコールはもう突っ込むのも面倒臭い、と思った。

きっと木の枝にでも引っ掻けたのだろう、大きな傷。
それにガーゼを当て、メンディングテープで固定した後、そのすぐ傍にある青痣に触れた。
バッツからの反応はないので、内出血の痕が残っているだけなのだろう。

腕が終わったら、次は足だ。
スコールはソファの下に座って、バッツの足を眺めた。


(……何処をどうすれば、こんな風になるんだ?)


バッツは両腕にも幾つも傷を作っていたが、足の傷は更に数が多かった。
擦り傷、切り傷、打ち身と思しき痣、虫に噛まれたような跡もある。


(どうせ、またいつもと同じ格好で、藪の中とか入ったんだろうな…)


スコールは、バッツが家に来た時の格好を思い出していた。
鳥のプリントが入ったバッツお気に入りのTシャツと、ネイビーブルーのハーフパンツ、そして足元はサンダルと言う軽装。
きちんと整備されたサイクリングロードを行くなら、これでも良いかも知れないが、バッツは舗装されてない道を行くのが好きだ。
それなら、藪蚊への警戒は勿論、茂る草木を体に引っ掛けてしまわないように、肌はきちんと覆うべき───なのだが、バッツはそれをしない。
だから彼は生傷が絶えないのだ。

バッツは風に誘われるように、あちらこちらへ出かけて行く。
「旅」だの「冒険」だのと本人は言うが、バッツから見れば、風来坊が気侭に遊んでいるようにしか見えない。
子供の頃は、そんな彼がとても行動力のある人物に見えて、引っ込み思案だったスコールは密かに憧れたものだったが、今となってそれも遠い記憶。
「冒険」に行っては生傷を作る幼馴染の手当をしている内に、もっと落ち付けないのか、と思うようになった。

が、それを口にした所で、バッツのこの性格は変わるまい。
スコールは新しい脱脂綿に消毒薬を沁み込ませ、一番大きな脛の裂傷の手当てにかかった。


「いてて!スコール、そこ痛い!もっと優しく!」
「煩い」
「あいたたたた!」
「………」


大袈裟な程に声を上げるバッツに、スコールは気に留めなかった。
黙々と脛の手当を施して、ガーゼを当て、包帯で固定する。

大きな傷は脛のものだけだったが、小さな傷は探せば幾らでも見つかる。
全部手当をしていると日が暮れそうなので、スコールは範囲の広いものだけを選んで手当を施した。
その間にバッツは、今日一日の事を報告している。


「ソーダの湧き水だけどさ。飲んでみたら、あんまり甘くなかったんだ」
「………」
「もうちょっと甘ければなぁ、お土産にしようと思ったんだけど」
「……」
「でも冷たくて気持ち良かった。場所も良くてさ、山の上の方だったから、街が全部見えるんだ」
「………」
「だからスコール、いつか一緒に行こうな!」
「行かない」
「いてててて!」


行かない、興味がないと言っているのに、相変わらずバッツは人の話を聞いていない。
罰としてぐりぐりと傷に消毒液を塗り込んでやれば、ごめんなさい!と悲鳴。

改めて元の手付きで手当てを再開させていると、クッションを抱えたバッツがうーん、と唸り、


「今日のスコール、機嫌悪いか?」
「……別に」
「おれ、何かしたか?」
「………」


問うバッツに、スコールは答えない。
バッツの足の手当を済ませると、口を噤んだまま、救急箱の片付けに取りかかる。

────どうしてバッツが「旅」「冒険」と称して、毎日のようにあちこちに出かけて行くのか。
その理由を、スコールは知っていた。

幼い頃、まだスコールが引っ込み思案で泣き虫で、知らない人とは会話も出来なかった頃の事。
3歳年上のバッツは、なんとかスコールの気を引こうと、綺麗な花や珍しい虫を捕まえては、スコールに見せに来ていた。
虫は蝶のようなものを除いて、スコールが怖がって泣き出すので程無く止めたが、花は必ず詰んで来た。
近所では到底見た事のない花は、バッツが自分の足であちこちを巡り歩いて見付けて来たもので、時には子供の足では遠いと言える場所まで赴いていた事もある。
花を持って来ては、その花を見付けるまでの「冒険」を話して聞かせるバッツに、スコールも次第に懐いて行った。
そして、「冒険」を聞いて、バッツの「面白い所だから一緒に行こう」と言う言葉に誘われて、幼いスコールの世界は広がって行く。
バッツが自分の足で行った所なのだから、きっと思う程に怖い場所ではない筈だと、信じて。

バッツの「冒険」の始まりは、スコールだったと言って良い。
元々が好奇心旺盛な子供だったようだが、スコールと出逢ってからその傾向が更に強くなったと、バッツの父・ドルガンは言う。

だからスコールは、「冒険」に行くバッツを止める事は出来ない。
原因が自分であるし、今でもバッツは、スコールに「冒険」の話を聞かせる為に、自転車に乗って出かけるのだ。
その時のバッツが酷く楽しそうな顔をして語るから、スコールはバッツを止める気になれなかった。

……それでも、何も思わない訳ではないのだ。
バッツがこうして沢山の傷を作って帰って来る度に、密かに過ぎる不安だって、誤魔化せない。


(あんたはいつも、調子に乗ってバカな事をするから)
(何処かで同じようなバカをして、とんでもない事にならないかって)


救急箱を元の棚に戻して、ソファへ戻る。
立ったままソファを見下ろせば、其処に座っているバッツと目があって、「なんだ?」と問う声。
その声が心なしか楽しそうで、スコールの眉間に深い皺が寄せられる。


「……人の気も知らないで」


零れた言葉は、無意識だった。

褐色の丸い瞳が、虚を突かれたように見開いて、自分を見上げているのを見て、スコールは自分が口走った言葉に気付く。
咄嗟に口を手で押さえるが、零れたものは元には戻らず、なかった事には出来ない。
その上、零れた事で箍が外れ、押し殺していた気持ちが胸の奥から溢れて来る。


(人の気も知らないで)
(人がこんなに心配してるのに)
(いつも暢気な土産話を、楽しそうに喋って)
(いつか一緒に行こうなんて言ったって)
(あんたはその日を待たないで、また何処かに行く癖に)


口をどんなに塞いだ所で、蒼い瞳が言葉以上にその心を語る。
幼馴染のバッツは、それをよく知っていた。

立ち尽くすスコールは、じっとバッツを睨んでいる。
バッツはそれをしばし見詰め返していたが、やがてバッツの口元が綻んで、


「大丈夫だよ、スコール。おれ、皆が思う程、無茶はしてないからさ」
「……これだけ怪我して帰って来ておいてか」
「あはは、そりゃそうだな。でも、大丈夫。おれ、ちゃんと無事に帰って来るよ。じゃないとスコールが泣いちゃうもんな」
「……泣かない」


バッツが帰って来ない、と泣いていたのは、もうずっと昔の話だ。
今は、まだ帰って来ないのか、と苛立ちに似た焦燥に駆られる。

バッツの手が持ち上がって、重力に従っていたスコールの手を握る。
思いの外しっかりとした手が、スコールの手を強く引っ張って、傾いた彼の身体を受け止めた。


「じゃあさ、スコール。明日は二人で一緒に行こう」
「……明日?」


“いつか”じゃなくて“明日”。
はっきりと言ったバッツに、スコールは目を丸くした。

幼い頃のバッツの言葉が、スコールの脳裏に蘇る。
何処かでした「冒険」を、きらきらとした目で、スコールに語って聞かせた後、俄かに興味を持ち始めたスコールに、バッツは言った────「明日はスコールも一緒に行こう」、と。


「一緒に行って、一緒に帰ろう。そうしたら、スコール、不安にならないだろ?」
「………」
「大丈夫だよ。恐いものなんかないからさ。おれ、ちゃんと全部見て来たから」


スコールの手を握る力は、幼い頃に何度も感じたものと同じ、しっかりとしたもの。
この手に引かれて、スコールは外の世界へ一歩、一歩、踏み出す事が出来たのだ。


不安も、勇気も、何もかも。
この手があったから、知っている。
そんな事を、彼はきっと知らない。

本当に、人の気も知らないで。
笑うバッツの顔を見ながら、スコールは彼の手を握り返す。





スコールがバッツの世話を焼いているようで、寄り掛かっているのはスコールの方。
そんなバツスコが好きです。

バッツが見付けたのは、炭酸水の湧水。
ラムネみたいなソーダは流石に無理だと思う(後日、スコールと一緒に行った時にようやく指摘される)。
  • この記事のURL

[カイスコ]蒼の鏡を覗き込む

  • 2014/04/08 23:16
  • カテゴリー:FF


どちらも甘い睦言を囁き合うような性格ではないが、そうした触れ合いを疎んでいる訳でもない。
だが、オブラートに包んだ言い方をすれば、両者ともに口下手と言われる性質だ。
更に言えば、相手は他人と目を合わせる事すら不得意なので、目と目で通じ合う等と言う事も難しい。

幸いなのは、彼が案外と判り易い性質だと言う事か。

生まれて間もない仔猫を思わせるキトゥンブルーの瞳は、彼自身は全く自覚していないのだろうが、彼の心の内をありありと映してくれる。
平時、其処には不機嫌、不愉快、不満と言った、尽くマイナスの感情面が浮かんでいるのだが、それだけに、反ってそれ以外のものが浮かび上がった時、蒼の光は顕著に揺らぎを見せるのだ。
彼が目と目を合わせて会話をする事を苦手としている理由に、「心の中を覗かれているようで落ち着かない」と言うものがあるのだが、強ち、間違ってはいないのかも知れない。
遠目に見ていると、複雑に折り重ねられているかのように隠された彼の胸の内は、もっと近くで覗き込んでみると、意外と真っ直ぐに見通せるのだ。

だからこそ、彼に心魅かれた事は、確かなのだけれど。





一人で斥候に出ていたカインは、その帰路の途中、山道を上る一人で歩く少年を見付けた。

心なしか煤けて見えたその背中は、今日の予定では、賑やかな仲間二人に挟まれていた筈だ。
火薬の痕跡を残す気配を見るに、此処から遠くはない何処かの歪で、イミテーションか混沌の戦士と戦闘をしたのは間違いないだろう。
仲間達とは、その時に逸れたのだろうか。

カインが少し歩く速度を上げると、カシャリ、カシャリ、と言う具足の音が聞こえたのだろう、俯き気味に歩いていた少年の足が止まる。


「スコール」


声に出して名を呼ぶと、ゆっくりと顔を上げた少年は、蒼の瞳にカインの姿を認めて、微かに空気を緩ませた。


「……あんたか」
「一人か?」
「……悪いか」


カインの問いに、スコールは傷の走る眉間に皺を寄せて答えた。
確認しただけなのに、そうも機嫌を損ねる問い方をしただろうかと考えて、一昨日、目の前の少年が、リーダー役の光の戦士と口論していた事を思い出す。

原因は、秩序の聖域付近に現れたイミテーションを駆除する為、スコールが独断・単独で行動した事を、ウォーリア・オブ・ライトが咎めたと言う事。
聖域付近までイミテーションが現れたと言う事は、女神の加護の力が弱まっているからだ。
もたもたしていては、イミテーションは増殖し、混沌の戦士が指揮する軍勢となって、聖域に押し寄せて来るかも知れない。
その前に早急な対応が必要────と言う判断の結果、その日、待機組だったスコールは、一人先行してイミテーションの駆逐に赴いたのだ。
これを探索組に割り当てられていたウォーリア・オブ・ライトが事後に報告を受け、仲間がいるのに何故一人で無茶をしたのか、とスコールに言った事で、一触即発の空気となった。

昨日の今日で一人で行動している事を言及されたのが、今のスコールには不愉快だったようだ。
眉間にこれでもかと言わんばかりの深い皺を刻むスコールに、カインはそれに気付かぬふりをして、考えるように顎に手を当てる。


「お前は今日は───確か、ジタンとバッツと素材集めに行っていた筈だな。二人はどうした?」
「……」
「戦闘中に逸れてしまったか?」


置いて来た訳ではないのだろう、とカインは確信していた。
昨日の今日で、意図して単独行動している訳ではない筈だ。

カインの言葉に、スコールはしばしの沈黙の後、深々と溜息を吐いて、


「……闇の神殿の中で、時空転移が起きて」
「脱出が間に合わなかったのか」
「……ああ」


不安定な次元の歪みに巻き込まれ、仲間達と逸れる事は、この世界では珍しくない。
それぞれ近くに身を寄せ合っていれば、バラバラに飛ばされる事もないのだが、戦闘中はそれぞれが敵を相手に立ち回っているので、大抵、お互いの間合いの邪魔にならないように距離を取っている。
そんな時に転移に見舞われると、皆全く別の場所に転送されてしまうのだ。

スコールが飛ばされたこの場所は、混沌の大陸に程近い事もあり、上級種のイミテーションの姿がちらほらと見かけられる所だった。
イミテーションに発見、襲撃される前に、急ぎテレポストーンの場所まで向かおうとしたスコールだったが、その前に秩序の気配を感じ取った。
ひょっとしたらジタンとバッツかも知れない、と一先ず合流しようと決め、テレポストーンの位置とは逆から感じられる秩序の気配を辿り、────今に至る。


「あんたは、ジタンとバッツ、どっちか見なかったか」
「いや。此処から向こうには、誰もいなかった。コスモスの気配もないな」


カインの言葉に、スコールは短く嘆息した。
スコールはそれ以上は何も言わず、さっさと帰ろう、と言わんばかりに、くるりと踵を返す。

何やら、“宛てが外れた”と言う風なその反応に、カインの琴線が微かに震えた。

テレポストーンに向かって歩き出すスコールの背中は、いつも通り真っ直ぐに伸ばされている。
それなりに上背のあるスコールだが、カインよりはまだ低い。
加えて、坂道を下りている所為で、スコールの頭はカインの目線よりも僅かに低い位置にあった。
旋毛の見える後頭部を見下ろしながら、カインは口を開く。


「お前は、あの二人に随分気を許しているな」
「……は?」


カインの言葉に、スコールが振り返る。
いきなり何を言い出すんだ、と言外に告げる蒼の瞳を見下ろして、兜の下でカインは笑う。


「よく一人で行動している割に、あの二人と一緒にいる事も多いだろう」
「それは、あいつらが勝手に俺を引き摺って行くからだ」
「振り払おうと思えば出来るだろうに」
「……疲れるんだ、そう言うのは。あいつらはしつこいから」


スコールの言葉に嘘はない。
実際に、スコールがうんと言うまで、ジタンとバッツが粘り強く彼を誘っている場面はよく見るものだ。

しかし、彼等がスコールを誘う事を諦めないのは、決して彼等の粘り強さだけが理由ではない。
スコールは確りとしているように見えて、意外と押しに弱い。
そして、蒼灰色の瞳の奥に、決して彼等を嫌っている訳ではない事が見て取れるから、あの二人はスコールの事を諦めないのだ。

何かと他人を突き放す言動が多いスコールが、秩序の戦士達の中で孤立せずに済んでいるのは、間違いなくジタンとバッツのお陰だろう。
カインも、そんな二人に感謝している。
カインがスコールの本質を知る事が出来たのは、スコールの頑なな殻を破ってくれた、彼等のお陰なのだから。

………とは言え、これでも一応、カインはスコールの“恋人”だ。
それらしい会話を全くする事がないとは言え、“恋人”が自分以外の誰かを、自分以上に信頼するのは、少々妬けるものがある。

────カシャリ、と具足の音が一つ鳴って、止まる。
カインが立ち止まった事に気付いて、数歩遅れて、スコールも足を止めて振り返った。


「カイン?」


カインの突然の静止を、異変が起きたものと思ったスコールの瞳に、警戒が灯る。
スコールは辺りに目を配り、何か不自然なものや、イミテーションの影はないかと探した。
が、それらしいものはどこにも見当たらない。

数秒の静寂の後、変異が何処にもない事を確かめて、スコールの眉間の皺が深くなった。


「カイン、何か─────」


あったのか、と問い掛けたスコールの声は、最後まで形にならなかった。
数歩分の距離があった筈の二人の距離は、スコールが僅かに意識を逸らしている間になくなっている。




少年の狭い世界で、細い金糸が閃く。

蒼の瞳に映る男は、其処に自分だけが存在している事を確かめて、ひっそりと笑った。






4月8日なので、カイン×スコール!

気を許した相手には、無自覚に無防備になるスコールと、スコールが仲間と仲良くしているのは良いけど、ひっそり焼きもち焼いてたカインでした。
  • この記事のURL

[カイスコ]暗黙の距離感

  • 2014/03/18 23:51
  • カテゴリー:FF


カインとスコールが恋仲である事を知っているのは、ジタンとバッツ、そしてカインの親友であるセシルのみ。
他の面々は、彼等が想いを寄せ合っている事を知らないばかりか、接点すら碌にないと思っているのではないだろうか。
二人揃って寡黙な性質な上、パーティを組む事も少ないのだから、無理もない。
カインと言う人間を知っているセシル、スコールを観察する事に長けたジタンとバッツだからこそ、二人が纏う微妙な空気の変化に気付いたのだ。

誰から見ても接点が薄い筈の二人が、どうやって心を寄せ合うようになったのか────元はと言えば、スコールの単独行動が原因であった。
一人でふらりと出掛けては、無理な戦闘をして負傷して帰ってくるスコールにカインが気付き、危なっかしさにカインの方が先に彼を目で追うようになった。
スコールの単独行動そのものについて、カインが注意や警告をした事はない。
何となく、言っても聞かないだろうと言う空気もあったし、スコールが自身の単独行動について、ウォーリア・オブ・ライトと何度となく口論している所も見た事がある。
下手に突いて蛇を出すより、出来るだけ注視し、危険に首を突っ込む様子があれば、その時に止めに入れば良いだろうと思っていた。

そしてカインがスコールを観察するようになってから、何度目かの単独行動の最中、スコールは上位イミテーションとの戦闘で傷を負った。
イミテーションは討伐したものの、ケアルのストックを切らせたスコールは、体力が回復するまで一人蹲っていた。
スコールがまんじりともしない時間を過ごす間、カインは彼を遠目に見詰め、彼の下へ近付こうとする周辺の敵を先手を打って駆逐して行った。
その後、休息から復帰し、聖域へと帰還したスコールから「……礼だけは言って置く」と微かに赤い顔で言われたのが、二人が直接話をした初めての記憶ではないだろうか。

それからは、違いに遠巻きな距離の関係が続く。
スコールは相変わらず単独行動を止めないし、カインはそれを咎める事はせず、しかし遠目にスコールの行動を見守っていた。
基本的にスコールは誰かに庇われる事や、干渉される事を嫌うが、カインに対してはそうではなかった。
干渉と言うには遠く、庇われると言う程あからさまな行為を、カインが取らなかった所為もあるだろう。
遠目に感じるカインの気配を知りつつ、スコールは「ついて来るな」等と言う言葉を向ける事はなく、カインも彼に拒絶されていないのならばと、彼を見守り続けていた。

事が動いたのは、カインのそうした行動に気付いたセシルと、スコールのカインへの態度の変化に気付いたジタンとバッツの行動に因る。
カインは、自分がスコールの事を気にするのは、云わば保護者のような感覚なのだと思っていた。
だが、スコールと同じ年頃であるヴァンやユウナ───彼女の場合、既にジェクトと言う庇護者がいるのもあるが───、最年少のルーネスには、其処まで気をかけている事はない。
彼等がスコールのように無断で単独行動を取るタイプではないから、と言うのもあるが、では仮に彼等が単独行動を取った時、余計な刺激を与えないようにと言う配慮をしてまで、単独行動自体を自由に赦すだろうかと言われると、首を傾げるものがある。
ヴァンもユウナもルーネスも、言えば素直に聞く方なので、此処もスコールと比較しようがない事になってしまうのだが、少なくとも、一言二言の忠告するだろう。
それがスコールに対してのみ、彼を無為に刺激する事なく、無理に連れ帰る事もせず、わざわざ手間にしかならないであろう、彼の単独行動の度に遠目に見守るような真似をしているのは、何故なのか。
それらをセシルに指摘されて、ようやくカインは自分の中にいつの間にか芽吹いていた感情───「スコールを放っておけない」と言う事に気付いたのだった。

スコールの方は、ジタンとバッツに言及されたお陰か、カインよりももう少し早く、自分の中の違和感に気付いていたらしい。
ジタンやバッツのように強引に引っ張るでもない、ウォーリア・オブ・ライトのように正面からぶつかって来るでもない、自由にさせているのに放置する事はしないカイン。
彼が自分を見ている気配を感じつつも、何か言って来る訳でもなく、強制される様子もなかったので、スコールは好きにさせていた。
その“好きにさせていた”事が、ある意味で珍事なのだと、ジタンとバッツは言った。

それからは、ジタンとバッツがお膳立てし、カインをセシルが煽り、ひっそりと想いは重ねられた。

その後、二人の付き合い方が大きく変化した事はない。
最近、スコールが比較的丸くなったと言う変化はあるが、カインと同じ時間を過ごすのは稀な事だ。
カインも相変わらず遠目にスコールを見守っており、二人が会話らしい会話を交わす時と言ったら、周囲に誰の気配も感じられない時だけ。
「もっと話をした方が良いんじゃないか」とカインはセシルに、スコールはジタンとバッツに言われたが、今まで殆ど会話の無い付き合い方をしていたのに、いきなり喋れと言う方が無理だ、と両者───主にスコールの方───が思った為、一見殺風景な恋人関係が出来上がったのである。




いつものように、スコールがジタンとバッツに引き摺られ、素材集めに行った帰りの事だった。
目当ての武器防具、アクセサリー類のトレードをする為、秩序の聖域から程近い場所にあるモーグリショップに立ち寄ると、其処に恋人とその親友の姿があった。


「おっ、セシルとカイン」
「やあ、偶然だね。買い物?」
「トレードの方。おーい、カタログ見せてー」


ジタンとバッツに急かされ、モーグリが店の奥から分厚いカタログファイルを持って来る。
二人はファイルを開いて目当ての品を確認すると、荷物袋から今日集めて来たばかりの素材を取り出し、トレードに必要な数を確かめる。

こっちよりこっち、いやあっち、と有用な物を吟味している二人を、スコールは遠巻きに眺めていた。
目当てのアクセサリーがない訳ではなかったが、今日は運が悪かったようで、どう数えてもトレードに必要な数が揃えられていない。
詰まる所、スコールはモーグリショップに用事がなかった訳だが、一人で帰ると言ってもジタンとバッツは赦すまい。
後から「置いて行くなんて酷いじゃないか!」と涙ながら(目薬使用)に訴えられる面倒臭さを思うと、彼等の気が済むまで付き合う方が平和である為、同行しているのである。

暇を持て余していたスコールは、特に興味もなく、並べられた商品を眺めていた。
色とりどりの宝玉を使って精製された指輪やピアスは、一つ一つに魔力が込められているらしく、ドーピングのように魔力を上げるもの、毒を治療するもの等がある。
スコールの世界では、アクセサリーと言うと装飾品以上の価値はなかったから、アクセサリーを身に付けるだけで何某かの恩恵に与れると言うのは、少々不思議なものであった。


(……まあ、俺には関係ないな)


毒を治療すると言う類ならともかく、魔力の増幅は、スコールには余り意味がない。
スコールが使う魔法は、この世界では下級レベルの魔法にも劣る程度の威力しかなく、牽制以上の役目にはならない。
下手に苦手分野を強化して補おうとするよりも、得意分野を伸ばした方が有用だろう。

そんな事を考えつつ、深い紺色の宝石を頂いた指輪を手に取る。
オーバルカットされた宝石は、角度を変えるときらきらと光を返し、スコールの目に反射する。
スコールの世界で考えれば、相当な金額になるであろう指輪だが、掲示されている値段は随分と安価であった。
また一つ、不思議な気分にかられつつ、指先の石をじっと眺めていると、


「お前にそれは必要ないんじゃないのか」


突然聞こえた声に、スコールの心臓が思い切り跳ねた。
思わず落としそうになった指輪を慌てて掴み取り、スコールはじろりと隣を睨む。

蒼灰色に睨まれた男の顔は、兜の所為で口元しか見えない────が、微かに弧を描くその唇に、スコールの眉間に深い皺が刻まれる。


「…気配を消して近付くな」
「そんなつもりはなかったんだが」


睨むスコールに、カインは苦笑交じりに言った。


「そんなにその石が気になるのか?」


カインは、スコールの手に握られた石を指差す。

気配に敏感な筈のスコールが、気配も足音も消さずに近付いたカインに気付かなかった。
余程宝石に夢中になっていたのか、と問うカインの声が、子供を窘めるような柔らかさを含んでいる事に、スコールの眉間の皺が更に深くなる。
カインはそんなスコールから視線を外し、並べられたアクセサリーの品を眺め、


「何か欲しいものでもあったのか」
「別に。見てただけだ」


カインの言葉に素っ気なく返して、スコールは手にしていたアクセサリーを元の位置に戻した。
丁度良くそのタイミングで、トレードが終わったジタンとバッツ、セシルの声がかかる。


「スコール、終わったぞー」
「こっちも終わったよ、カイン」
「早く帰って、風呂入ろうぜ!」


それぞれの連れ合いの声に、二人もそれぞれ頷いた。

セシルがジタンとバッツを伴ってショップを出て、スコールも続く。
カインは僅かに遅れてからショップを出、殿を引き受けるようにゆっくりと進む。

いつも定位置とばかりにスコールの傍から離れないジタンとバッツだが、カインが同行している時は、彼に場所を譲っている。
恋仲である筈なのに、それを全く臭わせない程の距離感で付き合っているスコールとカインの様子が、彼等にはどうにもむず痒いものがあるらしい。
セシルは、そんなジタンとバッツに同調しているのか、恋仲同士を純粋に応援しているのかは判らないが、やはり「もう少し傍にいても良いんじゃない?」と思っているそうなので、スコールとカインの間に割って入るつもりはないらしい。
……そう言った判り易い気遣いや行動が、スコールには反ってプレッシャーに似たものとして感じられてしまうのだが。

少し歩く速度を落とした方が良いのだろうか。
背中を見守るようにして進む、背後の男の気配を感じながら、スコールは考える。
前を歩く三人は、スコールが少し遅れた程度で振り返る事はないだろう。
けれど、背後の男と並んで歩く、と言うのも、スコールには無性に難しい事のように思えてならなかった。

彼と話をしたくない訳ではない。
だが、どんな話をすれば良いのか判らない。
そんなジレンマに苛まれながら、スコールが黙々と足を動かしていると、


「スコール」
「……!」


距離があるとばかり思っていた彼の気配が、直ぐ後ろにあった。
近い距離で聞こえた声に、またしても心臓が跳ねる。

驚かすな、と言う気持ちで、判り易く顔を顰めて振り返る────が、眼前に差し出された銀色に、蒼灰色から剣呑な光が抜ける。


「体力を補えるアクセサリーだ。こっちの方が、お前には有用だろう」


そう言ってカインが差し出していたのは、燻し銀が鈍い光を反射させる、シルバーバングルだった。
突然の事に、スコールはきょろんとした表情で、カインとバングルを見詰める。

何も言わない、動かないスコールに対し、カインも何も言わずに動いた。
歴戦を臭わせる武骨な胼胝のある手が、スコールの手を掴み、持ち上げる。
バングルがスコールの手首に通され、黒のジャケット裾と手袋の隙間に、微かな重みが加わった。
その重みによって、スコールはようやく我に帰る。


「カイン、」
「持って置け。お前は直ぐにスタミナ切れをするからな」
「おい、」
「銀装飾なら、お前もそれ程抵抗はないだろう?」


自分が何を言おうとしたのか、スコールにもよく判っていなかった。
ただ、要らない、あんたが使え、と言う類のものであった事は違いなく、カインはそれを先回りするように言って、また歩き出す。

言葉を先回りされた事で、出鼻を挫かれたスコールは、数秒の間、其処に立ち尽くしていた。
遠くから聞こえるジタンとバッツの声に我に帰り、慌てて歩を再開させ、早足でカインを追い越して行く。




擦れ違い様、赤くなった耳を彼に見られていた事に、少年は気付かなかった。






なんか思い付いたので書いてみたカイン×スコール。
普段はスコールに無理のない距離を保つのに、不意打ちで近付いて来るカインとか良いかなって。

カイン、大人で兄貴分で紳士とか難しい。孤高だけど、隊長とかやってたし、人付き合いは問題なさそう。
  • この記事のURL

[レオスコ]甘い時間を待っています

  • 2014/03/15 21:39
  • カテゴリー:FF

ホワイトデーでレオスコ!
バレンタインの[甘い吐息を分け合って]の続きになります。




今から一ヶ月前のバレンタインデー────その日、スコールはレオンからチョコレートを贈られた。
が、その時、スコールも彼に対して贈るチョコレートを用意していたのだ。

スコールは一日の学業を終えた後、普段なら先ず近付かないであろう、女子生徒が屯する洋菓子店に赴き、きゃいきゃいと花を飛び散らす少女達の中に一人混じって、彼に渡すチョコレートを選んだ。
そうした非常に高いハードルを越えた後で、スコールは更に高いハードルにぶつかる事となる。
スコールが学校で沢山の女子生徒(名前を知らない者も多い)からチョコレートを贈られたように、レオンも勤め先の同僚達から、大量のチョコレートを贈られていた。
レオンが貰ったものは、流石社会人とでも言うのか、どこそこの高級ブランドチョコレートが並べられ、手作りのものも、中身は勿論包装紙まで非常に凝られていて、女性達の執念のようなものが感じられた。
そんな沢山のチョコレートを見た後で、スコールは自分が用意したチョコレートが酷く貧相なものに見えたのだ。
学生達が寄り道して行くような洋菓子店で買ったもので、ワイン入りのビター味と言う大人向けの仕様とは言え、やはり高級菓子の類には、遥かに見劣りする。
スコールは完全に気後れし、チョコレートを直接渡す事を躊躇ってしまった。

スコールがどうやってチョコレートを渡すかを考えあぐねている間に、レオンの方からスコールへ、チョコレートが贈られた。
予告もなく口の中にチョコレートを入れられて、何事、と狼狽していると、キスをされ、彼はスコールとチョコレートの味を堪能した後、「来月は、お前の方から貰えると、嬉しいな」と言って笑った。

彼にそう言われたから───と言う訳ではないが、3月14日のホワイトデー当日、今度こそは、とスコールは思っていた。
あの日スコールが用意したチョコレートは、結果的にはレオンに贈る事は出来たものの、直接渡せた訳ではなく、レオンの部屋のデスクに置いて、彼に気付いて貰うと言う手法が取られた。
今回はバレンタインデーのお返しの日とされているのだから、渡す事への大義名分は十分ある。
一ヶ月前のように、あれこれと考え込んだり、チョコレートを用意する為に高いハードルを越えたりする必要はない。
この前のお返し、と言って差し出せば良い、簡単な事だ。

……簡単な事だ。


(………そう、思ってたのに)


3月14日の夜、スコールは無表情の裏側で、胸中で頭を抱えていた。

レオンと二人で暮らす家の中、リビングのソファに座って、スコールはテレビを眺めていた。
が、目線が其方に向いているだけで、放送されている番組の内容は、まるで頭に入って来ない。
彼の意識は、ただ只管、背中の気配に向けられている。

スコールが座っているソファの後ろには、食卓に使っているテーブルがあった。
レオンはその席に着いて、仕事用に使っているパソコンを開き、何かのデータを打ち込んでいる。


(……忙しそうだ)


何でも、年度末の総決算が近いとかで、やる事が山積みになっているらしい。
春休みと言うものは学生の内の特権であり、社会人には全く関係の無い事なのである。

絶えず聞こえる、キーボードを叩く音と、カーテンを開けた夜の窓越しに映る彼の表情は、真剣そのもの。
スコールは、ただの一時であっても、それを邪魔する事に気が引けていた。

スコールがバレンタインデーのお返しにと用意したのは、一ヶ月前と同じ店で買ったチョコレートだった。
同じ物を同じ店で用意するなんて芸がない、とは思ったが、スコールにとって、今日と言う日は、彼の日のリベンジの意味もある。
あの日は直接渡せなかった上、先にレオンの方からチョコレートを贈られたので、今度こそは自分から、と思っていた。
そして出来れば、あの日出来なかった“直接手渡しする”と言うミッションをクリアしたい。

しかし、忙しそうな彼の横顔を見遣る度、どんどん気後れして行く自分がいる。
邪魔をしないように、彼の部屋にこっそり置いておこうか、と思ったが、それでは一ヶ月前と何も変わらない。


(もう少し待って、レオンの仕事が終わったら、渡すか。でも、まだしばらく終わりそうにないよな…)


パソコンの横に置かれた、資料らしき紙の束を捲りながら、レオンは作業を続けている。
その紙束が、まだ半分も捲られていない事に、スコールは気付いていた。
あの紙束全てに書かれている事をまとめなければならないのだとしたら、日付を跨ぐのは目に見えている。

せめて日付が変わる前、ホワイトデーの内に渡したい。
でもタイミングが……と考えれば考える程、スコールはドツボに嵌り込み、冷蔵庫に納めているチョコレートを取りに行く事すら出来なくなっていた。

後々になって考えれば、「一ヶ月前のお礼」と言って、テーブルに物を置くだけで目的は果たせたのだが、思考の迷路に嵌り込んだスコールは、そうした考えすら思い浮かばなかった。

窓越しにちらちらと彼を見て、興味の無いバラエティ番組の音を聞くともなしに聞きながら、いつ動こう、と緊張しながらタイミングを探す。
そんなスコールの後ろで、キーボードを叩く音が途絶え、レオンは曲げていた背中をぐっと後ろに逸らした。


「……ふーっ…」


パソコンに向かう為にずっと丸めていた背を伸ばせば、ぴきぴきと筋肉と骨の引き攣る感覚に見舞われる。
いたた、と眉根を寄せるレオンに、スコールは振り返り、


「終わったのか?」
「ん……今日の所は、な」


書類の束をぱらぱらと捲りながら、レオンは言った。
一応、今日の作業として予定している所までは終わった、と言う事だ。
几帳面な彼の事、出来れば前倒しで出来る所まで終わらせてしまいたいのだろうが、今日はもうそんな気力も尽きているようだ。

レオンはパソコンの電源を切り、蓋を閉じると、ふう、と息を吐いてテーブルに突っ伏す。
滅多に見せない、判り易い“疲れた”と言う様子で、彼は呟いた。


「毎年の事だが、やる事が多くて困る」
「……大変だな」
「まあな。この時期だし、仕方のない事ではあるんだが」


決算と言うものが近付く度、レオンが大量の書類作りに追われている事を、スコールは知っている。
一年間の総決算となると尚更で、平時でも多い書類の数が倍以上にまで増えており、さしものレオンでもこれを捌くのは一苦労だった。

のろのろと体を起こすレオンを見ながら、渡すなら今だろうか、とスコールは考える。
レオンもスコールもあまり甘い物は得意ではないが、甘味は疲労時の回復に役に立つ。
しかし、レオンは明日も仕事があるし、早朝の内に出社しなければならない筈だから、甘味よりも早く眠りたいかも知れない。
────考え始めればキリがない可能性を、スコールは延々と頭の中で巡らせていた。

かたり、とレオンが席を立つ音を聞いて、スコールは我に返る。


「風呂に入るのか?」
「いや。その前に、コーヒーでも飲もうかと」
「俺が淹れる」


仕事終わりの一服が欲しいのなら、丁度良い、とスコールはソファを立った。
コーヒーを淹れて、その当てにチョコレートも渡せば良い。
これなら、無理なく自然に渡せるだろう。

キッチンへ向かうスコールを見送って、レオンは小さく笑みを零し、テーブルに置いていた書類を取った。
明日まとめる分を確認するのも面倒で、パソコンと一緒にさっさと仕事用の鞄の中に入れて、蓋をする。

スコールはコーヒーミルを取り出し、レオンに教えて貰ったやり方で、コーヒー豆を挽いていた。
ほんのりとしたコーヒーの香りがスコールの鼻腔を擽る。
レオンに教わった通りの挽き方をしているのに、不思議な事に、何度挽いても彼の作ったコーヒーと同じ香りにならない。
それでも、レオンが「スコールの挽いてくれた豆の香りは美味い」と言ってくれるから、これで良いのだと思っている。

挽き終った豆を布フィルターに入れて、サーバーにセットし、少し湯を注ぐ。
豆を蒸らし終わった所で、改めて湯を注が、コーヒーが摘出されるのを待っている間に、冷蔵庫に入れているチョコレートを取り出そうとした所で、


「最近、妙に疲れが溜まっている気がするんだ」


本来なら対面式のキッチンとなる為か、キッチンとリビングの間の壁には、窓がある。
其処から聞こえた声にスコールが顔を上げると、レオンはスコールが点けっ放しにしていたテレビを眺めていた。
その為、キッチンにいるスコールからは、レオンの後ろ姿しか見えない。

じっとその後ろ姿を見詰めるスコールに、レオンは振り返らないまま、言った。


「だから、妙に甘いものが食べたくなるんだ」
「………」
「でも、此処の所、コンビニに買いに行く暇もなくてな」


レオンの言葉は、独り言染みていたが、スコールに向けられているようでもあった。

スコールは、冷蔵庫の蓋に手をかけたまま、じっとレオンを見詰めていた。
レオンが肩越しに振り返り、蒼灰色の瞳が微かに楽しそうに和らいで、


「何かあったら、嬉しいんだけどな」


澄んだ蒼の瞳には、期待と言うよりも、確信的な光が滲んでいる。
それを見付けただけで、スコールは、何もかもが見透かされているような気がして、頬に朱色が上った。



真っ赤な顔でコーヒーとチョコレートを差し出すスコールに、レオンがもう一つ、スコールが益々赤くなる事を言おうとしている事を、彼は知らない。





「お前の手で食べさせてくれ」って言う。

バレンタインの時には、レオンがスコールに食べさせてあげたからね(不意打ちで)。
自分がした事を、全部そのままお返しして貰おうと思ってるレオンでした。

 

  • この記事のURL

ページ移動

  • 前のページ
  • 次のページ
  • ページ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • 31
  • 32
  • 33
  • 34
  • 35
  • 36
  • 37
  • 38
  • 39
  • 40
  • 41
  • 42
  • 43
  • 44
  • 45
  • 46
  • 47
  • 48
  • 49
  • 50
  • 51
  • 52
  • 53
  • 54
  • 55
  • 56
  • 57
  • 58
  • 59
  • 60
  • 61
  • 62
  • 63
  • 64
  • 65
  • 66
  • 67
  • 68
  • 69
  • 70
  • 71
  • 72
  • 73
  • 74
  • 75
  • 76
  • 77
  • 78
  • 79

ユーティリティ

2025年07月

日 月 火 水 木 金 土
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
  • 前の月
  • 次の月

カテゴリー

検索

エントリー検索フォーム
キーワード

新着エントリー

[ヴァンスコ]インモラル・スモールワールド
2020/12/08 22:00
[シャンスコ]振替授業について
2020/11/08 22:00
[ジェクレオ]貴方と過ごす衣衣の
2020/10/09 21:00
[ティスコ]君と過ごす毎朝の
2020/10/08 21:00
[ジタスコ]朝の一時
2020/09/08 22:00

過去ログ

  • 2020年12月(1)
  • 2020年11月(1)
  • 2020年10月(2)
  • 2020年09月(1)
  • 2020年08月(18)
  • 2020年07月(2)
  • 2020年06月(3)
  • 2020年05月(1)
  • 2020年04月(1)
  • 2020年03月(1)
  • 2020年02月(2)
  • 2020年01月(1)
  • 2019年12月(1)
  • 2019年11月(1)
  • 2019年10月(3)
  • 2019年09月(1)
  • 2019年08月(23)
  • 2019年07月(1)
  • 2019年06月(2)
  • 2019年05月(1)
  • 2019年04月(1)
  • 2019年03月(1)
  • 2019年02月(2)
  • 2019年01月(1)
  • 2018年12月(1)
  • 2018年11月(2)
  • 2018年10月(3)
  • 2018年09月(1)
  • 2018年08月(24)
  • 2018年07月(1)
  • 2018年06月(3)
  • 2018年05月(1)
  • 2018年04月(1)
  • 2018年03月(1)
  • 2018年02月(6)
  • 2018年01月(3)
  • 2017年12月(5)
  • 2017年11月(1)
  • 2017年10月(4)
  • 2017年09月(2)
  • 2017年08月(18)
  • 2017年07月(5)
  • 2017年06月(1)
  • 2017年05月(1)
  • 2017年04月(1)
  • 2017年03月(5)
  • 2017年02月(2)
  • 2017年01月(2)
  • 2016年12月(2)
  • 2016年11月(1)
  • 2016年10月(4)
  • 2016年09月(1)
  • 2016年08月(12)
  • 2016年07月(12)
  • 2016年06月(1)
  • 2016年05月(2)
  • 2016年04月(1)
  • 2016年03月(3)
  • 2016年02月(14)
  • 2016年01月(2)
  • 2015年12月(4)
  • 2015年11月(1)
  • 2015年10月(3)
  • 2015年09月(1)
  • 2015年08月(7)
  • 2015年07月(3)
  • 2015年06月(1)
  • 2015年05月(3)
  • 2015年04月(2)
  • 2015年03月(2)
  • 2015年02月(2)
  • 2015年01月(2)
  • 2014年12月(6)
  • 2014年11月(1)
  • 2014年10月(3)
  • 2014年09月(3)
  • 2014年08月(16)
  • 2014年07月(2)
  • 2014年06月(3)
  • 2014年05月(1)
  • 2014年04月(3)
  • 2014年03月(9)
  • 2014年02月(9)
  • 2014年01月(4)
  • 2013年12月(7)
  • 2013年11月(3)
  • 2013年10月(9)
  • 2013年09月(1)
  • 2013年08月(11)
  • 2013年07月(6)
  • 2013年06月(8)
  • 2013年05月(1)
  • 2013年04月(1)
  • 2013年03月(7)
  • 2013年02月(12)
  • 2013年01月(10)
  • 2012年12月(10)
  • 2012年11月(3)
  • 2012年10月(13)
  • 2012年09月(10)
  • 2012年08月(8)
  • 2012年07月(7)
  • 2012年06月(9)
  • 2012年05月(28)
  • 2012年04月(27)
  • 2012年03月(13)
  • 2012年02月(21)
  • 2012年01月(23)
  • 2011年12月(20)

Feed

  • RSS1.0
  • RSS2.0
  • pagetop
  • 日々ネタ粒
  • login
  • Created by freo.
  • Template designed by wmks.