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アリー1(part5 130,131,205-207)車
アリーは停車すると、訝しい視線を向けるグラハムの頬に手を伸ばした。
「さ、触るな!」
ぱしんと手を弾くも、反対にその手首を掴まれ、シートに押し付けられる。
「っ…お前」
「触るな、か。ユニオンのエース殿は潔癖無垢なお嬢様らしい。あぁ気にいらねえなあ、
俺はあんたみたいな人間見てると反吐が出るんだよ。真っ白な雪原を見ると荒らしてみたくなるだろう?
そういう気分になるんだよ」
危険を察知したグラハムよりアリーの方が一瞬行動が早かった。助手席のシートに乗り込むと、
そのままグラハムに圧し掛かりシートベルトで両腕を拘束する。
「貴様!」
彼の瞳は驚きを見せた後直ぐにそれを怒りに変え、鋭い光を放っている。
だがそれも、アリーの歪んだ歯車の回転速度を速めるための油になったに過ぎなかった。
「ああ、いいなそういう眼は。蹂躙して屈服して、屈辱で濡れる様を見てみたくなる」
剥き出しになったアリーの本性を前に、グラハムは逃げ場を既に無くしていた。

続き▽

| その他名ありキャラ::5:アリー1 | 2008,02,26, Tuesday 05:24 AM

アリー2(part5 133)車2
聞こえないくらいの音でアリーは舌打ちした。
今、横に座り緊迫した様子を隠さない男は、どう見てもただの白い子兎だ。
いつものように喰らい尽くし白い肌を蹂躙し泣き叫ぶ姿を楽しめばいい。
…と思っていた。
時々脅えたような目で自分を見る目線は明らかに住む世界の違う住人のものだ。
忌々しい…苛立ちのあまり運転が荒くなる。
グラハムがふと、そのきれいな形の口を開く。

「もう少しゆっくり運転してもらえないだろうか」
「はあ?」

自分の立場をあまりにもわきまえないその言葉にアリーは変な声を出してしまった。

「…すまない。わたしは人の運転にはあまり慣れていないのだ」

なにを言い出すんだこのお坊ちゃんは。
呆れたアリーは乾いた笑いを漏らす。

「はは、かしこまりました。グラハム・エーカー上級大尉さんよ」
「ありがとう」

きちんとお礼を言うところが育ちの良さかねえ、と嫌味を言いつつスピードを落とした。
どの道そろそろこの白兎をじっくりと料理しないといけない。
沈黙が彼にプレッシャーを与えていることは分かっている。
…だが。
アリーは焦っていた。時々こちらを伺い見る緑の瞳に見透かされていないか。
くそっ!小声で呟くとアリーはまた舌打ちした。
ビクリと肩を震わせ振り返るくせに、その目の奥底で冷静に観察している気がする。
なんだこいつ…まさか誘っていやがるのか?そんなはずはない。
明らかに主導はこっちにあるのだ。
こんな気分は初めてだ!
ぞくぞくする高揚を隠せず思わずアリーは舌なめずりした。

こいつは面白くなってきたぜ。

| その他名ありキャラ::6:アリー2 | 2008,02,26, Tuesday 06:28 AM

カタギリ8(part5 212)
んん、と鼻にかかったくぐもりが、それを伝って来た。
グラハムはあまり口が大きい方ではなかったから、開いた唇は精一杯という感じでで性器を挟み込んでいる。
柔らかな、形よい口唇が、荒い呼吸を伴って、僕のものを根元まで飲み込んでゆく。
粘膜は温かさで僕を包む。
時折苦しそうに眉を寄せるもグラハムの瞳は潤んで恍惚とし、しょっぱい先走りを唾液とともに嚥下する度に喉が鳴るのは、それを見下ろす僕を酷く興奮させた。
薄桃色の唇から、ぬらりと唾液に浸された舌が見える瞬間など、堪らなかった。
「…っ、いいよ、グラハム」
僕のものがかたくなったことに気をよくしたのか、彼は執拗にくびれに舌を這わせている。
こちらを見上げる瞳の淫靡さといったら形容しがたいほどで、視線がかちあった瞬間に瞼を伏せるくせに、ペニスに絡める舌は夢中と言って差し支えなく、やはり完璧な造形の鼻梁が僕の下生えに近付いたときに至っては、その体臭にひどく興奮するようだった。
嗚呼、何と愛しく、淫らな存在なのだろうと思い、僕が身を預けるソファの前にうずくまる彼の、いっそ甘ささえ感じるほど見事な金髪を掻き交ぜた。
じゅ、と濡れた音を絶え間無く発し続ける結合は、彼が滅多にフェラチオをしてくれないことを含めれば、ある意味で、彼の尻穴に怒張を突き立てていいところを探すよりも、僕をむずがゆく掻き立てた。
「んっ、ぅ、っ…」
歯を立てぬようにと気を遣いながらも必死に唇をすぼませる合間、喉から喘ぎが漏れだし、グラハムの肩が揺れた。
いよいよ射精を前にしたペニスをいまだ口に含んだまま、だが彼は、伏し目がちにしていた翡翠の瞳をこちらに向けた。
こちらからは頭部に隠れている腰が、うずうず揺らいでいる気配がある。
咥内から出した性器の先端に、愛しげに口付ける。
べっとりと唾液にまみれた唇が、ものいいたげにしどけなく開かれた。
「…あぁ、君を本当にいやらしい体にしてしまったね」
「……カタギリ…」
「おいで、抱いてあげるよ」
躊躇いがちに僕を呼んだグラハムの体を抱え上げ、ソファに腰掛ける僕の前で膝立ちさせる。
彼のペニスは、白いスラックスを押し上げて欲望を主張していた。
「僕のを舐めているだけでこんなになるなんて」
両の太腿を裏から撫で上げてやれば、彼はいつもの感度の良さで、体を揺らしてみせた。
ひ、と息を飲み込むのが愛らしいとさえ思える。
スラックスの上からそっと膨らみを撫でると、先程のフェラチオの興奮も手伝ったのだろう、いともあっさり彼の唇は綻んだ。

| カタギリ::8 | 2008,02,27, Wednesday 06:23 AM

吸血鬼(part5 356,490/part6 878)
その日の月はなぜかいつもより蒼白く輝きが増していた。
なぜかグラハムは胸騒ぎで寝付かれず窓辺でそれを眺めていた。
ふと、誰か懐かしい匂いがした気がして後ろを振り返ると黒いシルエットがいつのまにか
気配も無く部屋の隅に立っている。

「誰だ」
「俺ですよ…上級大尉殿」
「な…ジョシュア?まさか…だっておまえは…」
「あなたを残して死にきれずに帰ってきました」
「嘘だ…」

指摘する声が震える。恐怖のためではない。

「…俺のために泣いてくれたんですか?」

月明かりに白く映る頬にきれいな涙が流れた。
信じられないと大きく見開かれた緑の瞳にはジョシュアの姿は映らない。
ジョシュアはそれを残念に思いつつグラハムの額に口付けを落とす。

「おまえが…勝手して、先に逝くから…!」
「すみませんでした。でもあなたが悪いんですよ」
「なんで…」
「あなたを越えてから抱きたかったから…」

わななく唇にそのまま噛み付くようにキスした。最初は微かに抵抗を試みていたが、
グラハムの手もおずおずとジョシュアの背に回される。

「上級大尉だってそれを望んでいたのでしょう?」
「あ…っ!」

グラハムの手をそっと引くとそのままベッドに押したおす。
上目遣いで見上げる瞳を捕らえるとジョシュアは耳元で言い聞かすように囁いた。

「もう逃がしませんよ。あなたを俺の虜にして…連れ去ります」
「ジョシュア…」

その目は赤く輝き、彼の白い八重歯が光った気がする。
抵抗する気は始めからなかったが、グラハムは力が抜ける感覚に怯えた。

続き▽

| ジョシュア::14:吸血鬼 | 2008,02,29, Friday 03:43 AM

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